あらすじ
朝葉は勉強も部活も要領よくこな優等生。部員の仲を取りもつ毎日を過ごすうちに、本音を飲み込むことに慣れ、自分の意見を見失っていた。そんなある日、朝葉は自分の顔が見えなくなる「青年期失顔症」を発症し、それを同級生の聖に知られてしまう。いつも自分の考えをはっきり言う聖に、周りに合わせてばかりの自分は軽蔑されるはず、と身構える朝葉。でも彼は、「疲れたら休んでもいいんじゃねぇの」と朝葉を学校から連れ出してくれた。聖の隣で笑顔を取り戻した朝葉は、自分の本当の気持ちを見つけはじめる――。
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Posted by ブクログ
心の傷が可視化された病「青年期失顔病」
いつも周りに合わせて生きている朝葉がその病にかかってしまって始まる物語です。
特に学校で生きずらさを抱えてる人、周りの人に合わせて生きてる人、自分を隠してる人達に読んで欲しい本です。
私も聖みたいな学校を連れ出してくれる人に出会いたいです。
Posted by ブクログ
間宮朝葉
高校二年生。バスケ部。周囲に合わせる形で、部員同士の橋渡しや雑用などを押しつけられている。部活での人間関係やストレスで「青年期失顔症」を発症する。
水川
二年一組。誰もが口にするのは“かっこいい”女子。短めの黒髪、手脚がすらりと伸びた身長。青年期失顔症を発症してしまう。
金守杏里
焦げ茶色のショートヘア。二年生。バスケ部。表面的には朝葉と一番仲が良い。
桑野
バスケ部の顧問。以前、強豪校だった頃の感覚を忘れられずにいる。朝葉が部活の人間関係や悩みを相談するが、甘えだと決めつける。
真縞
一年生。バスケ部。三年生が引退したらレギュラー候補と噂がある。
若奈
朝葉と同学年。バスケ部。朝葉よりも上手いが、自己中心的なプレーが多々あるため、試合に出すのは厳しい。
朝比奈聖
髪を金髪に染めている。朝葉とは小学校から一緒。朝葉に対しても細やかな気遣いをする。
常磐
三年生。バスケ部。学年関係なくみんなに親切で優しい。困ったことがあれば相談に乗ってくれる。悩む朝葉に気づき、桑野に相談するよう勧める。
雨村叶乃
叶ちゃん先生。養護教諭。青年期失顔症のカウンセリングもしている。聖のいとこ。二十代半ばくらい。
朝葉の母
朝葉に期待ではなく、母の“当たり前”を求めてくる。
夕利
朝葉の四つ年上の兄。音楽関係の専門学校を卒業後、就職せずに楽器店とライブハウスのバイトを掛け持ちして作曲家を目指している。
雨村祈
聖の二歳上のいとこ。叶乃の弟。大学生。高校一年の時、青年期失顔症を発症して一時期不登校になっていた。
駄菓子屋のおばちゃん
佑香
三年生。バスケ部の先輩。
中条月加
一年生。青年期失顔症を発症している。「読書中毒」のため寝不足で倒れ、よく保健室に運ばれる。本を読んで、なりたい自分を模索中。