【感想・ネタバレ】評判すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年11月11日

「タイパ」重視と言われる時代に文学作品までこうなるとは思っていませんでしたが、中々に面白かったです。
最近よく隣の席になる新しく出来た友人が大の水木しげるファンであり(渋い…)、私が読書好きだと知って貸してくれました。
と言ってもこれを書かれたのは水木さんご本人ではなく、自称「パチモノ同人作家」のド...続きを読むリヤス工場さんが水木さんの作風で書かれたものです。
水木しげるさんは鬼太郎位しか見た事ないのですが、そんな私でも驚きのクオリティ。

シリーズ四冊目の本作は『痴人の愛』『ヴィヨンの妻』『外科室』等、割と有名な所が収録されていて他にも江戸川乱歩、エドガーアランポー、宮沢賢治、小川未明、など錚々たるメンバーです。

読んだ事の無い作品もあり大変興味深かったのですが、『痴人の愛』を10ページでしかも漫画で読むと身も蓋もない変愛物語になっていて、こんな話だっけ?!と困惑。ドーンと裸のナオミが四つん這いになった譲治に跨り「あたしが要るだけいくらでも金を出すか」と言いやるシーンは爆笑してしまいました。

『赤い蝋燭と人魚』は元が童話なので漫画で読むと雰囲気が出て凄く良かったり、特に『インスマスを覆う影』はホラーみが強いので水木しげるさんそっくりの作風が非常にマッチしていました。

10ページに纏めるのが大変だったとドリヤス工場さんも仰ってましたが、文学作品は文章の流れの美しさを楽しむものでもあると思うのでそれはそれは大変だったろうなあと、素直に読みつつ感心しておりました。
あとがきにもあるように、要約要点のみを読むのが勿体ない作品もあるので本当は原本を読むのが良いのでしょうが、文体も癖があったり現代人の我々は時間に追われていたりするのでハードルが高いのかも知れません。
なのでこのシリーズが累計70万部突破しているのも頷けます。

何故か本作を読み終えて思ったのですが、この時代の時間の流れと今の時代の時間の流れがどうしてこうも違うように感じるのかなと考えてしまった時に、人間はAIに既に支配されているのじゃ…と傍らのスマホを見て少しゾッとしました。
上手く付き合って行きたいものですね。

まあ私の妄想癖はさて置き、知っている文学作品も漫画になる事により新たな発見がありましたし、気になりつつも知らなかった作品も読んでみようと思えましたし、良質な時短作品でした。

さてさて、お次は「タイパ」とは真逆の『犯罪者』『Q』を同時進行で読んで行こうと思います。

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

たまたま本屋でドリヤス工場の書影をみて購入。巻末文を見るまでシリーズ作品であることを知らなかった。
最初こそ「バーナード嬢曰く。」のさわ子のように「ちゃんと読んでないし粗筋だけでも知れるならラッキー」という気分だったが、読んでるうちに「ちゃんと読みてー!」と「それで終わる?嘘?確かめないと!」な作品...続きを読むがゴロゴロと。困る。
にしても、まさか三好達治の詩集まで漫画にするとは。相変わらずの画風と合わせてドリヤス工場の凄さを改めて知る。

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