あらすじ
前向きなプラス思考で問題が解決したような気になっても、実際には何も変われていない、ってことありませんか? それは、プラス思考が現実逃避にすぎないからです。
そんなあなたが身につけるべきはマイナス思考! マイナス思考こそ人生をお得に生きるための戦略的ツールなのです。仕事・人間関係・恋愛で本当に役に立つ究極の思考術と、今日からスタートできる実践テクニックを教えます!
「はじめに」より
今すぐやめよう! プラス思考
この本の主旨は、「マイナス思考はプラス思考より優れている」、これに尽きます。物事を前向きにとらえるプラス思考、一見いいように思えますよね。「物事を後ろ向きにとらえるよりも前向きにとらえた方がいいに決まってる」と思うかもしれませんが、こと思考においては、必ずしもプラスがよいとはいえないのです。
なぜかというと、「プラス思考こそが、現実逃避の温床に他ならない」からです。プラス思考こそが究極のマイナス思考といってもいいでしょう。プラス思考そのものより、プラス思考で行動することで、人間のマイナス面が助長されてしまうといった方が正しいかもしれません。プラス思考の根本的な考え方「何事もプラスに考えよう」は、「耳が痛くなる情報を耳にしたくない」という人間誰もが持つ気持ちと合わさると、「物事のマイナス要因を忘れよう」に、ついつい翻訳されてしまうからです。
プラス思考の問題点を4項目にまとめてみます。
1. プラス思考を身につけても、不幸に耐えられる忍耐力、
2. プラス思考は、他人にとってはマイナス思考です
3. プラス思考だと、ありのままの自分を肯定するばかりで成長の機会がありません
4. プラス思考は、必ず裏切られる運命にあります
そもそも、人間の性に目を向けず、自分にとって都合のよいことをしてくれると思いこむことを「信じる」と呼んでいるだけかもしれません。それは、「信じる」というより「期待しすぎる」ことに他なりません。その期待に沿わなかっただけで、「裏切られた」と思っても、それは自業自得でしかないのです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
必ずしもプラス思考が良い結果を生む訳ではなく、むしろマイナス思考で謙虚・慎重に行動するべき!という発想が面白かったです。
プラス思考・マイナス思考という2択で考えてしまうのがそもそも間違いだった事を気付かせてくれる良い本だと思いました。
Posted by ブクログ
● プラス思考は、他人にとってはマイナス思考です。
● 「自分大好き」という考えは、成長できない人の思考回路です。当然ですが、人間は反省しないと前進しないからです。
● 相談する側の人は「どうしていいかわかってはいるが、どうもやる気がでない」などというのはみっともないので「どうしていいかわからない」ということにしているだけで、それは、トイレを「お手洗い」というのと同じです。「手を洗う前にいろいろしてるだろう!」などと追及するのは野暮というものですよね。上品に生きるための作法であると考えるとわかりやすいでしょう。
● 「何が間違っているか」がわかっても「自分が間違っているかどうか」はわかりません。
● プラス思考がうまくいくように思えるのは失敗した事実を無意識に追いやるからです。
● それを考えると、「人生はやり直しがきく、ただしやり直す前よりは悪い状態で」というのが真実なので、その意味で、やり直せないと思って、日々緊張感を持って生きていく方がよいのです。
Posted by ブクログ
ココロ社はいい。勝間本と違ってモチベーションは上がらないけど。
でも考え方によっては、こちらのほうが厳しいことを言っている。
「くよくよしない」ということは「反省しない」ということだ、的な。
以下、思わず噴だしたのでp.188から引用。
「なぜなら、運が悪くて失敗したのではなく、努力していなかったり、判断力がまずかったりして失敗したのなら、その失敗は、ある意味その人の個性であり、その後も個性が発揮されるだろうからです。」
人生はマイナス思考で生きないと。この本はいかにうまくマイナス思考で生き抜くかを書いている。
Posted by ブクログ
【マイナス思考】=イヤな事でもしっかりと受け止める。常に最悪を想定する事で、それを回避する思考回路が身につく。結果、人間として成長できる。
【プラス思考】=一見前向きで良い事のように思えるが、実はそれはただの現実逃避。「嫌な事に目をつむって明るく楽しく生きよう」では結果、人間として成長できない。
マイナス思考を自負している人へは勇気を与え、プラス思考を自負している人へは不安をもたらす。そんな内容の本。
ちなみに私は極度のマイナス思考を自負しているので、この本と出会えた事で勇気をもらった。
プラス思考原理主義者は、人生そのものを否定されかねないので、それなりの覚悟をもって読んだ方がよい。
Posted by ブクログ
テーマは「謙虚」
プラス思考は究極のマイナス思考になりかねない。
基本的に
・嫌われている前提で行動する
→自分の話はしない。
→相手に話させる
・話は聞いてもらえない前提で話す
→工夫し、何度も繰り返し話す
Posted by ブクログ
「どういうパラダイムに乗っかって生きるのが良いのか?」を考えるのは、「どういうデッキにしようかな?」ってカードゲームで遊んでいるのと同じ感覚で楽しい。
僕はこの手のデッキはあんまり使わないかなと思うけど(カードゲーム的に言えば「あんまり面白く勝てなそう」だから)、しかし得るべき知見はやはりある。カードゲームでなら、このデッキ(=パラダイム)を構成しているいくつかのカード(=アイディア)でいいのがあったから、自分のデッキにも入れてみようかなと思わせるような感じ。
Posted by ブクログ
要は常に最悪の状態、最低の状態だと思って行動すれば、それ以上のマイナスはないということ。日々慎重にマイナスの最低ラインを予想しておけば、それよりは良い現状になるということだと思う。
確かに、常にポジティブに無理して前向きに考えるだけよりは、ある程度最低ラインを覚悟して謙虚に生きることも大切だとは思うが、少々この本ではそれがいきすぎて、かなり自分に自信をなくしてしまうようにも思われる。
自分の行動に慎重に、そして反省し成長していくというマイナス思考も時には必要という意味では少し参考になった。