あらすじ
余命5年のラッパーがHIPHOPと古今東西の思想をつなぎ、
「病気とは、生きるとは何か?」を問う
若くして脳梗塞と糖尿病、腎不全を発症し、片目の視力も失い、医師から余命5年の宣告を受けたラッパーの著者。本書は激動の人生を送る著者がライフストーリーを語るとともに、自身の生きる原動力となったHIPHOPと古今東西の思想を紹介する。
さらに、「自分自身について、人生について、社会について、世界について、僕は病気をしていなかったらこんなに考えることはなかっただろう」と語る著者が独自の病気との付き合い方(イル・コミュニケーション)と乱世の生き抜き方を提示する。著者の語りが読者の固定観念を壊し、社会と概念の外部へと誘う。
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Posted by ブクログ
著者は「ド派手な病人」のラッパー。半生を綴ったエッセイで、タイトル"ill"どおり、病気の話ではあるが、クスッと笑えるし壮絶でもある。闘病記ってわけではないが、めっちゃ広い意味で言ったら闘病記でもある?のかな?病気も含めて丸ごと「その人」なんやってことがとてもよく表現されてると思った。
Posted by ブクログ
映画「劇場版センキョナンデス」「シンチムドンドン」で知ったラッパー、ダースレイダーさん。面白いドキュメンタリーで、こんなことをする人たちがいるんだ!と、映画を見て以来注目してた人。
政治を公平な目で見ようとするその姿勢はお父さんから受け継いでいたのね。
東大中退で余命5年の宣告を受けたということで、名を知られてしまったけれど、その病気があってこその人生をこの本で語り尽くしている。
人生は流れている、だから、病気は終着点ではなく、ましてや、元気な状態に「帰る」べきものではなく、通り過ぎるものだ、という考えに至ったのは、次々と襲う死の危険を潜り抜けてきたからこその達観だろう。
こんな面白い人、長生きしてくれなきゃダメでしょ。