あらすじ
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並木路子が歌う「リンゴの唄」は敗戦後の日本の心象風景を象徴する歌として「敗戦後の人々を勇気づけた歌」「焼け跡のBGM」として扱われている。
しかし、この曲の作詞・作曲の成立過程、映画やラジオ、レコードを通じて爆発的に流行した社会的な背景、人々がどんな思いで歌ったのか、などの実態については不明のままだ。
作家や文化人は「リンゴの唄」をどこで聞いたのか、引き揚げ船ではどうやって歌っていたのか、無名の人々の日記にはどう書かれていたのか――NHKの番組履歴も詳細に検証して、「歌と時代」を描き出す。
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Posted by ブクログ
完全に内容がタイトルに負けている。本書はあくまで「リンゴの唄」が公開されるまでの経緯や、流行に至るまでのメディアでの取り扱われ方、当時の人々がどのように当曲を受け取っていたのかをまとめたものに過ぎない。あとがきでも言及されているが、流行が落ち着いたあと、当曲のイメージの変遷と現在の立ち位置に至るまでの経緯などは取り扱われていない。とはいえ、終戦直後おそらく最短で作られた映画「そよかぜ」が生まれた経緯や、ラジオ・レコードで当曲が流行していく様子などはとても興味深く読むことができた。