あらすじ
自分の人生に意味はあるのか,自分に存在価値はあるのか….誰にでも訪れる「むなしさ」.便利さや快適さを追求する現代では,その感覚は無駄とされてしまう.しかし,ため息をつきながらも,それを味わうことができれば,心はもっと豊かになるかもしれない.「心の空洞」の正体を探り,それとともにどう生きるかを考える.
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Posted by ブクログ
書店の書評コーナーにて。
「むなしさ」は「す(澄)まない」。
心の隙間、穴に「むなしさ」が入り込んだ時、私たちは急いで埋めようとする。現代は「間」に耐えられない仕組みになっている。容易に「間」が「魔」になる時代。
むなしさは、すまないものだとあきらめて、心の底に住まわせる。むなしさを、時間をかけて醸成し、味わう。
結論を急がない。「間」に耐えてこそ生まれる創造物もある。
心の穴を、埋めないまま「間」として、時間をかけて向き合ってみることを意識したいと思えた一冊。
こんなに真面目な心理学の新書なのに、著者はなんと、おらはしんじまっただぁ〜♪で有名なフォーク・クルセダーズのきたやまおさむさん。
さすがは精神科の医師、言葉を大切に使われている印象。ワードセンスに惹かれた。
喪失は移行対象をみつけ、時間をかけて移行していくことでうまくこなすことができる