あらすじ
暗闇が消えると何が失われるのか?
生物学者が詩的に綴る、感動の科学エッセイ。
2022年度 英ウォーターストーンズ ポピュラーサイエンス部門
ベスト・ブック獲得
スウェーデンから、アメリカ、ドイツほか各国で続々翻訳
闇がなければ光はなかった 闇は光の母 ――谷川俊太郎
いま、街灯の照明をはじめとする人工の光が、多くの夜の自然の光を奪っている。その結果、古来から続く生物の概日リズム(体内時計)を乱し、真夜中に鳥を歌わせ、卵から孵化したウミガメを間違った方向へ誘導し、月明かりの下の岩礁でおこなわれるサンゴの交配の儀式すら阻害している。
本書は、人工の光による自然への影響(=光害:ひかりがい) をひもとき、失われた闇を取り戻そうとする呼びかけである。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ポピュラーサイエンス本の翻訳本としては異常な読みやすさ。
テーマも光害の影響となんとなくは認識しているけど具体的な被害や影響は把握していないテーマで、興味深く読み進めることができた。初版本だったけどもっと売れてて良さそう。
Posted by ブクログ
光害(ひかりがい)という言葉を御存知だろうか。現代社会ではLEDの広がり等に伴い、暗闇がなくなっている。それが、生態系など自然界にも深刻な影響を与えつつある。
著者は、谷崎の陰翳礼讃を取り上げながら、暗闇の大切さを訴えている。