【感想・ネタバレ】ルール!のレビュー

あらすじ

『サイコーの通知表』『だれもみえない教室で』など学校における子どもたちの生きづらさに寄り添った作品を生み出し続ける児童文学作家・工藤純子。朝日中高生新聞の連載小説に大幅加筆した最新作のテーマは、ずばり「校則」です!

文芸部に所属する中2の朝比奈知里(あさひな・ちり)が校門を出てすぐ、スマホがヴヴッと震えた。登下校中のスマホの使用は、保護者との連絡以外は原則禁止。かけてきたのは姉で、コンサートの申し込みを代わりにやってほしいというお願いごとだった。通話を切った知里は、チケット販売のサイトにアクセス……そのとたん、背後からスマホの使用をとがめたのは生徒指導の三崎先生だった。スマホを没収されてしまう知里。しかし、級友たちの証言で、三崎先生は、通話するところからずっと知里を監視し、サイトにアクセスするのを待ち受けていたかのように声をかけたことがわかった。
同じ文芸部の晃太郎(こうたろう)は、生まれつきの髪型がモヒカンのようだから切ってこいと言われた。父がドイツ人、母が日本人で赤茶色の髪をした友樹(ともき)は、地毛証明書を出せと言われた。校則って、何のためにあるのだろう? 生徒を取り締まるためにあるのだろうか?
もやもやした思いを抱えた文芸部員たちは、理不尽な校則を変えようと立ち上がる。しかし、当の生徒たちの中から校則を変えたいという声があがってこない。学校生活の規律や校則を自分たちで考えることは、途方もなく大変だという現実に突き当たる。

はたして、知里たちは、校則を変えることができるのでしょうか? 現実の社会でも、あまりに理不尽な「ブラック校則」に注目が集まり、校則の変更や撤廃の議論がなされている中、校則とは何なのかという疑問を物語の力で伝える一作です! 巻末には、朝日中高生新聞紙上で行われた、中学生たちと名古屋大学の内田良教授、そして著者の工藤純子さんによる校則にまつわる座談会を掲載します。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

5.6年から。中学校の校則で理不尽にスマホを没収された主人公。反省文を読み上げさせられることに反感を覚え、生徒会と協力し、中学生の主張に挑む。上からの圧力の世界を感じていると、大人の読者でもモヤモヤと怒りが湧いてくる。子どもの思いを代弁するだけでなく、取り残さない今の時代を反映して未来に繋ぐ。

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2023年12月17日

Posted by ブクログ

校則のおかしさについて、正面から見つめ直し、正しく変えていこうと挑んだお話。少数意見を無視せずに考える姿勢が良かった。中学生に勧めたい。

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2023年12月14日

Posted by ブクログ

校則について、こんなに真剣に向き合ったことがあるだろうか。その他大勢の生徒のように、私も気にしてなかったと思う。少し不自由だけど、少し我慢すれば、なんて当時は感じてたのかも。
三崎先生ほど厳しい先生はあまりいない気もするが…理由を聞いても『校則だから』しか返ってこないのは、大人のダメなところって感じ。話し合って、必要なことは時代に合わせて変えていく、学校に限らず大切なことだと思った。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

中学生の子どもらしい瑞々しさと1人の人間としてのしっかりとした主張、さらに友情が、校則を見直すことを軸に描かれている。考えさせられることも多く読みやすくて面白かった。

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2024年11月25日

Posted by ブクログ

工藤純子さんにハマり中。校則について真剣に考え、行動を起こす中学生達の話。生徒たちが、ただ反発して校則を見直してほしいと主張しているわけではなく、周りの人の意見に耳を傾けながら、自分達の思いを伝えようと努力していく過程が良かった。

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2024年09月28日

Posted by ブクログ

「ブラック校則」というものが世間で話題になってから少し時間が経ち、社会の注目度も下がってきているような気もします。
もちろん、それぞれの学校に個別の事情や歴史がありますから一概にパッと見た印象だけでその是非を論じることはできない部分もありますが、その校則で様々な規制を受ける生徒自身がその校則の意義や必要性について考えることが必要だと思います。
指導する教員も「校則で決まっているから」という理由で、指導される生徒も「校則は守らなければならないから」という理由で、それぞれが思考を停止させて無批判に状況を受け入れてしまっている現状は、「それが社会の常識だから」「政府が決めたことだから」と社会の様々な事象を問題として捉えることなく漫然と生きることにもつながる、危険な行為だと思います。

校則が「悪」で、何が何でも改正したり撤廃したりしなければならないとは思いません。一見、不自然で不条理に思えるような規範であっても、それによって守られる人がいるのかもしれませんし、その規範を制定した拝啓には忘れてはならない過去や教訓が込められているのかもしれません。そういったことも含めて、きちんと当事者が考え、意見が異なる人と(対決ではなく)対話を繰り返す事、安易に多数決に流されるのではなく少数意見もきちんと汲むことなど、「校則」の在り方について考えることは、実社会に活かせる経験を得る貴重な機会でもあります。

YA文学として「エンタテインメント性」や「中学生でも活躍できるという爽快感」を含んでいますから、この作品の主人公たちはやや強引な手段を取って大人(教員)たちの裏をかくこともあって、もう少しきちんと根回しをしたほうが実際にはうまくゆくでしょう。そういった部分はさておき、彼らが自分自身の言葉で考え、自分事として校則に向き合っている姿は、多くの中学生の希望になるのではないかと思います。

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2024年03月13日

Posted by ブクログ

2024-015
中学生にもぜひ読ませたい一冊。自分が中学生の時は本当に何も考えずにただ従ってた。自分で考えて動くことの大切さを学んだ。でも、今の中学生にどれくらいできる子がいるだろう。

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2024年02月03日

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