あらすじ
宗教戦争を知ることは、世界を知ることにほかならない
人類は「戦争」をくり返してきました。
そこに「宗教」がからんでくると、事態はより複雑なものになります。
宗教戦争の成り立ちから、世界中に広がっていく流れ、信仰だけが戦争を引き起こす原因になっているわけではない点。
宗教とは無縁に思えても、実は深くからんでいる戦争があることなど、この世界を、社会全体を見通すために必要なことを解説します。
1953年東京生まれ。作家、宗教学者。1976年東京大学文学部宗教学科卒業。同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1984年同博士課程修了(宗教学専攻)。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を経て、東京女子大学非常勤講師。著書に『創価学会』(新潮新書)、『帝国と宗教』(講談社現代新書)、『葬式は、要らない』(幻冬舎新書)、『教養として学んでおきたい仏教』(マイナビ新書)、『世界史が苦手な娘に宗教史を教えたら東大に合格した』(読書人)ほか多数。
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Posted by ブクログ
宗教による対立は多数派vs少数派や独立などにより少数派に転じる際に強く起きるらしい。
以下掻い摘んだメモ。
・キリストの誕生日は聖書には季節含め記載が無い。ローマ帝国で拡大される中、ライバルとなるミトラス教が12/25を太陽を崇拝する日と定めており、これに対抗するため「正義の太陽」であるキリストが誕生した日と定めたことがクリスマスの発祥。
このように世界宗教が民族宗教を駆逐していく中で相手の要素を取り込んで変容することがあった。
・十字軍遠征時ではキリストよりイスラムの方が文明が進んでいた(ギリシア文明を切り捨てたか受け入れたかの差)ため、これを機にルネサンスなどが興った。ここからイスラムとキリストの対立が始まった。
・プロテスタントはカトリック協会のやり方が腐敗していたとはいうがサン・ピエトロ大聖堂など大規模な建築に罪が贖われることに対する期待は大きかった。期待に応えるため、資金調達は当時欠かせない課題だった。一概に腐敗堕落していたとは言えない。
・フランスのプロテスタントはユグノーと言う。何度も迫害され、争ったが今日ではフランスには1~2%しかプロテスタントはいない。
・ジハードという言葉には聖、神聖という意味はない。イスラム教はキリスト教や仏教と違って聖なる世界と俗なる世界を区別しない。
・大日本帝国憲法を作るためヨーロッパを視察した伊藤博文らは、キリスト教の役割に注目。日本にこれに当たるものはなかったため、皇室の神聖性を強調した。
・イスラム教地域はキリスト教地域より進んでいたが十字軍によりギリシア文明等を手に入れ、ルネサンス等が起こり、高度な文明を築きあげる。その後拮抗するが産業革命によりキリスト教地域の優位性が築かれる。それにより、イスラム教地域の植民地化が進み、社会的に不利な立場に追い込まれる。それを打破するためにサラフィージハード主義が強く唱えられ、過激派はジハードと称してテロ行為に及ぶようになる。