あらすじ
自分に見えてる世界なんて
ほんのちっぽけ
地球の片隅で凛と生きる人たちーー
「ku:nel」人気連載エッセイ、オールカラー画で待望の書籍化。
時に歓喜し時に悲しみ時に途方に暮れて。
生きることを諦めない。
完全な偶然の中で知り合う他人というのもまた、
見知らぬ土地への旅と同じく、自分の人生観や生き方を
変えるかもしれない要素を持った、
未知の壮大な世界そのものなのだということを、
自分の人生を振り返ると痛感させられるのである。(本文より)
感情タグBEST3
挿し絵
日々、色々な国の人との出会いを書いてあり、文章も挿し絵素敵でした。読んだ後のその挿し絵が、心にグッときました。涙でウルウルしたり、あたたかな気持ちになりました。
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隔月刊誌 「ku:nel」に連載されたもの、全部で28篇。
これまでの数々の自伝的エッセイの蒸留版とも言える。文章に無駄がなく、構成もすばらしい。それに各篇に添えられた自筆の挿絵が文章を引き立て、文章が挿絵を引き立てる。ヤマザキマリならではの1冊。
Posted by ブクログ
題名が「扉のむこう側」
自分のいる場所から扉を開けてみると、色々な人々が居て、日々いろいろな出来事がおきている。
数えきれない国や地域で生きている人々は、あまり他を知らない。
私も日本の一部分しか知らないし。
この本の中で、ヤマザキマリさんは、イタリア、シリア、エジプト、ポルトガル、アメリカ、その他にもたくさんの地域で、生活者として、旅人として
そこで暮らす人々とのふれあいや、感じた事を、
魅力的なカラーのスケッチと共に描かれている。
世の中には、本当にたくさんの考え方や価値観があるけれど、絶対というのは無いのかもしれない、と思った。
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短いエッセイながら、笑えたり、切なくなったり、1つ1つの話が濃い。表現がいちいち良いので、部分的に読み返したりした。ラジオを聴いているような心地よさがあり、読んでいる時からまた読みたいなと思いながら読んでいた。忘れた頃にまた読みたい。
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ヤマザキマリさんの波乱万丈な人生。14歳での単身欧州おつかいの旅。お母様の、戦争を生き抜いたからこその【なんとかなる】の精神。すごい。小さく周りを気にして生きているのが馬鹿らしくなる。どんな生き方もできるんだという気づき。自分の考えや常識は当てにならない。
マリさんかっこよすぎる。
Posted by ブクログ
ヤマザキマリさんのエッセイを読むと旅先や引っ越した先々で色んな出会いがある人生って凄いなぁと思う。私は街で歩いていてもほとんど話しかけられないし、旅先で出会った人と長年の友人になったとかいう経験もないので、単純にうらやましいし、ヤマザキマリさんには万人を惹きつける魅力があるんだろうなぁ。
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扉の向こう側には未知と日常が交差する風景が広がっている。ヤマザキマリの軽やかな筆致はエッセイでありながら旅の記憶や人との出会いを鮮やかに蘇らせる。
ときに異国の風景が読者の心に風穴をあけ固まった価値観をやさしく揺さぶる。ユーモアと観察眼が織りなす一文一文が人生の豊かさを再認識させるのだ。重たさはなくとも確かな余韻が残る。
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久しぶりにエッセイを読んだ。昔、欧州に暮らしていたこともあるので、イタリアを中心とする本書のエピソードがなんとなくリアルに感じられる。欧州イタリアにクラス人たちの暮らし、生きることのモノ哀しさや面白み。静かにそんなことを感じさせてくれる佳品。各エピソードに添えられる絵も素晴らしい。
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大好きなマリさんのエッセイ。帯にあるように彼女の本を読んでいると「自分に見えてる世界なんてほんのちっぽけ」と感じる。クスッと笑えてたまにウルっときて、あー明日も元気に行けていこうって思える。
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ヤマザキマリさんが出会った人たち。苦労のない人生なんてない。みんな辛いことを乗り越えているんだから自分もがんばらないとと思った。挿し絵が素晴らしい。
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ヤマザキマリさんの漫画を読んだことはないのだが、エッセイも素晴らしい。
短編小説?連作小説?オムニバス映画?を読んだり見たりしたような感じだった。普通の人がそれぞれ主人公になっていて、余韻が残る。
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ふと手に取った一冊から筆者のエッセー集に恋してしまった。網羅して読むべく。。。
この作品も素晴らしい味わいと感動を受けた中身ばかり。
個人的に「リスボンの隣人」「マッちゃんの筆入れ」「ハルさんの葉書」「象の灰皿」そして装丁にもなっている「アレッシオとリー」は胸中に疼きを覚えた。
私より一回りしtの筆者が生きた時間と世界の彩は数百倍も広がりを見せる。
そこから抱かされた多々の経験則と場面から受けるインパクトがかように筆者の内面をゆたやかなものにしている事は当然。
文の、チョイスする語彙の豊かさにも繋がることで読み手に更なる広がりへの誘いをしてくれる。
挿入されているデッサンの素晴らしさにも吐息、コピーして部屋に貼りたいほど
幾度も登場する瓶底眼鏡は私にも覚えがあり笑みを覚える懐かしさ。
