あらすじ
『このミス』大賞シリーズ
平安転生×ミステリー
若紫は名探偵!?
源氏物語の世界に転生したので
優雅な平安貴族ぐらし…と思ったら
奇妙な事件が次々と…!
物の怪に取り憑かれたとされる葵上の死の謎など
王朝絵巻の事件に令和の就活女子が挑む
(あらすじ)
皇居のお濠に転落した就活生の紫乃。目を覚ますと、彼女はなぜか平安時代の幼い姫君に転生してしまっていた。しかもただの平安時代ではなく、そこは「源氏物語」の世界で――!? 紫乃は光源氏にすべてを打ち明け、若紫として生活を続けることに。そんななか、源氏の妻・葵上が急死し、六条御息所の生霊に取り殺されたという噂が立つ。これは殺人事件ではないかと考えた紫乃は真相を探り始める。
【著者について】
日部星花
2001年、神奈川県厚木市生まれ。2019年に「DEATH★ガール!」で第2回青い鳥文庫小説賞金賞を受賞。同年、第17回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として『偽りの私達』(宝島社)を刊行し、小説家デビュー。現在お茶の水女子大学に在学中。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
就活中の女子大生が源氏物語の世界に転生、事件を解決するミステリー。転生したのが若紫、物の怪の仕業とされている夕顔や葵上の死の謎解き、平安時代と令和の価値観の違いなど、楽しい要素がたくさんあった。10歳も歳下の若紫になりすますのに苦労する主人公・紫乃や、彼女を温かく見守りつつも時に鋭い発言をする源氏なと、キャラクター造形も良かった。そのキャラクターにさらに磨きがかかる事を期待して、続編を希望。
Posted by ブクログ
就活生の源紫乃が皇居のお濠に転落して目を覚ますと、平安時代、しかも源氏物語の世界で紫の君(紫上)に転生していた。そこで夕顔と葵上の死の真相を探っていくことになる、という話。謎解き自体はシンプルなものだったが、源氏物語の掘り下げが丁寧で「そういえば本家ではこの後こうなるよなぁ。」といった感じで読み進められたのが面白かった。青柳碧人の「むかしむかしあるところに~」シリーズを思い出した。ラストで紫乃が自分のやりたいことを見つけられたのも良かった。
Posted by ブクログ
生霊によって取り殺されたという葵の上、及び(流れで)夕顔の君の謎を令和の時代から若紫の体に入ってしまった「わたし」が割と自分の足で稼いで現実的なトリックとして解決していく話。
本を読んでいたから多少ミステリの知識はあるとはいえ、チート能力のない彼女が時には失敗しながらも少しずつ少しずつ真相に近づいていく。
何しろ最終的には年単位の話になるので。
回り道はしたけれども、真相は割とシンプルかなと。
何度か怪しいなと思っていた人も、結局関わっていたんかい!という。
気になったのは、事件に関わった人たちのその後について。
特に記述がなかった気がするのだが。
驚いたのは、光源氏が作中で一番のイケメンではなかった件。
初手で「わたし」にかっこよくはあるけど……な判断されている時点で。
しかも、これが「源氏物語」の中の話だと気付かせるのを「わたし」(そして読者側)に遅らせる以外にも別の伏線として発動するという。
ここは驚きだった。