【感想・ネタバレ】インフレ不可避の世界のレビュー

あらすじ

米国では、2022年1月の消費者物価指数が前年同月比7.5%の上昇となり、
約40年ぶりの物価高に見舞われています。
日本でもガソリン高や食料品の値上げなど、日々の生活にも影響が出始めてきました。

これは一時的なものなのか?
今後、私たちの生活はどうなるのか?

本書では、投資運用の世界で50年のキャリアを持つ「さわかみファンド」創設者で、
長期の見通しをもとに圧倒的な実績を残している長期投資のパイオニア、澤上篤人氏の見解をまとめました。

氏は本書で、「想像を絶するひどい事態を、いかに軽傷でやり過ごすかを考えておきたい」と語ります。

株式・国債・不動産など多方面に影響が及ぶこと、そして今般のインフレが制御不能なマネーの暴走に発展することを、丁寧に解説します。


■読者特典

本書発売後の国内外の情勢変動を受けた著者の見解を、読者限定ブログで読むことができます。
詳細は本書の「おわりに」末尾に記載しています。


■目次

第1章 今回のインフレ、甘くみてはいけない
第2章 金融緩和バブル、崩れは近いぞ
第3章 露呈しだした張りボテ経済の限界
第4章 金融緩和政策、なんだったのか?
第5章 バブル崩壊、インフレ、財政危機
第6章 世界の運用の「常識」が総崩れに
第7章 長期投資の復活
第8章 年金問題、こうすれば解消できる
第9章 バブル崩壊とインフレ襲来、どう乗り切るか
第10章 「お金をまわす文化」を高めよう


■著者略歴

さわかみホールディングス代表取締役、さわかみ投信創業者。1971 年から 74 年までスイス・キャピタル・インターナショナルにてアナリスト兼ファンドアドバイザー。その後 79 年から 96 年までピクテ・ジャパン代表を務める。96年にさわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立。販売会社を介さない直販にこだわり、長期投資の志を共にできる顧客を対象に、長期保有型の本格派投信「さわかみファンド」を99年に設定した。同社の投信はこの 1 本のみで、純資産は約 3300 億円、顧客数は 11 万 7000 人を超え、日本における長期投資のパイオニアとして熱い支持を集めている。著書多数。『日経マネー』で 2000 年 9 月号から連載執筆中。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ここ数年、SNSで投資を勧めるインフルエンサーの方も増えてきて、私もそろそろ……と思いつつ、やれS&P500やらFX投資やら、何が何だか分からず、先ずは勉強しようと思い、タイトルに惹かれて購入した一冊。

ベテランの長期投資家の方の話であるから、初心者には理解が難しいかと思いきや、繰り返し説明してくれたりするので、予想していたよりは読みやすかった。

大筋としては、これまでの40年間が異常であったこと、そしてそれは各国の政府が金融緩和政策を進めているため、金融の世界では金余り状態であることに由来するというような内容だった。

早まって投資を始めなくて良かったなと思えた一冊でした。

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2023年01月07日

Posted by ブクログ

2年前に出された本。
経済予測なので、ほぼほぼ答えが出ているが、澤上さんの言うとおり、かなりのインフレが起きて、米国債を含めた債券が暴落した!

一つだけ、大きく外れているのが、足下までの株高。さわかみファンドは、応援したい優良株のみをポートに入れているから、売らない!のかも知れないけど、少しは益出しをしたのかな??
どんなオペレーションをしてきたのか、確認してみようと思う。

でも、澤上さんの50年単位の長期投資理論からすると、この2年間の上昇なんて、たい焼きの尻尾なのかも知れない。。

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2024年02月18日

Posted by ブクログ

消費税を「年金税」にして全額給付にあてる。
眠っている969兆円の1〜3%が世に出回るだけで大きな成長が期待できる。
出費はしたくないが、もらえるものは欲しい。そして貯金。それでは停滞するばかり。

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2023年05月01日

Posted by ブクログ

反リフレ派による経済悲観論。
ガラガラポンのリセットをした方が強い日本が復活するという主張はその通りかもしれないと思った。

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2023年02月23日

Posted by ブクログ

社会人になって10年ほど経過した、今から20年程前から株式や投資信託を購入してきましたが、日本円で計算すると計算すると収支トントンで、良い勉強にはなりましたが資産は増えることはありませんでした。

5年ほど前に、もう投資はやめて地道に積み立て貯金しかないのかなと諦めかけていたところ、この本の著者である澤上氏の本に出会いました。証券会社に勤務されていて、これからのファンドを社内で作ろうとしたらそれが叶わず、だったらということで自分で会社を起こして、自分の理想にあったファンドを作られたという内容でした。お陰さまで、私が体験した投資信託で唯一と言っていいほど、プラスの実績をあげています。

この本は澤上氏の書かれた最新本(2022.4.29現在)です、彼の主張は一貫性があります、来るべきインフレ時代に備えて準備を進めていきたいと改めて感じました。

以下は気になったポイントです。

・石油ショック時にはOPEC諸国との交渉という道もあった、その交渉で世界中の富が産油国へ流れ込んでいたものを、国家間あるいは民間企業への融資という形で、資金韓流を促すこともできた、ところが今回のコストプッシュ・インフレは多方面から押し寄せてくる一方的なインフレ圧力である(p27)

・バフェット指標(株式市場の時価総額が、その国のGDPの何倍か)によれば、米国株は超のつくほど割高になっている、その背景にはGAFAMやテスラといった新興の急成長企業の株価上昇が貢献している(兆円3)

・債券投資の恐ろしさは株式市場の暴落どころではない、その恐ろしさが40数年ぶりに襲ってこようとしている(p71)

・現在は中央銀行が金融の量的緩和政策の一環として、市中から国債をどんどん買っている、つまり吸い上げてしまう、そうすればいくら国債を増発しようとも金利の上昇は抑えられる(p140)

・米国では2000年2月からのITバブル崩壊、01年9月の同時多発テロ、07年8月のサブプライムローン問題、08年9月のリーマンショック、2020年2月のコロナ問題と、数々の株価暴落を経験しているが、それでも不死鳥のように復活して最高値を続けている。その大きな要因として、年金マネーの存在があった(p178)

・現在までインデックス運用が良かったのは、株価全般が長期のトレンドを追ってきたから、それも世界的な過剰流動性と年金マネーを中心としたコンスタントな買いが、株式市場をガッチリと下支えしてきたから(p183)しかしこれからは年金マネーは純減のトレンドを追い始めている(p202)

2022年4月29日作成

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2022年04月29日

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