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どのエッセイを読んでもドラマチック。短い文章に濃い人間模様が描かれている。素敵な話も、しんみりする話も、人との縁の不思議を思う話も、色々な話がある。もちろんどれもエッセイで実話なので、しんみりする話はスッキリとしないものもあるけれど、その余韻も切なくて良かった。エッセイだけど短編小説を読んでいるよう。その話ごとのマリさんの挿絵もとても素敵だった。
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テルマエロマエの作者ヤマザキマリさんのエッセイ
はじめは、自分とは違う世界の人の話だなぁという感じで読んでいた。
しかし読み進めていくうちに、世界のどこでどんな生き方をしていようとも、それぞれがリアルに生活している様、その思考や感情がスーッと流れ込んできて、登場人物と一緒に歓喜し悲しめた気がする。
心に残った一文
「世間体や常識の向こう側に行かなければ出会うことのない、かけがえのない人もいるのだということを、私はあの時知ったように思う。」
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挿画付きのエッセイ集。絵が文章をより良いものにしている。人との縁は、何処にでも有るんだなあ。結構淡々とした文章やエピソードが好きで、ヤマザキマリさんの本はよく読んでいるが、装画・挿画付きのこの本が一番のお気に入りだ。
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面白かった!
ヤマザキマリさんは、テルマエロマエを一巻だけ読んだだけでしたが、原田マハさんとの対談を読み、博識とさっぱりとした人となりを感じ、興味を持っていた。
この本を読んでびっくり!
これほどまでに世界を股にかけた人生だとは!
原田マハさんとの対談で、中学生でヨーロッパ一人旅をし、10代でフィレンツェに留学していたことを知り、驚いたが、イタリア人と結婚し、イタリア国内はもとより、シカゴだったりポルトガルだったり…その先々で友人ができて交流しているヤマザキマリさんはものすごく魅力的な人なのだろうな。
息子さんも世界転校って。笑
世界転校のプロですね。ベテラン。
それにしてもマリさんも息子さんたちも何ヵ国語話せるのだろう…英語が苦手すぎる私には羨望の限り。
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マリさん、たっくさん経験してるなぁ。この経験はすごいな。自分の経験を本にするって、憧れる。自分でもこっそり書いてみたくなるな。絵日記みたいだった。
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イタリアを中心に有名無名の芸術家との出会いを辿る旅、、をGoogleアースを片手に楽しんだ。人の死にも苦労にも優しい眼差しが向けられていた。
人と分け隔てなく関わり、常識に縛られない作者の人柄に好感を持った。
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ヤマザキマリさんが出会う人がそれぞれ個性的で魅力的。出会いを肥やしに書く文章がおもしろいです。
ヤマザキマリさんの出会いを引き寄せる力、たくさんの出会いを経験したからこその度胸、心を開いて向き合ってみるしなやかさがかっこいいです。
私の心の中の扉を開けるように日常の出来事や出会いを経験し、選択し、受け取りながらこれからも生きていくのだなと思いました。
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「ハルさんの葉書」が読みたくて買った。北海道に生まれ育っているので、ヤマザキさんの描写がとっても胸に刺さる。樺太生まれのハルさん。私の祖父も樺太生まれだった。終戦時、樺太から命からがら北海道に引き揚げて来たという人が、沢山いる。そんな背景も合わせて読むと余計に心に沁みた。
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ヤマザキマリさんが、雑誌に連載していたエッセイ。マリさんのカラー挿し絵もあり。
マリさんの出会った個性的な人々とのエピソード。世界は広く、いろいろな意味で豊かだ。
Posted by ブクログ
ヤマザキマリのエッセイをなんでも良いから読みたくて借りた1冊。テルマエ・ロマエを描いた作者が14歳の時には単身でイタリアに渡っていたとは。ヨーロッパで出会った沢山の人達の考えや生き方に影響されてきた方なんだなと思った。
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帯の
「完全な偶然の中で知り合う他人というのもまた、見知らぬ土地への旅と同じく、自分の人生観や生き方を変えるかもしれない要素を持った、未知の壮大な世界そのものだということを、自分の人生を振り返ると痛感させられるのである。」が詰まったエッセイ集。
世界各国を旅して、色んな人に出会い、色んなことを吸収して、人との出会いが人を成長させるんだなって素直に思える本。1話5ページ程で笑いあり涙あり挿絵も美しい。マリさんを構築するものが垣間見える良質なエッセイたち。色んな出会いがあるけれど、登場人物たちは孤独や苦悩を抱えながらも各々懸命に生きていて、かっこいいなと思えた。切なくなる話もあるけどそれでも前を向いて生きていく。自分を縛らずに、旅をして、沢山の人と出会って成長していきたいなと、思えた本でした。
個人的は「ハルさんの葉書」と、「象の灰皿」が好きでした。
Posted by ブクログ
この方の本を読むといつもスケールの大きさに驚かされる。もちろん今回の一冊も。リスボンからシカゴに引っ越すとか、島国でずっと暮らしている自分からは想像もつかない。その扉を開ければひろーい世界が待っている、それはわかる!でも、そんな勇気も行動力もないからこそ、ヤマザキさんの本が面白い!
