【感想・ネタバレ】体に悪い、悪くない、ホントはどっち?のレビュー

あらすじ

私たちが生きる現代には,“昔”よりずっと長持ちするようになった食品で満ちあふれています.しかしこうも食材は豊富にあるのに,私たちの「科学」の知識は乏しく,加工食品の原材料を見ては,そこに羅列するカタカナ語の文字数に頭を抱え,これらが自身の健康に害を与えるものではないかと怯えています.その一方で「天然」や「オーガニック」と書いてあれば,ヒトにとって彼ら自然界に存在するあらゆるものは,友好的で親愛なる善きサマリア人だと思って疑うこともないでしょう.しかし,もし,今あなたが手にした食品や化粧品に「無農薬」や「無添加」,「ノンケミカル」という言葉があるとして,それは本当にあなたの健康を保障するための根拠になりえるのでしょうか?それとも単なるコマーシャルなのでしょうか?
本書は,安全を訴えつつ矛盾を抱えるこれらレッテルを剥がし,その裏側を見るための検証結果を,真摯かつ皮肉を交えて教えてくれます.
【この本が解決する あなたの疑問】
Q.食品を「高度に加工する」ってどういうこと?
Q.人間が食べ物を保存するようになったきっかけって?
Q.タバコと電子タバコはどう似ていて,どう違うのか?
Q.日焼け止めは塗りすぎない方がいいの?
Q.コーヒーは体にいいのか悪いのか?
Q.p値ハッキングとは何か?科学研究がうまくいかない原因は?
Q.加工食品はどれくらい許容できるのか…?

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ちょっと軽い文体で書かれていますが、中身は非常に優れた科学の方法論の説明になっています。特に2つの変数間にある相関を因果関係と思いがちだが、往々にしてそれはあまり根拠のない解釈であることが強調されています。

食品の健康への効果の測定は特に難しく(膨大な数の要因が絡むので、ある食品の影響だけを分析するのは非常で困難)、相矛盾した研究結果が得られることも多いようです。たとえばコーヒーの影響については確たることは何も言えないようです。

しかし、タバコが健康に悪いことはほぼ確実で、これは異論が少ないらしいです。

本書のタイトルにつられて読みましたが結論は、「まだよくわからないことが多い」という、若干期待ハズレの結論でした。

0
2024年02月05日

Posted by ブクログ

MITで化学の理学士号を取得している科学コミュニケーターである著者が、1000本の論文を読んだ上で、加工食品はどのくらい体に悪いのか、日焼け止めクリームは安全なのか、タバコや電子タバコはどうかといったことについて検証。
タイトルから、いろんな加工食品などについて、最新の研究成果をもとに、体に悪いのかどうかの判定を下すような本と思って読み進めたが、いい意味で期待を裏切られた。科学の営み上、そういう問題への答えはそんなに簡単に出ないということがよくわかった。著者がアドバイスするように、食と健康に関するニュース等についてあまり気にせず、心配しすぎないということだ。
しかし、そんな中でも、タバコについては、明らかに体に害があることが科学的に明らかになっている稀有な事例であるということで、引き続き絶対にタバコは吸わないでおこうと決意した。
加工食品等が体に悪いのかどうかということを置いておいて、本書により、科学という営みについての理解が深まり、また、シアン化物が毒である理由、ハチミツの「乾いている」ことによる防腐効果、アブラムシの生態、p値ハッキングなど、本書で初めて知った科学的知見・エピソードも数多く、とても知的好奇心を満たされた。
本書は、終始アメリカンな軽快なノリの文体で書かれており、非常に読みやすかったが、著者の科学に対する誠実な姿勢は良く感じられた。著者は、優れた科学コミュニケーターであると思う。

0
2024年04月16日

Posted by ブクログ

要素がたくさんあるものの因果関係を科学的に証明することがとても難しいことがわかった。

この食品が〇〇に効果がある、というキャッチコピーはちまたに溢れており、影響されてしまうことも多い。
断定することは難しく何かを盲信しないよう注意深く中立的でありたい。

0
2024年03月10日

Posted by ブクログ

見開きに3回ぐらい出てくるアメリカンジョークがちょっとよくわからなくて読みづらいですが、内容はちゃんとした本です。加工食品の代表でチートスをよく出てきますが、結局チートスがどう体に悪いのか分かりません。科学者の目線で食品や日焼け止めなど、日常を身の回りにあるものが体にいいか悪いかを考えていますが、結局結論は出ていません。
理系思考で考えるとはこういうことかなというのがよくわかる本です。

0
2024年01月21日

Posted by ブクログ

牛乳は身体によくない?コーヒーはどっち?お酒は最近、少量でも身体によくないと言われ始めたが・・。ジョギングはどう?サプリは意味ない?グルタミン酸ナトリウムについても気になる、と色々あるのだが、もしかして、この本が解決してくれるのでは、と手に取る。

ミステリー小説ではないので良いと思うのだが、若干ネタバレかもしれないので、予め先にお断りをしておくが、本書は、「ホントはどっち?」に対し、「結局答えられない」とするものなので、それを期待して読む方はガッカリするかもしれない。この点はレビューに期待される役割としても書いておきたい。ただ、その結論に至る経緯は、決してだまし討ちのような卑怯なものではないことにも触れておく。論拠立てて考察されるので、その過程を楽しむという事でよいのかもしれない。

化学物質てんこもりの食べ物は身体に悪い気がするが、野菜だって化学物質は含む。植物は自らを守るためにシアン化物のような毒物を含むものもある。一概に、何が良いとか悪いとかは言えない、という事。ただ、こうした前提を説明しながらも、こうした食事に関しては、気にしすぎることはない、というのが結論だ。その点は、コーヒーは身体に良いか悪いかなどの論点にも通ずる。しかし、結局、どちらとも言えない、で締めくくられる。

運動は良い。タバコはダメ。食べ物は気にしすぎる必要はない、というのが一応の結論だ。くだけた口調での専門的な解説も楽しめる。良い本か悪い本か、ホントはどっち?と言い難いが、悪くはない本だと思う。

0
2024年10月10日

Posted by ブクログ

健康のカテゴリーに入れてはみたものの、実際は結果に疑問を持つことを説いた本。
ただ、7つを覚えるのは大変。

0
2023年11月16日

「学術・語学」ランキング