あらすじ
数々の名作が世界中で読まれ、翻訳され、映像化・舞台化され、没後48年を経ても変わらぬ人気を保ち続ける──まさしくミステリの女王、アガサ・クリスティ。大人気カルチャー講座「アガサ・クリスティを読む」の講師を務める書評家が、〈探偵〉〈舞台と時代〉〈人間関係〉そして〈騙(だま)しのテクニック〉に焦点を当て、各章でテーマに沿ったおすすめ作品を紹介しながら魅力を丁寧に語ります。最終章〈読者をいかにミスリードするか〉では、女王の驚くべきテクニックをじっくり解説。クリスティのすごさを実感できる、入門に最適な一冊!/【目次】まえがき/第1章 探偵で読む/1 異邦人としてのエルキュール・ポワロ/▼ポワロを知る二冊――『スタイルズ荘の怪事件』『ポワロの事件簿1』/2 時代の証人としてのジェーン・マープル/▼ミス・マープルを知る二冊――『ミス・マープルと13の謎』『書斎の死体』/3 年齢を重ねるトミー&タペンス/▼トミー&タペンスを知る二冊――『秘密組織』『二人で探偵を』/4 渋さが光る捜査官・バトル警視/▼バトル警視を知る一冊――『ゼロ時間へ』/5 個性的な短編の探偵たち/▼パーカー・パインを知る一冊――『パーカー・パインの事件簿』/▼ハーリー・クィンを知る一冊――『ハーリー・クィンの事件簿』/第2章 舞台と時代で読む/1 古き良きメイヘム・パーヴァ/▼メイヘム・パーヴァを知る二冊――『アクロイド殺害事件』『ミス・マープル最初の事件 牧師館の殺人』/2 ヒット作の鉱脈、中東ミステリ/▼中東ミステリを味わう二冊――『殺人は癖になる』『ナイルに死す』/3 動く殺人現場――旅と乗り物/▼旅と乗り物を味わう二冊――『オリエント急行の殺人』『カリブ海の秘密』/4 戦争がもたらしたもの/▼戦争を知る二冊――『ABC殺人事件』『NかMか』/5 変わりゆく大英帝国/▼イギリスの変化を知る三冊――『予告殺人』『葬儀を終えて』『鏡は横にひび割れて』/第3章 人間関係で読む/1 ロマンス! ロマンス! ロマンス!/▼ロマンスに浸る三冊――『謎のエヴァンス』『忘られぬ死』『ホロー荘の殺人』/2 三角関係の使い方/▼三角関係のバリエーションを知る二冊――『杉の柩』『白昼の悪魔』/3 いろいろな家族の形/▼家族のドラマを味わう三冊――『ポアロのクリスマス』『ねじれた家』『無実はさいなむ』/第4章 騙しのテクニックで読む/1 童謡だけじゃない“見立て”/▼見立て殺人におののく二冊――『そして誰もいなくなった』『ポケットにライ麦を』/2 二種類ある、回想の殺人/▼回想の殺人を味わう二冊――『五匹の子豚』『スリーピング・マーダー』/3 ミステリの華、意外な犯人/▼意外な犯人に驚く二冊――『三幕の悲劇』『カーテン』/第5章 読者をいかにミスリードするか/▼『シタフォードの謎』『殺人は容易だ』/参考文献/作品名一覧/人名一覧/アガサ・クリスティ著作一覧
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Posted by ブクログ
『エラリー・クイーン完全ガイド (星海社新書)』に続いて読みました。ポワロとマープル、どちらも魅力的。三谷幸喜もクリスティに影響を受けていて、翻案作品も手がけています。僕もミステリの基礎体力みたいなものをクイーンとクリスティで身に付けたいと思います。
Posted by ブクログ
まず、装丁がステキです。作品を知っていれば、ますます楽しめる仕掛けで…
そして内容もスゴイです!
教科書というか、とにかくスゴイんです(笑)。
クリスティーの作品を、翻訳されている全出版社のものを読みたくなり…それが無理でも、いくつか読んだ気でいる作品も再読必須…みたいな。
中身を紹介し始めると全部になってしまいそうで、無理…
初心者より、これまでクリスティーを読んだ、ポアロさんのドラマを観た、ミス・マープルのドラマを観た、映画化作品を観た…など、どの切り口からでも触れたことのある方は、ぜひ手に取っていただきたいです。特に翻訳されたものについての考察も良く、翻訳でしか読まない(読めない…)日本の読者向けの解説書でもあります。
P102 欄外の「満潮に乘って」のヒロインに対するメッセージ、すばらしいです!
初めは食わず嫌い気味で敬遠してましたが、読んでその凄さを知った1冊。
Posted by ブクログ
ミステリの女王クリスティの作品の魅力や、彼女自身、時代背景についても紹介している本。この著者は語り口が楽しいので非常に読みやすい。トリビアも豊富で、クリスティの作品をある程度読んだ人の方がより楽しめるかも。
個人的には昔ほぼ全ての作品を読んだが大部分忘れていることもあって、また再読したくなった。『三幕の悲劇』がアメリカ版とイギリス版で犯人の動機とラストがちがうというのは初耳で驚いた。
Posted by ブクログ
CL 2024.5.24-2024.5.25
大矢博子さんの書くクリスティガイド。
さすがの大矢さん、文章が楽しくて読みやすいです。有名な作品しか読んでないなとあらためて。で、ほんと読みたくなるブックガイド。
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティの本を読んだことのない人にはとてもわかりやすく、読んだことのある人にも豆知識が興味深く読める一冊。クリスティが生きた時代、実生活と作品がリンクされて解説されているところが面白かった。
Posted by ブクログ
たくさんあるクリスティ作品の中から
自分の好みのものを探そうと思い選んだ本。
クリスティ初心者のわたしにとって
こういったガイドブックはありがたい。
先日読んだ「ポケットにライ麦を」の後の作品も気になるし、ミス・マープルの初期の作品も読んでみたい。
あとは、全く知らなかったキャラクター、
トミー&タペンスもおもしろそう!
Posted by ブクログ
これ、手元に欲しい。
文庫になったら買おうかな。
クリスティ大好きな著者による紹介本。
章ごとに「探偵で読む」「舞台と時代で読む」
みたいなテーマで取り上げられているのが
先に読んだ『アガサ・クリスティー完全攻略』
とも少し違って面白い。
版元が東京創元社だから
基本は創元推理文庫のタイトルで紹介
って律儀なところがいいわね。
(私はほぼクリスティ文庫だけど)
今年ようやくポアロ制覇したから
次はマープルかしら。
もう、ほんとよくぞ書きまくってくれて。
楽しみは続く。