感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
今回も考えさせられました。
仮設住宅を解体したい町役場と、公営住宅へ金額的に入れず残りたい高齢住民。
殺人事件にまで発展してしまった背景には、なんとも言えない状況があったとは、やりきれませんでした。
不幸自慢も言い得て妙で、故郷を離れて仙台市に移り住んだ蓮田刑事と、同郷の幼馴染との確執も微妙な感じでした。
そして、まさかの大どんでん返しで、えー!って声に出してしまいました。ほんの少し歯車が狂ったが為に、未来が大きく変わってしまいやるせない思いでした。
ラスト、ほんの少しだけ希望が持てそうだったのが救いでした。
Posted by ブクログ
東日本大震災の後の宮城県警を舞台にしたシリーズ3作目。
これまでの主役だった刑事が脇にまわり、パートナーの若手が主役(語り手)。
能登半島地震の直後に手に取ったこともあり、震災関係のエピソードには心がいたみました。
密室トリック系かと驚きましたが、それは本筋ではなく。
やはり、震災が無ければ起きなかった事件でした。
友人に対する負い目や、嫉み。一言では表せない感情。甘酸っぱい思い出に出来れば、お互いに煩わしいこともなかったのでしょうが、生傷をえぐるような捜査が、読んでいてしんどかったです。
Posted by ブクログ
「宮城県警シリーズ」三部作の完結編。
災害公営住宅の移転に伴い解体作業が進む仮説住宅の一室で見つかった他殺体。
被害者は町役場勤務の仮説住民の担当者。
笘篠刑事と蓮田刑事が、捜査にあたるがそこで遭遇したのは蓮田にとっては忘れがたい人物。
蓮田が高校時代に新聞社に勤めていた父のスクープの一件で、決別するかたちとなった旧友たちがこの事件に関わっているのか…。
蘇ってくる在りし日の友情と恋心。
立ちはだかる悔恨と贖罪。
刑事としての職を全うした先に見えてきたもの。
エピローグの沙羅の言葉…
「知歌はあのおじいちゃんを護ろうとした。旦那は知歌を護ろうとした。わたしは森見家を護ろうとした。皆が皆、震災で大事なものを失ったから、いまあるものを手放すまいとして一生懸命だった。将ちゃんは何を護ろうたしたの」
「知歌を護ろうとしたのは、将ちゃんが知歌を好きだったから。たった一人親友と呼べる人間が想いを寄せた相手だから護ろうとしたのよ。」
このシリーズは心情と人間模様を描いたヒューマンミステリーだが、完結編となると寂しい。
こういう深く心の奥に染み込む物語は、続いてほしいと思う。
Posted by ブクログ
宮城県警三部作と言うことになるらしい、前作「護られなかった者たち」「境界線」はかなり犯行に無理があると考えていたが、本作も一番情けない人物が犯人なんて、よぼよぼの酔っぱらい殺された公務員なんて余りにも不憫だし、このシリーズは公務員受難シリーズとも言える、今回も明らかに立ち退きを渋っているだけの我儘ジジイじゃないか、そのせいで周りのものが全て不幸になると言う納得いかない話で、一番悪質な似非NPOにはお咎めなしかい、このシリーズは好きになれなかった。