【感想・ネタバレ】あしたの名医―伊豆中周産期センター―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

産婦人科医の北条衛は、伊豆中央病院に異動を命じられた。予期せぬ都落ち、しかも鬼の老教授が医局を支配していると聞く。着任早々、その教授と手術を行うはめになった衛。彼は、地域の命の砦を守る重責を感じつつ、個性ゆたかな先輩医師に学びながら成長してゆく。激務に疲れた衛に活力を与えるのは、伊豆半島の海と山の幸だった。現役医師が描く、興奮と感動の医学エンターテインメント。(解説・杉江松恋)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 のんびりとした伊豆の温泉や美味しそうなご飯の情景。それと交互に現れるすごく怖い教授、そして凄まじい気迫の医師そして妊婦の妊娠との激闘、緊迫した手術と命の危機。気の緩みと緊張が幾度となる続く物語であった。才能ある医師が新たな出会いをし励まされ、時に休み時に覚悟を決めて挑む。いろんな形の強さと医師の生き様を感じさせる。
 最初に頑迷にして旧弊な存在として現れた教授ルールが、この極限の環境においては非常に理にかなったものであるということが複数の段階で、複数の理解であらわになっていき、逆にそれが必要なほどに地域医療の抱える根本的な問題が浮かび上がる。そして合間にある伊豆の土地の温かさや美しさ、ご飯のおいしさなどが、その問題だらけの地域医療で支えなくてはならないものとして現れるのだ。そしてそれを支えて改善して発展させたい医師達の思いや、それに感銘を受けていく主人公の視点の説得力を生んでいる。

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2025年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分が医療系ということもあり、共感出来る部分が多数ありました。
専門的な面もありつつ、普段医療小説を読まない人にまで誰にでも楽しく読んでもらえるような話の展開が素敵でした。
最初は早くスキルアップしてキャリアを磨きたいと考えていた主人公が、周りの患者さんや医者と関わるうちに考えが少し変わっていったところ、三枝教授の理不尽に見えるやり方は実は限られた医療資源・人材の中で患者を救うためにあるルールであったことなど、共感できる部分が多数ありました。
面白かったです。

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2024年06月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

産婦人科の先生が書かれているという事で、すごく読み応えがあった。専門用語もたくさん出てくるので本の中、伊豆中病院の中にグッと惹き込まれるような感覚があり、緊迫感のある場面ではドキドキしたし、無事に命が誕生した時は胸が熱くなった。
リアルな医療小説が大好きなので、医療小説としても大満足!
そしてなによりご飯の描写が!とんでもなく美味しそう!!読んでいてご飯の香りがしてきそうな、口の中に味が広がるような美味しそうな描写に涎とニマニマが止まらなかった…
出てくるご飯、全部食べたい。三島に行きたい!!!

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2023年11月15日

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