あらすじ
「あなたの過去を帳消しにします」。全国の腕利き贋作師に届いた、謎のツアー招待状。凜田莉子に更生を約束した錦織英樹も参加を決める。不可解な旅程に潜む巧妙なる罠を、莉子は暴けるのか!?
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Posted by ブクログ
推理劇シリーズ第3弾。
雨宮華蓮の弟子とも言える存在が、罪を償うことが出来るという謎のツアーに参加させられた、贋作者・錦織のツアーの軌跡とそれを追いかける莉子・恵玲梨の2人からストーリーが展開される。錦織が贋作者であるにもかかわらず、人の良さというか、純粋な所がとても愛らしく感じられ、それが莉子が彼を見逃したのかと思いました。
ストーリーの肝であるトリックが本当に凄かった。粘土を使った作品を作らせたと思ったらその理由が希少な隕石をアメリカに輸入させるというものなのがとても意外だった。そしてそれを裏で手引きしていたのが「コピア」という存在で、どんどんと物語の核心に近づいているところが次の巻も読みたいと思いました。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
凜田莉子:佐藤聡美
小笠原悠斗:寺島拓篤
葉山翔太:中村悠一
雲津隼斗:小林裕介
雨森華蓮:日笠陽子
錦織英樹:櫻井孝宏
牧瀬恵玲梨:花守ゆみり
史部公嗣:内田直哉
奥根敬悟:榎木淳弥
川浦瑞穂:雨宮天
庭部仁志:鶴岡聡
Posted by ブクログ
かなり久しぶりにこのシリーズを読みましたが、とても読みやすくて面白かったです。
恵玲梨のモデルは、HUNTER×HUNTERのパームかな?
Posted by ブクログ
万能鑑定士・凜田莉子が活躍する新シリーズ第3弾。
本作では残念ながら小笠原はほとんど活躍の場を与えられていない。莉子も自らの力だけで事件を解決に導いていないという意味では、偶然が重ならなければ物語は結末に至らなかったのではないかとも思え、かなりキーとなるポイントでご都合主義が顔をのぞかせている。
ネタにつまったのかどうかわからないが、本作でも相変わらず海外が舞台となっている。怪しい贋作家を集めたツアーは、地中海周辺の街を行き来しながら課題の彫像を製作させ、その都度出来の悪い一人を脱落させながら最後に残った一人を選ぶという。その裏に隠された真相は、意外なものだった。
黒幕が誰かということもさることながら、地域によってごろごろしているものが別の地域では高い価値を持つという、そのギャップをうまく利用しているという意味では、海外を舞台にせざるを得なかったのかもしれないが、安易に海外に出すぎていないか?
それにしても、凜田莉子は自分の店をどうやって切り盛りしているのだろう。本人が簡単な鑑定だと認識したものではお金をもらわず、しょっちゅう店を閉めてはお節介なほどあちこちに顔を出している。近しい人ならそういうものかと諦めるだろうが、あまり万能鑑定士Qを利用しない客は結局寄りつかなくなり、しょっちゅう店を閉めているという風評が広がればいくら活躍していても客足は遠のいてしまうのではないだろうか。というような、あらぬ心配をしてしまうのも、ファン心理ということなのだろうか?
Posted by ブクログ
〇 評価
サプライズ ★★★☆☆
熱中度 ★★★★☆
インパクト ★★★☆☆
キャラクター★★★☆☆
読後感 ★★★★☆
希少価値 ★☆☆☆☆
総合評価 ★★★☆☆
「推理劇」シリーズは、「事件簿」シリーズに比べ、ゲーム的な要素が強く、リアリティに欠ける。3作目は、海外芸術能力鑑定ツアーという謎のツアーが舞台。地中海の都市を回りながら、贋作を作る。「アメリカ横断ウルトラクイズ」のように、一番出来の悪い一人が脱落者となり、その都市に残される。
メディタレニアン航空の航空図を利用し、ルールに従って動く。最後は必ずモロッコのラバトに行くというトリックと、頭像の中に隕石を入れれば、アメリカの税関を突破できるというアイデアを生かすための設定である。
最後まで計画を成功させるためでもあるが、今回の莉子の捜査は稚拙。ツアーがいるかどうかも分からないサルディーニャやアレクサンドリアに長く滞在したり、頭像の送付先であるニュージャージに長く滞在したりする。
長期に滞在するが、ほとんど手掛かりを得られないという無能っぷり。恵玲梨の、怒ると我を忘れるという設定も謎
