あらすじ
姉を殺した七人への復讐に少女は命を捧げた。
四方を山に囲まれた田舎町、阿加田町。
この町の高校に通う中川栞は、いじめを受けて不登校になっていた。
ある日、栞の家に同居人として佐藤冥がやって来る。
誰にも心を開かない冥は、この町へ来た目的を栞だけに告げた。
「姉を死に追いやった七人の人間を皆殺しにしてやりたいの」
三年前、冥の姉・明里は、この町で凄惨ないじめに遭い自ら命を絶っていた。
その復讐のために、冥はここへ戻ってきたのだ。
冥は阿加田神社に伝わる血塗られた祭儀『オカカシツツミ』を行い、巨大な蛇の神『オカカシサマ』を自らの身に宿らせることで、七人の人間を殺していく計画を立てていた。
夏至の夜、冥は儀式を成功させる。
それから一日に一人ずつ、冥は神様の力を借りて、栞と共に姉の死に関わった人間を殺していく。
復讐と逃避行の日々の中、いつしか二人は互いに恋愛感情を持つようになる。
だが冥は栞に、一つの隠し事をしていた。それは『オカカシツツミ』を行った人間は、最後には自らの魂を神様に捧げなければならない、つまりは〈冥の死〉が避けられないことを。
「ジャンプ+」でも人気爆発中の、今一番キテる作家が送る、残酷青春ラブロマンス!!
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一冊完結。
とても下劣で暴力的な描写。 人間を壊す過程、壊された人間が追い詰められていく心理。醜さの極致を体現した登場人物達。そいつらが君臨して善良な者をなぶり殺す田舎。
そんな読むに耐えないシーンで進む本作、胸くそ悪いの言葉がピッタリで評価1にする気も起きましたが、それほど衝撃を与えるライトノベルも無いもんだと思い最高評価です。
民俗学、宗教、教育、精神医学の知識を織り混ぜた衝撃の復讐ライトノベル、読めば嫌な気分になること請け合います。
それでもクズ共がクズのように死体になるところに爽快感を感じたいならどうぞ。でもそしたら読む側の人間性にも問題が、それを行間から作者さんが観察してるのでは…
いじめ、いや暴行のシーンの壮絶さ、殺害シーンの冷酷さと主人公二人がイチャラブするシーンの落差が凄い。結末は倫理的に炎上ポイントがある。あれは救いですか?
Posted by ブクログ
これはまたすごい。端的に言うと、土着の神様 『オカカシサマ』の力を使った復讐劇。
神様を使役した行動のおどろおどろしい描写、そして讐劇の悲惨な背景など、暗いストーリーで心にダメージもありますが、独特な作風で楽しく読めました。
特に、オオカカシサマの使役による復讐は、独特かつ恐ろしいもので、本作特有の面白さがあったと思います。
本作はこれにとどまらず、復讐劇を通じた冥と栞の恋模様が描かれているのが凄い。復讐劇というある種の特殊状態における恋模様は、悲しくも愛おしく、そして切なく感じました。
Posted by ブクログ
『“神”をも息を呑むような、渾身の復讐劇』
こんな突飛な復讐劇あったものか、とその発想に非常に驚かされる。
復讐には、下剋上のようなことをする方法や、社会的に正当(もしくはグレーな)方法、更には虐待や殺人など法に触れる方法など、種類は様々だ。
だが、本作はそれらのどれにも当てはまらない、奇想天外な手段で行われる。
本作は、阿加田町という町を舞台に繰り広げられる復讐劇。
いじめを受け不登校になった高校2年生の中川栞は、ある時、父親の親友の娘である佐藤冥と共に生活するようになる。
冥は高校1年生であるが、ある人物達への復讐を果たすべく、親元を離れ、阿加田町に住む中川家で生活するようになる。
本作を読んでまず驚くのは、冥の行動力だ。
復讐相手の行動やタイミングを考え抜くのは勿論、冥自身の身に危険が及びそうなことまでやって退けてしまう。
(恐らく、一番怒らせてはいけない女性ランキング上位に冥は入ってるのでは?と思うほどだ・・)
そして肝心の復讐は、言ってしまえば“冥にしか出来ないような”方法で行われる。
実際の手段は、物語における最も重要なキーワードになってしまうので、読んで確かめてみて欲しい。
また、本作における人間の仄暗い部分の描き方はピカイチだ。
いじめの加害者側の事細かな心情が如実に描かれていて、(良い意味で)何とも気分が悪くなる。
ただし、復讐のシーンは意外にもあっさりと描かれてしまっているので、少し物足りなさを個人的には感じた。(ただし、これは私がいつもドロドロとした作品を読み過ぎていることに影響している気もするが・・)
漫画化もされており、文章自体も難しい表現が少ないことから、初めて本作のようなジャンルを読む人も読み易いと思うので、ぜひ一度手に取り、この摩訶不思議な復讐を知ってみて欲しい。
Posted by ブクログ
いじめ、自殺、復讐がすぐ頭に浮かぶ小説なので、今心が弱ってる方はおすすめしないかな…
まぁ、ハッピーエンドなんで、読んでください。
あ、B級映画好きな人なら、楽しめそう…かも笑
Posted by ブクログ
いじめによって自殺に追い込まれた姉の仇を「オカカシサマ」の力を得た冥が晴らしていく話。いじめの描写は絶望感が伝わってきて読むたくないと思うほどだった。
復讐モノではあるけど、復讐自体は淡々と儀式のように進められていて、痛快さは皆無と思えるほど。冥たちが日常生活を楽しむシーンもあるけど、"いじめによる自殺"の悲痛さが物語全体に横たわっているように感じた。
Posted by ブクログ
まあまあグロい表現が多々あり、インパクトの強い作品でした。復讐というのがこの物語のテーマで、しっかりとした描写もあり、期待を裏切らないものでした。またテンポのよく、読みやすかったです。
Posted by ブクログ
いじめの内容が酷くて、明里が壊れてしまった表現がとてもリアル。読む前はミスミソウを想像したけど、ファンタジーだった。
復讐対象の7人を残りこのページ数でどう倒すつもり?と不安になるも、超能力でサクサク復讐を遂げていく。期待した部分がちょっとあっさり過ぎたかな…
最後はまさかのハッピーエンド?オチは好きです。