あらすじ
食べ物は幽霊より恐い…!
すべての不思議が食からはじまる――
★ 事故物件から誕生したサラダ
★ ピザ店の怪音、焼肉店の幽霊
★ 食べないとどうなる? 断食道場体験
★「事故物件の寝食べ現象」を専門機関で検査
★ 死を招くオムライス、集まってくる大根
★「夢に見ると死ぬ」伝説の洞窟で悪夢を見るチーズ実験
★ メキシコで「生まれ変わりの儀式」を体験
★ みそ汁をかける祭りに行ってみた
★ タニシがタニシを共食いする 他
ベストセラー『事故物件怪談 恐い間取り』の松原タニシ最新刊
著者累計35万部突破!
食からはじまる「不思議な話」を41篇収録
《 目次 》
土
ピザ
ラーメン
焼肉
寿司
アメ
クッキー
ぜんざい
ケーキ
ポーチドエッグ
チョコレート
トルコライス
オムライス
大根
味噌
すき焼き
メロン
ビワ
イチゴミルク
納豆
キノコ
チーズ
桃
コーヒー
カレー
サボテン
サバ
みそ汁
ハタハタ
晩白柚
タイマイ
豆腐
シカ
タニシ
だし巻
こんにゃく
カツ丼
ライスバーガー
シリアル
米
カイワレ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
食べる者と食べられる物。
生き物は食べる事で命を永らえている。誰かが誰かを食べ、何かは何かを食べている。
人が食べられるということは、現代において少ないけれど、孤独死の現場において、人間は虫や微生物の食べ物になる。
孤独死をして、虫に食べられ糞になり、微生物に分解されて土になった男がいた。その土で野菜を育てて、それを松原タニシさんが食べる。
嫌悪感を感じてしまったけれど、でも不思議と、彼の行動を受け入れてしまう気持ちもある。
巡るとは、輪廻とは、食べられ排泄されまた食べられてと、何かの一部になり続けることなのかな?
孤独死をした彼は、今は松原タニシさんの一部に転生している。そんなふうに思った。
『恐い食べ物』という本は、食べ物に纏わる不思議な話や、恐い話を纏めた本だけれど、松原タニシさんの文章が軽やかでユーモアがあって、恐さも嫌悪感も後を引かない。でも、知らなくて良いことを知ってしまったという後悔に似た軽い嫌悪感は残る。
知らないほうが気楽にいられるというものはある。
食卓のお肉がどのようにして、牛や豚や鶏からお肉になっているのか、その過程を知ってしまうと、お肉を口に入れるのがちょっと気まずい。でも、それをお仕事として日常に組み込んでいる方々もいるので、知りたくなかったというのも気まずい。
お肉大好きな私は、その気まずさを感謝の気持ちでコーティングして、お肉を食べ続ける。
食べることは生きる事。
そこには、ただ生きる為に必要なエネルギーを摂取すると言う以外の意味がある。
私は食べる事が大好きだ。家族と食べる食事の時間も大好きだ。
美味しいは幸せとも言い換えられる。
美味しくて幸せ!と喜んでいた時間に、この本は、ちょっとの気まずさを添えてくれる。でも、その気まずさもまた食べ物の美味しさになっちゃうのだよな。
Posted by ブクログ
人間は死ぬと土になり、自然が誕生し、そこから生まれたモノを食べる。事故物件に住み、恐い旅を経た松原タニシだからこそ身を削って実行できるリアル輪廻転生ネタ。
知って良かった話しに、知らなくて良かった話し。これまで口にしたモノをついつい考えてしまうエピソードの数々は怖くもあり興味深い。食べる事は生きる事でもあり死ぬ事。喜怒哀楽に関係なく食欲は発生するんだから、確かに怖いよなぁ〜と思いながら饅頭を食べる夜。大満足。
Posted by ブクログ
食べ物に怪異を絡ませた短い話が続くなと思っていたら、最後の方にふわっと前触れなく事故物件の土の写真が出てくるのでびっくりした。それよりもイチゴミルクなどの赤い色素の原料は知っていたけど、抹茶ミルクに関しては初めて知ってそっちもか!と寒気がした。色素の話もだけど、最後まで読んで何が一番怖かったかって、今も続く寝食べかもしれない。
Posted by ブクログ
事故物件住みます芸人松原タニシの食べ物にまつわる怖いお話。
食べると悪夢を見るというスティルトンチーズのページで、ある乳酸菌飲料を飲むと安眠効果を得られるとともに悪夢を見た人が続出した、ということが書いてあったけど、私もそういう話があることを知らずに安眠効果を期待して飲んで3日連続悪夢を見た経験がある。乳酸菌とか眠りの深さと何か関係があるのだろうか。
動物が亡くなると「土に返る」とよく言うけど、人が亡くなったまま本当に土に返ってその土が放置されている物件の写真は衝撃的だった。しかもその土でカイワレを育てて食べてるタニシ氏にタダでは転ばない芸人魂を感じた。