ただ、読んでいるときは、いったいどういうオチをつけるのか全く予測できなかった。リーダビリティの高さはさすが。真相は、そこまで驚けるものではなかった。真犯人になり得るのは奥根敬悟だけだったし。ここはミスディレクションとなる登場人物がほしかった。
宝石鑑定トーナメントや、オークションを利用したブックメーカー騒ぎときて、海外芸術能力鑑定ツアー。事件簿シリーズは漫画チックすぎるかな。
リーダビリティの高さを評価して★3で。
〇 メモ
〇 錦織英雄
贋作者。贋作者A一七号。雨森花蓮の弟子
〇 牧瀬恵玲梨
錦織英雄の婚約者。普段は清楚だが怒ると我を忘れる。
〇 史部公嗣
周正天(中国の富豪)の代理人として謎のツアーに錦織達を誘い、案内している人物
〇 奥根敬悟
海外芸術能力鑑定ツアーの参加者の1人。錦織と昔、一緒に仕事をしたことがある。
〇 川浦瑞穂
ツアー参加者。紅一点
〇 庭原仁志
ツアー参加者。頭像作りで錦織のアイデアをパクる。
〇 水淵吉洋
ツアー参加者。第2チェックポイントで最初に脱落する。
〇 池岡泰夫
ツアー参加者
〇 徳江敏幸
ツアー参加者
〇 沼崎順市
ツアー参加者
○ メモ
千葉鑑定団という店で、トレーディングカードなどの贋作が見つかる。錦織英雄が、もう一つの名前を得るために、保険証を手に入れようとして作った贋作だった。
凜田莉子は、錦織英雄と牧瀬恵玲梨と話し、贋作から足を洗うように説得する。
錦織のもとに、史部から謎のツアーへの誘いの手紙がくる。
海外芸術能力鑑定ツアーと呼ばれる謎のツアーは、メディタレニアン航空を使って、地中海周辺の各国の都市を巡り、贋作を作成するというもの。優勝し、芸術スタッフになれば、過去の罪を償うための裁判費用を全て負担した上で、毎年4000万円から6000万円までの報酬があるという。
ツアーに参加することになった8人は、最初の目的地に向かうために成田空港に行く。錦織の機転で、莉子と恵玲梨に最初の行先がバルセロナであることを伝える。
バルセロナに着くと、次の行先が決まる。次の行先はサルディーニャ。錦織は騒ぎを起こし、次の目的地がサルディーニャであるという伝言を残す。
サルディーニャで、ツアー参加者はイエス・キリストの頭像を作成することになる。
莉子と恵玲梨もサルディーニャに着く。
ツアー参加者はルールに従い、イエス・キリストの頭像を作り、ニュージャージにある店に送る。錦織、奥根、庭原の3人は、BBCが再現したものをモデルに作った。
莉子と恵玲梨は、粘土を売っている店を手掛かりに、ツアーがいた場所に辿り着くが、既に次の目的地、アレクサンドリアに向かった後だった。
ツアー参加者は、第2チェックポイントでバッハの頭像を作ることになる。瑞穂は早々に完成させ、政府筋の輸送ルートを利用して送付する。
莉子と恵玲梨は、高価な切手が紛失した現場に出くわすが、莉子の機転で回っている扇風機の羽に貼り付けられている切手を発見する。
第3チェックポイントでは庭原仁志が脱落する。第4チェックポイントはアテネ。
アテネでは、徳江がツアーについてメモを取っていたことが、史部に気付かれ破棄される。
莉子と恵玲梨は、エジプトでの切手騒ぎで警察と知り合いになり、ツアーの荷物の送り先を知る。そして、送り先であるアメリカ、ニュージャージに行く。
アテネではツタンカーメンの頭像を作ることになる。瑞穂、錦織、奥根は政府筋の輸送ルートを利用。池岡が脱落する。
第5チェックポイントもアテネ。クレオパトラの頭像を作る。
莉子達は、ニュージャージの店で、第3チェックポイントで脱落した庭原と会う。
第5チェックポイントでは奥根が脱落する。第6チェックポイントはアルバニアのティラナ
莉子達は、ニュージャージの店に残っていた送付用の段ボールや包装用の紙などのゴミを見せてもらう。
第6チェックポイントでは徳江が脱落。第7チェックポイントはバルセロナ。バルセロナでは沼崎が脱落する。第8チェックポイントはナポリ。瑞穂が脱落する。そして、第9チェックポイントに向かう。
ニュージャージの店にはナポリから卑弥呼の頭像が送付されていた。莉子は、梱包用の紙に残っていた跡からツアーの最後の3つの過程を見つけ、ツアーの目的、最後の目的地を知る。
真相。ツアーの最後の目的地はモロッコだった。どのように移動しても最後はモロッコのラバトに着くようになっていた。実行犯は奥根敬悟。犯行は隕石の密輸。頭像の内部に隕石を入れて送付してもアメリカの税関では見つからないことを利用したトリック。
莉子達は錦織を救出する。