Posted by ブクログ
2023/12/10リクエスト 41
手元に届くまで半年かかったけど、知らない世界を一瞬で旅したような気持ちになる。
日天でよくゲストに出ているので、マルコおじさんに家出娘と間違われたエピソードは何度か聞いたけど、あの方がこの文章を書きこの素敵な絵を描くことに改めて驚く。プロの絵描きさんだけど、文章がとてもうまい。絵も文も、喋りも、とっても魅力的。
そして遠い縁者がバンバン出てくることにも驚く。記憶力もすごいし!
義母の母、とかサラッと書かれてもよく考えないとわからなかった。自分にあまりに親戚縁者がいないからかもしれない。
貧乏ピッツァも楽しみ。
Posted by ブクログ
14歳で欧州ひとり旅、17歳でイタリアに渡ったヤマザキマリさんのエッセイ。ヴィオラ奏者の母は別れた夫の母ハルさんとの暮らしを望んだ。カラーの挿絵がとても綺麗。
Posted by ブクログ
著者の回想録...ということか?
それにしても...
著者の生き方はすごいなぁ〜と思ってしまう。そして何よりも多彩、好奇心旺盛...彼女の実母の生きかた、義祖母の存在、それぞれの背中を見て育った幼い著者...
まるで著者が今そのように生きているように感じてしまう。
人生における一コマを扉と称してエッセイとして書いてあるけれど、ほかの著書を読んでも感じることだけれど、人生濃厚に送っているよなぁ〜が著者への感想!
頭フル回転で生ききってる感じがする。
すごいです...
Posted by ブクログ
幼い頃からの異文化交流にただただ圧倒されたエッセイ。
14歳での一ヶ月も掛けたドイツ・フランスへの一人旅。それが実母からの勧めというから驚き。一人で降り立ったフランスの空港には、迎えに来るはずであった母の友人は来ないし、フランスからドイツへ移動する際には老齢のイタリア人陶芸家に付きまとわれるしで、もうなんだかすごい体験。これらの偶然の出逢いも必然的なものにしてしまうのはヤマザキさんの秘められたパワーなのかも。
高校時代には実母から、高校をやめてイタリアに留学したら、と勧められ高校を中退し単身イタリアへ留学する。ヤマザキさんのお母さんの影響力ったらない。
一番好きなエピソードは『アントニアとマリア』。
ヤマザキさんの義母アントニアはとてもエネルギッシュな女性。それに対する義父の母マリアはとてもシリカルな女性。ひとつ屋根の下で、水と油のように正反対な2人はアグレッシブな攻防を日々繰り広げる。「お互い気を許し合っているわけではないが、気遣いが無いわけでもない」不思議な関係がなんとも魅力的に私の中に残った。
日本は自分の故郷でありながら、「帰り」という言葉の指す先にあるのは日本ではない、というヤマザキさん。そんなヤマザキさんの世界に向けたどこまでも冷静な視線に、ヤマザキさんと年齢も近いというのにまだまだ狭い箱の中でジタバタもがく自分を歯がゆく思う。
ハードな内容と対極にあるような、ヤマザキさんのお洒落で穏やかな挿し絵がとても魅力的。このクールな挿し絵が巧くマッチして、エッセイ全体をいい塩梅に鎮めている。