【感想・ネタバレ】空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

受刑者たちが、そっと心の奥にしまっていた葛藤、悔恨、優しさ……。童話作家に導かれ、彼らの閉ざされた思いが「言葉」となって溢れ出た時、奇跡のような詩が生まれた。美しい煉瓦建築の奈良少年刑務所の中で、受刑者が魔法にかかったように変わって行く。彼らは、一度も耕されたことのない荒地だった――「刑務所の教室」で受刑者に寄り添い続ける作家が選んだ、感動の57編。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とにかく考えさせられる本だった。
受刑者の少年たちが書いた詩ということだったが、他の方の評判にもあるように、とても犯罪を犯した人の書いた言葉とは思えない、なんとも素敵な言葉や感情が並んでいた。
特に「母」を想う詩は思わず涙しそうで、電車の中で読むのをやめてしまったほど。。

でも、
なんとなく、少年犯罪というのを美化しているように見えてしまう。。
複雑な家庭環境で育ったがゆえの犯罪、、というのも理解はできるものの、やはり犯罪には必ず被害者が存在して、その被害者のことを考えると、、どうなんだろう。。
加害者たちが公正していく姿を見るのは、関わっている人たちにとってはやりがいもありそうだし、
すごい社会貢献性の高いことだけども、一方、被害者視点で考えると傷ついた心や体を元通りにするってかなり大変なことなんじゃないかな。
この詩を読んで、見て、果たして被害者や被害者の家族たちは同じように心を打たれるのか。。

再犯させない社会を作ることも大事だけど、まずは何より子供たちが非行や犯罪に走らないような環境づくりや家庭のサポートをすることが何より大事だと思う。

個人としては心を動かされたし、とても考えさせられたけども、どうしても被害者のことを考えると☆5つはつけられなかった。

★なんとなく心に残ったメモ↓
どんなことでも「知ってるでしょ?」と問いかけてはいけない。「知ってるかな?」と問いかけるべき。

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2023年10月15日

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