あらすじ
苦闘の末、ついに仮免許をゲットした未知!しかし喜びも束の間、過酷を極める母の介護で心も体も限界を迎える。静かに寄り添ってくれる朝子に、未知は思わず「好きです」と伝えてしまい…!?
家族、夢、そして恋に惑いし54歳。大きなカーブに差し掛かった人生の、その先に広がる景色は――。
時にはエンストしたっていいじゃない。幸せをあきらめた大人たちに贈る下町オバちゃん冒険譚、感動の最終巻!
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Posted by ブクログ
最終巻
終わってしまって哀しいけれど、まずはこの漫画を描いてくれてありがとう。読ませてくれて本当にありがとう。
『たそがれたかこ』で出会い、『ゆりあ先生』で真にハマって、『おかめ日和』や絶版の『のんちゃんのり弁』まで買い漁るほどに好きな漫画家になった頃にちょうど連載が始まったのが『みっしょん!!』だった。
中年女性がMT車免許を取るために奮闘する、というバズる要素皆無なこのマンガが自分には奇跡のように好みドンピシャで、毎巻楽しみに、楽しんで読んできた。
前巻のあとがきにて、次で最終巻だと告げられてショックを受けるとともに、そりゃこの内容じゃ打ち切りでも仕方ないか……でももっと長く続くように読み支えてあげられなくて申し訳ない、と一読者の分不相応ながら思ったりもした。
そうして読んだこの最終巻。
物語としては、やや駆け足ながらも最大限に前向きに綺麗にまとめてくれて万感の想いで読み終えた。
そして最終ページ見開きにある作者あとがき(「おばちゃんのよしなしごと」)。
それを読んで、そういうことだったのか、これは長く続けられればいいとか、そういう類の作品ではなかったのだと知った。
読者に人気が出るとかどうこうの前に、作者がどうしても自分の人生のなかで書かなければいけなかった作品を、わたしはこの4年間、読ませてもらっていたのだと。
だから、こう言ってしまうのは不謹慎なのかもしれないが、わたしは今とても晴れやかな気持ちでいる。自分のかわいい車で外の世界へ走り出した未知さんのように。
この漫画は惜しまれつつ終わってしまった傑作ではなくて、こうでしかないやり方で描かれ切った傑作なのだと、自分のなかで整理することができたから。
物語外の文脈を持ち込むのはあまり好きではないけれど、この作品にはそうせざるを得ない。
生きて年を重ねていく度に、人生から絞り出すようにして豊かな漫画を書き継いでくれている作家なので、次の作品も楽しみで仕方がない。