【感想・ネタバレ】昨夜の記憶がありませんのレビュー

あらすじ

しくじり続きの飲酒の夜々、苦しみと発見の断酒の日々––––
元アルコール依存症の女性ライターがつづる、ユーモアとペーソスたっぷりの再起エッセイ!

【『アル中ワンダーランド』まんきつさん推薦!】
「共感しすぎてつらさをともなう一冊であると同時に パズルのピースがピタリとはまる解放感がありました」

サラはニューヨークで働くライター。6歳でビールの味を知り、学生時代はバーボンでバカ騒ぎし、就職した新聞社ではワインをあおってキーボードを叩く。そんな酒漬けの日々を送っていた。しかし飲酒による記憶障害「ブラックアウト」にたびたび陥り、出張先のパリでは気がつくと見知らぬ男とセックスの真っ最中! やがて彼女は決意する。「わたし、酒をやめる」
原著刊行から8年経ってなお、アメリカ本国で売れ続けているロングセラーエッセイ。女性のアルコール依存症が増加する現代のおける必読書であり、お酒に失敗した経験のある人、人生の再出発を余儀なくされた人を、共感と笑いで励ましてくれる一冊です。

■目次
前奏 光の都
0 酒を飲む女たち
I 飲酒の夜々
1 ビール泥棒
2 飢え
3 男物の服を着る
4 仕事中も飲む
5 知らない人
6 ずっと夢見てきた人生
幕間 はじまり
II 断酒の日々
7 ほかに方法ないの?
8 ものすごく気まずくさせる存在
9 ひたすら食べる
10 セックス
11 パワフルなバラード
12 ここがわたしの場所
訳者あとがき

◆訳者あとがきより 「(著者のサラ・)ヘポラが酒をやめられたことは、もちろんすばらしい成果だけれど、それよりも価値があると思えるのは、彼女が人生のどん底に陥っても、そこから立ち上がる方法を自分で体得したことだ。わたしたちの誰もがそれを身につけたいと思っているはずであり、ヘポラが語るストーリーはアルコール依存症に悩む人だけでなく、自分の進むべき方向が見えなくなった人や、承認欲求に振り回されて本当の自分がどういう人間だったかわからなくなった人にも、きっとヒントをあたえてくれると思う」

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

最後パリのホテルにコンシェルジュのジョンソンを探しに行ったのが感動的だった。
「7年前、同じ受付に立っていたときの気持ちを覚えている。どれだけ自分が打ちのめされていたか。ホテルを出て、タクシーに乗り込んで空港に向かい、海を渡って、ようやく家に着いた。答えはもち帰れなかったけれど、過去に向き合った充足感はあった。ときにはそれこそが、前に進むために必要なものだ。」
訳者あとがき
訳者も飲み会で記憶をなくしては引っ越しや転職が頭をよぎっていた。
自分の進むべき方向が見えなくなった人や、承認欲求に振り回されて本当の自分がどういう人間だったかわからなくなった人にも、きっとヒントをあたえてくれると思う。

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

この本を手に取ったのに、深い理由はない。私はアルコール依存症ではないし、お酒も日常的に飲まない。たまたまオススメに出てきたかわいい線画イラストが目に止まったから。
文章は自虐的で面白いけど、内容は私にはわからない感覚だな、と、100ページぐらいまでは他人事のように読んでた。酔った感覚はわかるけどブラックアウトなんてしたことないし、ホップの香りにクラクラしたことなんて無いから。だけど途中から、これは単にいちアルコール依存症の人のどうしようもない日々の回顧録ではなく、誰もが共感でき考えさせられる普遍的な話だということがわかってくる。人は皆何かに依存して生きている。その究極の形のひとつがサラの人生だ。

