あらすじ
数か月前にに流行した未知の熱病。
それの病に侵され療養していた伯爵令嬢マリアンヌ・クレヴァンスの元に、親同士が決めた婚約者がジエール・ミュレン伯爵令息が見舞いに訪れ突然妙なことを言い放った。
「マリアンヌ、君との婚約の話はなかったことにする」
マリアンヌにとってそれは全く、寝耳に水の話だった。
いくら親同士が決めた婚約とはいえ、貴族の婚姻は、家同士の結びつきを強めるために行うことが多いことを理解していたマリアンヌは理由を問いただすと、〝なんとなく〟という言葉をつきつけられてしまう。
そんな理由で婚約破棄されてしまったマリアンヌは、すぐに別の相手との婚約が決まった。
お相手は、猛獣をたくさん飼っているとか、道ならぬ恋をしているとか、あやしい噂がたくさんある、王弟公爵殿下であるナーシュ。
縁談は一般的なこの国の貴族がするような手順を何段階も飛ばされ、異例の速さで進んでいき――気付けばマリアンヌは結婚していた。
婚約指輪を贈られるより早く結婚指輪を贈られて。
夫であるナーシュ殿下との初対面が叶ったのは、これから二人で暮らす王都の一等地にある屋敷に足を踏み入れたときだった。
ナーシュにエスコートされ、屋敷に入るとそこには……
「にゃーん」
可愛らしくにゃぁ、みゃあと鳴く猫たちだった。
驚きを隠せないマリアンヌに「自分が悪い」と謝罪するナーシュにさらに驚いた。
王族の言葉は重いもので、軽々しく謝罪はしない。
それに「妻は天使」「可愛いな」など不思議なことを言われる始末。
そんな変わった王弟殿下との新婚生活が始まる……
〝なんとなく〟で婚約破棄されてしまった伯爵令嬢と猫好き変人王弟とのほのぼの新婚ラブストーリー
感情タグBEST3
ヒーローの行動力
愛しの彼女のために、確かに方向性としては正しいけれども若干遠回りで効力が薄そうな努力を続けるヒーローが可愛らしいです(笑)。
分かりやすい悪役の元婚約者が出てきますがちょうど良いスパイスなので、安心して読めました。
うぅ~ん……猫好き殿下で猫の活躍と略奪の仕方はどんな感じかな?と思って読んだけど何だか違いました(笑)ヒロインの良さもいまいち解らず恋に恋する思い込みな感じが否めない……何だか山も谷もなく終了です。でも最後まで穏やかな気持ちで読めました!