あらすじ
つながりすぎた社会で〈二人であることの孤独〉を取り戻す
若きアーティストによるSNS時代の恋愛・制作・人生論
「本書が捉えようとするのは、すべてがつなげられた社会から脱出して二人の時間を過ごし、その後で、労働や学校、家族といったつながりへと帰っていくことを可能にする世界制作の方法である。つまり二人のあいだで接続と断絶を様々に組み替えて、自分たちの手でストーリーを作る方法の模索である。そうした行き来を可能にするのがラブレターなのだ」(本書より)――新時代のアーティストが提案する、SNS以降を生きるための〈新しい孤独のプラクティス〉。
人を愛する、とは詩で、
詩を詩のままにするのが、
ラブレターなのかなって思う。
――最果タヒ
【目次】
はじめに
序章 二人であることの孤独
第一部 ラブレターの歴史
第一章 代筆されたラブレター
恋文横丁における代筆文化
自動手記人形の主語
共に作る喜び
第二章 「私」の場所
寺山修司のラブレター
日本語の問題
詩的な病い/病的な詩
第三章 「あなた」の場所
光年性のラブレター
行為=場所としてのポスト
インターネットのなかのラブレター
第二部 恋人たちの共同体
第四章 ラブとは何か
恋愛の起源
ロマン主義的恋愛
ロマンティック・ラブ・イデオロギー
第五章 『魔法使いの弟子』
バタイユの恋愛論
運命というメビウス
恋人たちの共同体
第六章 誤変換的リアリズム
二人であることの病い
見えるものと、見えないもの
誤変換の恋人
あとがき 作品からラブレターへ(コンテンツではない)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
著者の西洋美のオープニング時のX投稿がすごく良かったので、本を読んでみたいと思い購入。(連帯ではなくそれぞれがバラバラである事に望みを持っているみたいな内容だった)
「すべてをラブレターとして捉え直してみたらどうなるだろう?」という試みから本書は書かれたようだ。
内容がとても詰まっていて、色々な思考があり
私には難しくあまり深く読めなかった所が多かった。
新海誠の「ほしのこえ」を取り上げているが、自分が「ほしのこえ」すごく苦手で一方的な夢想的妄想が気持ち悪いかんじだったんだけど、ちょっとこの本にも同じような匂いを感じたかも
「二人という孤独/共同体」を作るために僕一人で考えた事、みたいな内容なので
男性のロマンチストってこういうロジカルに攻める人いるよね、とか思ってしまった。女性だとあまりみたことない。
取り上げる小説や詩、ゲームが現代のものが多くその辺りは新しいものを取り上げていて新鮮でよかった。