【感想・ネタバレ】良寛の読み方―日本人のこころのふるさとを求めてのレビュー

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Posted by ブクログ

良寛が残した和歌や漢詩を通して、彼が何を考えて生き、そして死んでいったのかを、生き生きと考察した本。

和歌や漢詩、古い言葉で書かれた手紙が多く紹介されているが、いずれも訳や解説が丁寧で、良寛の人生に対する姿勢や、そのときどきの心情が手に取るように理解できた。
学生の頃、古文は苦手科目で、「読む」というタイトルを見たとき少し及び腰になったのだが、ストレスを感じることなく最後まで読み進めることができた。

道元を生涯の師とし、若い頃厳しい修行に明け暮れた良寛は、最終的には「僧にもあらず、俗にもあらず」という乞食のような、中途半端にも見える生き方を選択した。
世間からどんなに冷たい目で見られようと、子供と遊んだり、和歌や詩を詠んだり、書に打ち込んだりといったことに没頭し続けた。
ただひらすら坐るを旨をした道元とは真逆の生き方にも見えるが、自分の中の真実ととことん向き合おうとしたという意味では、何ら変わるところが無い。

このように、ただ愚直に自分の真実のみを追求する人生は、とても魅力的だ。

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2012年01月20日

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