【感想・ネタバレ】銀の夜のレビュー

あらすじ

女子校時代に少女バンドを組んでメジャーデビューした3人の女性。30代半ばとなった現在、人生のピークは10代だったと懐かしむ毎日を送っている。夫に浮気されたり、自らの見果てぬ夢を娘に託したり……など、日常は冴えない。そんな毎日にひょんなことからあるミッションが舞い込み、3人はまた図らずも力を合わせることに……。人生と本当に向き合い始めた大人女性たちの「生きる手応えとは?」を描いた話題作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ちづるも伊都子も麻由美も
それぞれの日常が妙にリアルで
彼女たちの今が気になる作品だった。

ちょっと特殊な経歴を持つ3人っていうのが
より一層彼女たちの繋がりを深めているようで
なんだか面白い。

それでも私たちは大丈夫。
大丈夫を胸にそれぞれまた動き出した先には何があったんだろう。
近い世代だから自分にも刺さるところがあった。

角田さんのあとがきまで読んで、
なおさら彼女たちの今が読みたいと思った。
続編が出たら良いなぁ…。

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2023年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中学時代からの親友同士で、高校生の時にはバンドを組んでアイドル並みの人気を博していたちづる、麻友美、伊都子。
しかし、35歳の今、三人はそれぞれの人生に倦んでいた。

ちづるは夫のコネでイラストなどを描いて発表したりもするが、専業主婦とほぼ変わらない生活を送っている。
夫が職場の同僚と不倫をしていることを知っても、悔しくも悲しくも感じていない。

伊都子は売れっ子翻訳家の母との二人家庭で育ち、偉大な母に認めてもらうための人生は間違いだったのではないかと思い始めている。
唯一、バンド時代が人生のピークだったと思い、幼い娘にもスポットライトを浴びるような生活をさせようとお稽古ごとに励む毎日。

3人はたまに会って食事をして、近況報告をするなどつきあいは続いているが、それぞれ自分の生活と友人との距離を感じてはいる。
確かに、35歳ってそういう年齢だよね、と思いながら読んでいたのだけど、どうも3人ともに年齢より幼いのでは?という気がぬぐえない。
そして、全員がスマホではなく携帯を使用している違和感。

あとがきを読むと、かなり以前に書籍化するためにゲラまで進んだが、そのまま忘れていた作品だったようで、今なら50歳になっているはずらしい。

なぜ幼く感じたのかというと、自分の心に蓋をして、現状の不満に目をつぶり、不満を無かったことにするか人のせいにする。
自分の力で先に進もうとしないのは、その手段を持たない子どもだ。

違う道を選んでいたら、どんな人生だったんだろうと思うことは、確かにある。
そしてそんなことを考える時って、現状に何らかの不満があって、きっともうひとつの道が正解だったに違いない、と思ってしまうことも。

伊都子の、母に対する気持ち、恨みのようなものが一番私に近しいと思う。
でも結局母の手のひらから外には出なかったのだ、35歳まで。

一番理解できなかったのが、ちづる。
互いに気を使いながら、心を通わせようとしない夫婦。
なんでいつまでも夫婦なんだろう。

”一分一秒でも幸せだと実感していたい。自分の周囲に空洞があることを許さない。空洞は幸せの対極にあるから”

私は自分の周囲に空洞がないと苦しくなる。
空洞って自由のことだと思うから。
偽の充実で周囲を取り囲んで雁字搦めになりたくはないと思うから。

最後に大きな出来事があって、3人は力を合わせてそれに対処し、そしてその後はそれぞれの足で歩きはじめる。
もう、おしゃれなレストランで一緒に食事をすることはしばらくないだろう。
でもいつかそのうち、少女時代のしっぽを切り捨てた大人同士の友人として、また旧交を温めると信じてる。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

30代半ばの女性はライフスタイルがいくつかのパターンに分類され、悩みも異なる。主人公のちづる、麻友美、伊都子は、その三者三様の30代女性像を、ステレオタイプのように反映させたキャラクターといえる。
夫とふたり暮らしのちづる、一人娘を抱える専業主婦の麻友美、独身で海外を渡り歩きフリーランスで働く伊都子
自分自身でも気づかない行動と本音の矛盾に共感する。ちづるの「表面だけつるつると清潔な部屋のような関係」「人間らしさを避けた結果」という表現が心に刺さった。
とりとめもない3人の物語がどう幕を閉じるのかと読み進めたところ、ラストは意外にもロマンチックな展開だった。
伊都子の母の病をきっかけに、3人はある協力をする。再び3人が、学生時代のように力を合わせる。しかしそれは、誰かに言われるままではなく、気を使うでもなく、自らが望んで。彼女たちが、少し強くなった瞬間だった。そして、上部だけのごはん会はもう開催されない、とちづるが悟る。
気持ちよく自分の人生を歩み出しであろう彼女たちの姿に勇気をもらい、羨ましくもなる。

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2023年12月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

角田さんは、大人になった女性の悩み、葛藤をよく書くよね。わかるところもあり、まだわからないところもあり、、、。ちづるも伊都子も結局恋愛の方に行くんかいと思った。だけど、ちづるは「この人と会えなくなっても悲しくない恋愛」で、依存していなくて、純粋で素敵だった。

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2024年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

30代半ばの3人の女性の話。すごくリアルだった。

母親に囚われてたり、なれなかった自分の夢を子どもに投影して追わせたり、夫の浮気を黙認したり、あー、こういう人いそう、と思った

やりたい事の原動力が、しょうもない夫にすごいって言わせたいっていうのもなんか刺さった

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2024年01月07日

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