金髪ヤンキーの小林は、みんなが簡単そうにやっていることも間違えてばかり。中々上手くできません。そのためバイトも続かず、勉強もドロップアウトぎみ。
そんな彼のクラスに宇野啓介が転校生としてやってきます。
彼はちょっと変わっていて、常に声が大きく、汚れたノートを常に持ち歩き、独り言を言ってずっと笑っています。
彼は記憶するのは得意だが、同時に複数のことをこなしたり臨機応変が苦手。その他にも苦手なことがいっぱい。
彼の姿を見て「ヤバイ奴がきた…」と思う小林ですが、ふとした出来事で距離が縮みます。
そしてある日、小林の幼なじみである朔が宇野をからかう事件が。
宇野を心配し一緒に下校した小林は、宇野が家で号泣している姿を目の当たりにします。
彼が常に持ち歩いているノートに「悔しくても泣くのは家に帰ってから」と書かれているのを見た小林はショックを受け、いつもニコニコしている宇野の心の内を知るのです。
自分をからかったり怒ることもなく普通に接してくれる小林に特別な感情を抱いた宇野。
宇野のまっすぐな言動に変な奴と思いながらもどこか尊敬している小林。
苦手なことが多いふたりが送る瑞々しい青春物語です!
昨今「生きづらさ」という言葉をよく耳にします。
ですが「生きづらさ」と言っても具体的には人それぞれ。
実際に「生きづらさ」を感じていても、何がどう生きづらいのか言語化できず、余計にイライラが募りより生きづらくなることもあるのではないでしょうか。
この物語はそんな言語化できないモヤっとする生きづらさをひとつずつ紐解いてくれるのです。
物語の中で宇野は自分のことを
「わからないことがある時は一人で宇宙に浮いているみたい」と表現します。
そして、「でも宇宙を歩きたい!」と。
その言葉に衝撃を受けました。確かに宇宙空間に一人になったらもの凄く怖いし混乱しますよね。
それでも歩きたいと思う宇野の強さに心が震えました。
「人と同じように生活するのに、工夫が必要な人もいる」ということを知った小林も影響を受け、自分自身としっかりと向き合うように変化していきます。
優しさと工夫で少しずつでも彼らが楽しく過ごせるようになりますように、そう願わずにはいられません。
そしてタイトルの通り、ふたりが宇宙のような不安な状況でもしっかりと歩いていけるよう成長する姿を見ていきたいです。
時代が変化している「今」だからこそ描けた物語をご堪能ください。
感情タグBEST3
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杖となり光となり導きを得る
SNSで知り初めて読んだ時に、無料で読ませてもらうだけじゃいけない。先生が描きたいだけ描けるように購入やレビューという形になる応援がしたいと思ってました。
宇野くんの怖くてもひたむきに歩みを止めず、1歩ずつ踏みしめる姿に涙と勇気をもらってます。
小林くんの弱さを認めて、前を向き1歩を踏み出す力に共鳴しています。
天文部の先生も先輩も2人の成長にどう響き導くのか楽しみです。(先輩も感化されて前向きになれますように)
私も上手にまっすぐ歩けなくて、後退する事があるので、この作品の良さに共感したり励まされています。もっと多くの人に読んでもらいたい作品です。
匿名
大好きな作品になりました。
仕事上で簡単なことでもうまくいかず涙がこぼれそうになった経験があったためとても共感しました。
しかしそこで折れるのではなく一本踏み込む勇気を見せてもらい、自分ももう少し頑張れそうな気がしました。
宇宙を歩くひとたち
2桁の割り算につまづいてから、沢山のものを投げ捨ててしまった大和と、分からないことが起きてしまうと混乱してしまう啓介、二人の男子高校生が出会い、少しずつ変わってゆく話。
こんな人にオススメ:
・世の中で自分だけがダメな人間に思える人
・綺麗な理想だけでは生きるのは難しいけれど、技術と工夫はその支えになると信じている人
生きづらさ
生きづらさを抱えながらもそれを工夫してどうにかしようと頑張っている姿が良いです。
ヤンキーの小林にも良い影響を与えていて友情っていいなと思います。
Posted by ブクログ
発達障がいなどが、今より世間の理解が少なかった、けれども定義や属性で線引きするようなこともなかった、あのころ。
平成の、気恥ずかしい自己理解やぎこちない歩み寄りの様子を、令和の、あたたかく肯定的なまなざしで見守る作品です。
匿名
優しくあたたかい
生きにくい2人が出会って変わっていく、物語。できないことは、できないって認めることほど難しいと改めて感じた。切なくも、暖かくて、優しい物語でした。
Posted by ブクログ
心が温まる
ヤンキー×真面目君
みたいな構図って漫画でも小説でもドラマでもよく見るけど、やっぱり好き
特に、バイトの件好きだった
分からない事を、分からないままやってしまって叱られた経験、自分にもあるなぁとか
安心して休憩入れない経験あったなぁとか、懐かしく思う気持ちと、こうすれば良かったのか…と過去を省みる事もできた
宇野君が抱える心のモヤモヤを宇宙として表現されてるの、オシャレだし、分かりやすい
宇野君が家まで泣くのを我慢してた所はもちろん泣いた