最高にすっきりした読後感。笑いあり涙ありとはこのこと。随所に名言が溢れてる。お尻のエピソードはおもわず声をだして笑った。

バッバの存在がとにかく愛おしい。サラのドン底もリカバリーもいちばん側で見てたのは彼だよね…。

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2024年03月31日

Posted by ブクログ

分かりすぎた。だから痛かった。
お酒は別に良い。楽しむのも良い。二日酔いは自己責任。
でも、ブラックアウトは怖すぎる。その線が、どこにあるのかが次の日に分かる。覚えているからではない。覚えてないから怖いのだ。
私は幸い?にも人には迷惑を掛けたことはない。その分自分で首を絞めている事に、例えば起きた後の体調始め、レシートや部屋・キッチンの荒れ方等々で愕然とする。
きっと、言わないだけでそういう悩みを持ってる人は多いんだろう。言えないものね。
共感は勿論、それを文章にしてくれた事に対して、私だけじゃないんだと言うことに気づけるのも本の意義だ。

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2024年09月01日

Posted by ブクログ

自分は今年の6月から断酒をしています。
こちらはXでアル中ワンダーランドの著者のまんきつさんがオススメしていたので購入しました。
年末年始の酒の誘惑を断ち切るため、断酒関連の本を読みたいと思っていたのでちょうどいいタイミング。

内容は著者のヘポラさんの断酒に至るまでの生涯について。
酒との出会い、酒と共に生きて本当の自分がどこにいるのかわからない事に気がつくまでの過程にはとても共感した。まるで自分のことを読んでいるようで、胸が苦しくなった。

特に、著者のヘポラさんは”酒を大量に飲めてしまう体質”という点が自分と重なった。
自分もかなり飲める方で、ガバガバと飲んでるうちにブラックアウトしてしまう事が多かった。
こんな事なら飲めない体に生まれたかったと思うことも沢山あった。

あくまで、酒を悪者にせずにそれを制御できない自分について書かれている。

断酒編では、断酒後の友人関係やセックスについても赤裸々に書かれている。
特に、断酒あとは友人関係が整理されるというのには納得した。
自分も飲み仲間が沢山いたが、飲まずに会いたいと思える人はほんの数人。

歳を重ねたら”ほどほど”を覚えなければならない。
それが無理なら0か100か。
私はそれができなかったから飲むか飲まないかで飲まないを選択した。

是非、断酒にチャレンジしている人には読んでほしい一冊。

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2023年12月31日

Posted by ブクログ

自分に必要かも?と思って読んでみたけど、ちょっと、いや、ずいぶん違ってた。まずお酒を飲む理由が違いすぎる…シンプルに味が好きで飲んでいて、自分を変えたり一歩踏み出すために飲んでいるのではないのだけど。多分。
でも、共感できる点もあって、アルコールが入っていると気軽に知らない人とも喋るし、その場での友達のようにもなれる。そして時々記憶を失ったりもする。ありがたいことに、後悔の回数は片手の指程度で済んでいるけど。多分。

アルコール依存云々は別としても、今のワタシの心に響いたのは以下の文。
「この世にはいろんなものになれる可能性のあるのに、ほかの人には絶対になれない。これは変えられない。ずっと自分でいるしかない。(p.200)」

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

6歳の時に父親のビールを味見したことでアルコールを知り、10代から親に隠れてアルコールを飲み続けてきた著者。学生時代はカッコよく見られたくて、社会人になってからは仕事の不安に押しつぶされないように、いつもアルコールに頼った。そして、そして飲みすぎて記憶を無くす。その場で知り合った男とセックスをする。そして、そのことも忘れている。
そんな著者のハチャメチャな体験談と、断酒に至るまでをユーモアたっぷりに書いている。

ただ、ただ呆れるような体験。そして当時を冷静に振り返る現在に、ちょっと安心。

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2025年03月21日

Posted by ブクログ

笑えるくらい切れ味良い描写もありつつ苦しかった(今も苦しいそうだが)心情をストレートにつづっていてしんみりした。
やめたからってすべてがすぐうまくいくわけじゃないんだよね。なんでもそうだけど、一発逆転なんてものはまずなくて、一日一日飲まないっていうのを積み上げるしかないのである。

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2024年07月31日

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