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Posted by ブクログ
書店の書評コーナーにて。
「むなしさ」は「す(澄)まない」。
心の隙間、穴に「むなしさ」が入り込んだ時、私たちは急いで埋めようとする。現代は「間」に耐えられない仕組みになっている。容易に「間」が「魔」になる時代。
むなしさは、すまないものだとあきらめて、心の底に住まわせる。むなしさを、時間をかけて醸成し、味わう。
結論を急がない。「間」に耐えてこそ生まれる創造物もある。
心の穴を、埋めないまま「間」として、時間をかけて向き合ってみることを意識したいと思えた一冊。
こんなに真面目な心理学の新書なのに、著者はなんと、おらはしんじまっただぁ〜♪で有名なフォーク・クルセダーズのきたやまおさむさん。
さすがは精神科の医師、言葉を大切に使われている印象。ワードセンスに惹かれた。
喪失は移行対象をみつけ、時間をかけて移行していくことでうまくこなすことができる
Posted by ブクログ
読んだあとどっとむなしさに襲われた。
柔らかい文体でむなしさを感じる自分を愛してほしいと繰り返し言われているようで、感じたくないと抑圧していたむなしさが、受け止めてほしいと湧き出てきたのだと思う。
漢字の成り立ちや、読み方が同じものの共通点とか、興味があるようで知る機会がなかったから読んでいて面白かった。
現代はむなしさを紛らわすもので溢れていて、いくらでも誤魔化せるけれど、人生の間の中で感じているむなしさはただ感じてあげることが必要だと思った。
人は本音と建前、表と裏、きれいごとと汚いこととあって、受け止めて愛すには、まず自分の心にどろどろとした沼があることを否定したくない。
その沼は完全に浄化されることはないから、癒されることに躍起にならなくてもいいと思い直した。あと、行動に移さなければ脳内では何を思ってもいい。
泥中でうまれるもの、咲くものがある。馴染むまで己の泥にとことん付き合っていきたいです。