【感想・ネタバレ】世界のニュースを日本人は何も知らない5 - なんでもありの時代に暴れまわる人々 -のレビュー

あらすじ

元・国連専門機関職員の著者が忖度なしで書く、43万部突破の大人気シリーズ第5弾――

「世界はそんなことになってたのか!」
日本のメディアが報道しない驚きのニュース満載

(内容紹介[一部])
●ルッキズム――海外のほうが100倍ひどい
●LGBTQ施策をやりすぎでバックラッシュ!
●“ガザ地区”を“足立区”に置き換えるとわかりやすい
●世界の64%が“ロシア推し”か中立だった
●ロシア軍事会社のヘッド、実は元テキ屋のおっさん
●海外にもある罵詈雑言だらけの裏サイト
●白雪姫が海外で大変なことになっている
●イギリスで暗躍する中国スパイ
●中国の脅威をはっきりと指摘するイギリス政府
●ドローンでステーキ肉を刑務所内に密輸する囚人たち
●落ちこぼれをまったく救済しない海外の学校
●海外の偽イメージに騙されまくる日本人
●海外の最新トレンドは窓際族
●AIで失業するケニアの宿題外注業者
●外国人はわかりやすいものにしか興味がない
●世界の人々が度肝を抜かれる日本の安全性
●世界の文化の最終終着点は日本

――など

世界を見る目が“ガラッ”と変わる!
衝撃の体験をあなたに。


【著者プロフィール】
谷本真由美(たにもと・まゆみ)
著述家。元国連職員。
1975年、神奈川県生まれ。
シラキュース大学大学院にて国際関係論および情報管理学修士を取得。
ITベンチャー、コンサルティングファーム、 国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。
日本、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界各国での就労経験がある。
ツイッター上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いツイートで好評を博する。
趣味は、ハードロック/ヘビーメタル鑑賞、漫画、料理。
著書に、『キャリアポルノは人生の無駄だ』(朝日新聞出版)、『日本人の働き方の9割がヤバい件について』(PHP研究所)、『不寛容社会』(小社刊)、『激安ニッポン』(マガジンハウス)など多数。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2年前(2023)の年末に発行された本で、恐らく昨年の今頃に読み始めた本だと思いますが、読みかけになっていのを部屋の掃除で見つけました。リサイクルに出そうと思ったのですが、面白い内容が小見出しから伺えましたので読み通すことにしました。

外国人がノンネイティブに対する考え方など、外資系に20年近く勤務していて同感しました。日本を客観的に見ることができる著者の谷本女史が実際に経験したことをベースに書かれている内容は貴重な情報だと感じました。

以下は気になったポイントです。

・人口比ではロシアを非難するのは世界のわずか36%で、世界全体ではロシアを支援する国の方が圧倒的に多いことが発覚した、発展途上国やロシアと関係が深い独裁国は人口が多いので、世界の64%がロシアを支援するか中立になってしまう、先進国は実は少数派という事実が何とも恐ろしい(p30)

・ドイツはオーストリア、ハンガリー帝国、フランスでもうユダヤ人に対する迫害は強くあった、彼らの中にはユダヤ人はキリストと裏切ったユダの子孫という考え方が強く、これらの国々には熱心なカトリック教徒もいたので偏見を持った人たちが多かった(p63)

・委任統治(オスマン帝国が負けて、アラブ地域はイギリスとフランスが委任統治)とは、戦争で勝った国はぶんどった地域を植民地にしたいけれど、植民地にあると色々批判されるので「国際連合から管理してよ、と頼まれちゃったの」という形式にして実際はめちゃくちゃ支配しているというやり方である(p68)

・イギリスがイスラエルを支援する理由、1)軍事産業のため軍需製品を輸出している、2)E U離脱したイギリスはイスラエルは重要な貿易パートナー、3)イスラエルを中東における重要な資産と考えている(p71)

・ハマス側は攻撃計画の作成や実行に関して、デジタル機器や情報通信システムを極力使用せず、口頭・紙・ジェスチャーなど原始的な手法でコミュニケーションをとっていたため、イスラエル側の諜報で兆候を掴めなかった(p74)

・アメリカ、カナダも政治家はイケメンや美女が多い、他の国では普段の生活でも「ルッキズム」が重要視されているので、その裏返しとしてルッキズムをやるなという運動が盛んになってきているだけの話である、これは人種差別や同性愛に対する差別と同じで、他の国は普段から差別がひどく、その反動として反対運動が凄まじく盛況でメディアへの働きかけも凄いのである(p85)

・イーロンマスクは「X」でやっていることは、まるで昭和の中小企業の親父さんである、例としては、経費無駄遣いはするな、無駄な会議はやめろ、嘘をつくな、透明化しろ、会社に来てみんな一生懸命働け、製品の品質をアップしろ、ユーザーの声を聞け、世界を動かすのは「シンプルさ、熱意、正直さ」である(p92.93)

