あらすじ
元士族・橋本家のひとり娘、有栖は腹を立てていた。年上の従兄、春日要との縁談を勝手に決められてしまったからだ。資産家の両親のもと、何不自由なく育った要は、知的で優しい美貌とは裏腹に、悪戯好きでキザ、おまけに素人探偵気取り…と、大変な問題児なのである。この強引な縁談を白紙にすべく、有栖は縁談の裏に隠された「人形紛失事件」を解決しようと奮闘するけど…? 「ミス・おてんば」の女学生と一族きっての問題児のコンビで謎を解く、レトロモダンでロマンティックなライトミステリ!
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Posted by ブクログ
有栖や要の口調、漂う雰囲気、各章にタイトルがついてるあたりが横溝正史や江戸川乱歩のジュブナイル作品を彷彿とさせた。
読んでいて、どこか懐かしい雰囲気。
それでいて、ちゃんとミステリ。
特に美女人形の話は犯人は何となく想像つきつつも目的や動機が気になって一気に読み切った。
難あるとすれば、やはり要お兄さまの性格か。
あの性格を許容できるかどうかで作品に対する印象は変わりそう。
自分は終盤まで好きになれず、ちょっと苦労した。
何度殴りたくなったか分からないという。
どちらかというと、彼に困らされていた父親の方に感情移入できた気がする。
まあ浮気癖のある父親なので、その点は信用できないけれども。