【感想・ネタバレ】東京ガールズブラボー 下のレビュー

あらすじ

時は1980年代の初頭、「おしゃれ」を求めて北海道から東京にやってきた高校生・金田サカエが遭遇する「恋」と「友情」の物語。

バブルと喧騒に明け暮れた80年代の虚飾をぶっ飛ばす、リアルな「サブカル」青春ストーリー。

下巻の巻末には、浅田彰との対談も収録!

※本タイトルの電子書籍は紙版書籍のスキャニングによる手法で制作しているため、極一部のページに文字切れが生じている場合がございます。予めご了承ください。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

この漫画は、自分が上京するきっかけとなったひとつです。

当時、10代も終わりを迎えようとしていた自分は札幌へ進学したばかりで、まばゆい北の大都市での生活に浮かれている最中でした。そんな日々の中で愛読していたオシャレ感度抜群の雑誌『cutie』の連載でこの作品に出会ったのです。あの頃の『cutie』は、今よりずっととんがった雑誌でした。
初めて見る岡崎作品は衝撃的でした。連載が楽しみでしょうがなかったし、コミックスが出るのが待ち遠しくて、購入後は何度も何度も読みました。今も初版を大事に持っています。

主人公である札幌在住のサカエちゃんは、同じ札幌で遊び呆ける私を差し置いてプラスティックメトロポリタン東京へ行ってしまいます。焦りました。ここより輝く場所がある!私も行かなきゃ!って心に決めました。インターネットもろくに整備されてない時代、進学したその先の、もっとおもしろい何か(だけどそれが本当におもしろいかどうかはわからない)があると私に多大なる期待を抱かせたのがサカエちゃんなのです。

この作品との出会いを皮切りに岡崎京子作品はすべて購入。音楽、恋愛、おしゃれ、東京、人生観…自分史上もっとも影響を受けた漫画家となりました。それがよかったのか悪かったのか正直わかりません。どちらかといえば悪かったかも(笑)

岡崎京子が80年代後半~90年代初期に描いた無茶苦茶に欲望のままに消費社会をつきすすむ女の子の生き方は、のちの代表作『リバーズエッジ』『ヘルタースケルター』に表現されるように絶望へと導かれていきます。からっぽに浮かれて堕ちるこの爽快さと残酷さこそ岡崎作品の真骨頂だと思っています。それはまさに、イナカから札幌へ、そして東京へ来て絶望の淵へと沈んで行った自分と重なります。それこそ絵に描いたように沈んで行った。ずぶずぶと。もっとおもしろい何かとはこれだったのかと。

もし続編があれば、サカエちゃんもそこそこ沈んで行っただろうと想像します(そしてゼロ年代に這い上がるだろう)。そう考えると、バブルがはじけ浮かれた時代の終焉を飾るにふさわしい作品だったと思えます。

0
2014年05月16日

Posted by ブクログ

丸玉さんに加えヨーコちゃんやノリコちゃんなどアクの強すぎる女の子たちが続々登場。サカエちゃんはぶっ飛んでるけど、悩んでる内容はびっくりするほど自分とシンクロする。

0
2011年05月14日

「青年マンガ」ランキング