あらすじ
ひと振りの香水で 明日のわたし、もっと輝く!
ベストセラー『翼の翼』『君たちは今が世界』で大躍進の著者がすべての女性に贈るエール。
食品会社同期でワーキングマザーの菜々と愛美。アロマデザイナーに転身した元同期の麻衣。
菜々たちと同い歳の派遣社員・彩子。
働くスタイルや活躍の場が異なる四人のアラサー女性は、新型肺炎が蔓延し、混沌とした時代の波に揉まれ、変化を余儀なくされる。
焦りや不安、重圧のなかで、彼女たちが拠りどころにしたものとは!?
「香水は、使われている成分の揮発性に細かい差があり、時間とともに香り方が変化してゆく。
肌につけた時、最初の数分の香りをトップノートというそうで、
次にくるのがミドルノート、その先にラストノートと呼ばれる香りがあって、
最後の香りがずっと続く(中略)とはいえ、ミドルノートも、ラストノートの手前の大事な香りです。
強く香ることも多いので、やっぱりミドルノートがその香水の中心っていうか、
わたしはミドルノートを基準に香水を選ぶことが多いかなって感じがします。」(本文より)
社会人同期として、同じスタート地点(トップノート)から歩み始めたのに、
結婚、出産、昇進、転職など、それぞれが別々の道を進んでいる――
人生の「ミドルノート」で試行錯誤する女性たちは、この先どこへ向かうのか。
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Posted by ブクログ
30代女性の立場がさまざまで、誰にも思いあたりそうな、読んでいて共感しすぎて気分が悪くなるような本。もちろん著者のせいではなく、自分に覚えがあり嫌なところを見せられ落ち込む、そういった感じ。この年代を過ぎた私でもリアルに分かるのでジャストな人は焦り悩むことが多いだろうな。
同期の中で一番に課長になった愛美、同期内で結婚した菜々、さっさと会社を辞めインフルエンサーになった麻衣、派遣勤務の彩子。菜々が夫からモラハラを受け関係がどんどん悪化する様子はとても辛い。一番近いと思ったので余計に。自分の機嫌を取れない、幼い夫。そして本音を言うとますます機嫌が悪くなるので言うことを諦めるという悪循環。自分を大切に生きていくには稼ぐ手段が必要だと心底思う。結婚してもしなくても。
生きていくって大変だ。
Posted by ブクログ
ライフステージや働き方が異なる、元同僚女性4人の視点で描かれる物語。自分と同年代の30代前半という設定で、立場が違う人物たちの悩みも大いに共感。
女性が働くうえでの壁が緻密に書かれていて、そうそう!と言いたくなる描写が多々あった。
最後はみんなが前を向いて進めそうな希望を持てる終わり方で、読後感も良い。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
食品会社同期でワーキングマザーの菜々と愛美。アロマデザイナーに転身した元同期の麻衣。菜々たちと同い歳の派遣社員・彩子。働くスタイルや活躍の場が異なる四人のアラサー女性は、新型肺炎が蔓延し、混沌とした時代の波に揉まれ、変化を余儀なくされる。焦りや不安、重圧のなかで、彼女たちが拠りどころにしたものとは!?
社会人同期として、同じスタート地点(トップノート)から歩み始めたのに、結婚、出産、昇進、転職など、それぞれが別々の道を進んでいる――人生の「ミドルノート」で試行錯誤する女性たちは、この先どこへ向かうのか。
「「好きなことを仕事にして自己実現」しながら、ひとりの時間も大切にし、ちゃんと同性の友達もいて、人生を素敵な香りとともに愉しんでいる。そういう自分に、麻衣はなりたかった。」
「どちらかといえば、菜々は「奪われるタイプの人」なのだ。彼女が自分の時間や努力を人に捧げることを厭わない、優しい人だから。そして、世の中にいるのは、そういう人を大切にし、尊重する人ばかりではないから。無邪気に甘え、知らん顔で奪い、そのことに罪悪感を持たない人も少なくない。」
「香水は使われている成分の揮発性に細かい差があり、時間と共に香り方が変化してゆく。肌につけた時、最初の数分の香りをトップノートというそうで、次に来るのがミドルノート、その先にラストノートと呼ばれる香りがあって、最後の香りがずっと続く。」
【個人的な感想】
香りと人生を上手く絡めてあって面白かった。
麻衣がなりたい「自分」と私のなりたい「自分」が似ていて、読んでいて苦しくなった。
また、私も奪われるタイプの人なのかもしれない。と読んでいて思い、自分のことを大切にしてくれない人には自分の時間や努力は使わないようにしようと思った。
Posted by ブクログ
帯がミランダスノーホワイトだ!!!!で思わず手に取り、あらすじを読んで、朝比奈あすかさん作か、これは絶対良作だ、と思って買いました。最近読んだ君たちは今が世界がめちゃめちゃ良かったので……
帯ばり可愛い 紙種まちがってたらすみません
香水が香る段階となぞらえて、お話も3章?に分かれていて、発想が面白い!となりました
菜々の話で謎に旦那さんに怒られてしゅんとなり、その後旦那さん目線の答え合わせがあるのかな?と思ったけど無かったので気になっているけど、理由が無いくらいの理不尽な怒りだったのかなと感想を書きながら思いました
一番好きな視点は菜々かなあ。旦那さんにムカムカしながら読み進めた。離婚しようと決断したこと、かっこいいと思った と同時に自分がこの状況に置かれたら、菜々と同じように決断できるだろうかとちょっと落ち込んだりもした 菜々の歩く未来に幸多からんことを願うばかりです
愛美視点を読んだ時は、周りからは恵まれている、優れていると見えるけれど、当人しか分からない苦悩もあるよなあと思った。本を読むと色々な視点を見つけられてほんとうに勉強になる。
麻衣視点を読んで愛美視点を読むと、麻衣の気持ちに感情移入して落ち込んでしまう。。麻衣はもっと求められたいと思っているけれど、愛美はそれどころじゃない状況で。麻衣は麻衣で充実しているけれど、近しい人間関係が思い通りに運んでなくてちょっとさみしい気持ちになった。
彩子視点は一番感情移入したかも。このご時世もあり派遣契約が延長されず、お金に悩むところが特にわかるーとなった。一見順風満帆に見える彩子編だけど、彩子自身はずっと不安というか、違和感というかを抱えていて、この違和感を抱えたまま結婚するのか、それともしないのか。一番未来が気になる人物でもあったなー
Posted by ブクログ
・どちらかといえば、菜々は、「奪われるタイプの人」なのだ。友人をそんな目で見るのは傲慢かもしれないが、菜々のそばにいると、愛美は時々不安になった。彼女が、自分の時間や努力を人に捧げることを厭わない、優しい人だから。そして、世の中にいるのは、そういう人を大切にし、尊重する人ばかりではないから。無邪気に甘え、知らん顔で奪い、そのことに罪悪感を持たない人も少なくないから。
・もっと力を持ちたいと、愛美は思った。きちんと声をあげ、それを通していく。その力がほしかった。自分のためだけでなく、支えたいと思う人たちのためにも、強くなりたかった。
・麻衣の心の中にあるひそかな野心や、しずめようとしても生まれてしまう焦りや不安や、たとえば何かきれいなものを見た時に自然に感動する心や、それを誰かに伝えたいと思う気持ちなどに、興味のある者はいなかった。初回の顔合わせでそこまで話題が及ばないのは仕方がないとも思うが、麻衣の内側に対して興味の片りんも見せないということは、つまり、一生興味を持たないということだろうと、麻衣は思った。