【感想・ネタバレ】楽園の犬のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

第二次世界大戦中の、日本の植民地になっているサイパンが舞台の話。
海軍のスパイとして、アメリカ側のスパイを摘発する主人公・麻田。
連作短編集のように、一つの章に一つの事件という構成になっているが、最後の章は、アメリカとの戦争が開始され、主人公の雇い主である海軍少佐・堂本が失踪したことで、海軍から、麻田も堂本の協力者なのではと疑われ、海軍から逃げるエピソードが描かれている。ハラハラドキドキで面白かった。
連作短編集みたいな構成は、個人的にあまり得意ではないのに、この本は物語に没頭できる文章で楽しかった。

サイパンはグアムのようなアメリカ領のリゾート地という認識しかなかったけれど、かつて日本が占領していて、アメリカ戦では戦場となり多くの人が犠牲になった土地だということを改めて認識した。

自決が美化されていた時代に、「美しく見えても死は死でしかない。なによりも命が大事。」と考えて最後まで生きようとし、その意思を妻子に伝えようとした麻田が良かった。

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和15年、麻田健吾は南洋庁サイパン支庁庶務係の職を得てサイパンに来島した。表向きは閑職、裏の顔は海軍のスパイとして上官の指示に従い己の頭脳を駆使し仕事をこなしていく。

戦争という現在からすると非日常の中で紋切り型のヒーロー、ヒロインのような人物ではなく、ただ能力ある普通の人々が己の信条によってのみ生きている様が描かれていてそれがまた戦争というものの非情さを戦後を生きる私に訴えかけてきました。

読後、因果は巡る、誠実に生きないと、と襟を正される思いがしました。

8月に読むことができて良かったです。

#楽園の犬 #NetGalleyJP

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2023年09月08日

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