・日本と異なり学校が生徒の面倒を見るという感じではなく、生徒は良い実績をあげ、学校に貢献する人間でないと残してもらえない仕組みになっている、学校の仕組みを見ていて、なぜイギリスやアメリカが強いのかが実によくわかる、小学校でこの調子なので、上位者が強いのは当たり前、企業であれば収益に貢献しているかどうかで従業員を評価し、ダメなら外に出す、何ともシンプルである(p106.107)

・レポート代行業者による不正を防止するために、各大学では成績評定の方法や課題の出し方まで変化している、従来の持ち帰り型の小論文や小テストの代わりに、対面での議論、口頭試験、ブログへの投稿など、リアルタイム性と対面式を重視するようになっている、Chat GPTが教育の方式まで変えつつある(p114)

・富裕層や有名人は他人にアピールしなくても周りがわかるので、このスタイルがグッとである、つまり「知る人ぞ知る」で英語だと「IYKYK」=あなたが知っていればわかる、である(p134)

・AIは最近は思ったほどすごくないということがわかってきた、最も大切なことは、AIは学習と出力に莫大なエネルギーが必要である、一つのモデルを実務で使えるように訓練するには、28万キロ以上の二酸化炭素を排出することがわかった(p139)研究が進むにつれ、より多くのデータを読み込ませて学習させなければAIは使い物にならないことがわかってきた(p140)皆さんが使っているAIは、地道な作業(自分の母国語とアメリカの英語の文章を比較し正しい翻訳を入力するアナログ作業など)を積み上げてデータを蓄積した結果の産物である(p143)

・先進国のみで作業をしていると莫大な人件費コストが発生する、そこでベネズエラのような経済的に困難な状況にある国や、ブルガリア、ケニア、フィリピン、中国、マケドニアなどに外注をしている、第三者企業経由やクラウドソーシング会社経由もある、海外に作業を発注する時は、先進国の労働法が適用されない上に賃金が安く上がる、さらにクラウドソーシングの場合には、働く人は「個人事業主」となるため従業員を雇用したことにはならず、福利厚生費用、年金を払う必要がない(p153)

・イギリスは完全に変容した、都市部はすでに40年前の名残すらない、住民の大半はイリギス人でなく、旧植民地だった途上国の人たちで、インド、パキスタン、アフリカ、中国、トルコ、ポーランド、カリブ海系の人たちが主流派である。イギリス英語よりも、インドやパキスタン訛りの英語が上手くなる(p188)欧州の都市部にいるよりも、日本にいた方が多くの国々の言葉(フランス、イタリア、スペイン、ドイツなど)を学べる(p189)

・ホームパーティー(ホムパ)の真の意味は、相手が自分の派閥の仲間かどうかを確認するため同調圧力の全開で行う恐怖の儀式である、生ぬるい社交の場ではない、この会に招くか招かれるかは「お前は俺の敵なのか、仲間なのか、それとも舎弟か」ということを確認するためのものであり、はっきり言って参加はほぼ強制である、このホムパの意味に最も近いのは、任侠社会の「兄弟の盃」である(p193)

・ポリコレ(ポリティカルコネクトネス)で大騒ぎするようなマスコミとか左翼や女性運動家の人々は金満社会には全く縁がないので、彼らが何をやっているのか知らない、メディアや社会運動の団体にとって彼らは貴重な資金提供者である。要するにパトロンなんで批判するわけがない、富裕層は寄付をすれば自分のイメージがアップし、税金も安くなるので気に入った団体には寄付をする(p198)

・アメリカの場合だが、一見、明るい人々でフレンドリーな感じで、彼らは自分の意見や提案を主張するときには、かなり遠回しに語っている場合がある、「わぁ、君、アイデアはすごくオウサムだね、すごくユニークだし君の経験やこれまでの学習が活用されている、前の職場での例のトラブルも活かしていてすごく勉強になるよ、もっと話を聞かせてくれると助かるな」さらにここからが大切である「ところでこの前、市況のニュースを見たんだけどね、今の消費者の変化を考えると、もしかしたらこんな方法もあるのかなって思ったんだよ、まあ僕の思いつきに過ぎないので、君の経験に裏打ちされたアイデアに比べたらどうかとは思うけれど、どうかな、まずちょっと市況のデータを一緒に見てみないか」この思いっきり前向きで長々とした口上から読み取らなければいけないのは、1)お前の提案はクソ、2)前の会社の経験は役に立たない、3)市況が変わっているのに気づかないのか、4)市況データ見てないだろ、俺に確認しろ、一緒に見てやる、5)お前、使えないな(p200)

・AIは翻訳能力が大変優れている、AIに翻訳させると、今までの翻訳ツールよりもはるかに精度の高いものが出力される(p265)

2025年1月19日読破
2025年1月21日作成

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2025年01月21日

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