【感想・ネタバレ】世界はラテン語でできているのレビュー

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Posted by ブクログ

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Twitterでフォローさせて頂いているラテン語さんが執筆されたとのことで手に取った本書。ラテン語が他の様々な言語や分野に影響を及ぼしていることはなんとなくレベルで知っていたが、世界史・政治・宗教・科学・現代・日本という6つのテーマに沿った説明を読むと、改めてその影響力の大きさに驚く。

本書内で特に印象に残ったのは、「パッションフルーツ」と「月」の項目。

パッションフルーツの”passion”の元々の意味は「キリストの受難」であり、花の部分がキリストの磔刑を連想させることから「パッションフルーツ」と名付けられた。また、魂が何かしらの作用を受けた結果、激情や情熱が生まれると考えられていたことから「情熱」という意味も生じた。

月の形容詞"lunar"はラテン語”luna”が語源で、これは「精神異常」を意味する”lunacy”の語源にもなっている。その理由は、昔は月の影響によって精神病が引き起こされると考えられていたから。科学的根拠については私自身はよく知らないが、月の満ち欠けが体調やメンタルに影響を及ぼすという考え方は、現代の東洋医学でも取り入れられているものであるので、そのような共通点があるのは非常に面白い。

他言語学習は、その言語の文化的・社会的・歴史的背景も同時に学ぶことであり、新たな視点を与えてくれるが、著者も前書きで言っているように、ラテン語の場合は上記に加えて、その古代を生きた人々の世界観も同時に知ることができるというのが一番の魅力なのだと思う。古代はやっぱり壮大でロマンを感じるし魅力的。

一度イタリア語に挫折したが、これを機に再挑戦し、あわよくばラテン語も少しかじってみようかなと思った。

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2024年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【身近にあるラテン語を少し深める】

ラテン語は英語含めヨーロッパ言語のもととは知っていたけれど、
あらためていろいろと深めることができました。


ラテン語 Latiumは、ローマ辺りイタリア中西部・ラティウム地方の言語ということらしい。

ローマ帝国で公用語として使われていて、
そのあともキリスト教・カトリックの教皇の下で使われ続け、
その後ヨーロッパ各地で生まれた言語の元になっている。

そんな古き歴史ある言語のあれこれが詰まっている本。

例えば、

いくつかの英語やフランス語、ドイツ語の言葉や地名の語源となっているラテン語の紹介、

ラテン語で書かれた、カエサルなどの有名な言葉、

ローマ帝国時代の有名な人物の名前が語源となっている今日の言葉や地名、

今も残るオベリスクなど建造物に書かれているラテン語について、

ラテン語をつかった科学関連の言葉ー星、元素、学名、栄養、医学、

社名、商品名、テーマパークや映画で使われているラテン語の言葉、

ラテン語と日本のつながり、



そしてラテン語は今に生きる言語であるということ。

でも逆に、こんなに広く影響を与えたのに、なぜ古典言語化してしまったのだろう。

どの近代国家にも採用されなかったから? もっとシンプルな言語が発達したから?

この前読んだ、モンテレッジオの本でも、ダンテとラテン語に少し触れられていた。

印刷技術が発展したときに真っ先に印刷されたのはラテン語。

ラテン語に影響を与えたとされる古代ギリシャ語は、帝国がなくなってから消えていったのかもしれないけど、ローマ帝国滅亡後もさらに発展していったラテン語。

18世紀ごろまでは学術書などは普通に書き言葉はラテン語だったと書かれていた。

人間に話されないと言語って、何なんだろう…。と思ったり。
あ、でも、外国語が読めるけど話すのは難しいように、
書き言葉としてなら、勉強したら覚えられるようになるかも!?というポジティブ思考はどうだろう。

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2024年05月20日

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