あらすじ
乱歩賞史上最強のダークヒーローが帰ってきた!
驚異的な知能を持ちながら「心」のない男と、警察庁の華麗なるエリート警視が頭脳対決!
警視庁で開発中の異常犯罪データベースによって遠く離れた場所で相次いだ3件の殺人事件にはすべて拷問の痕があると判明し、続いて愛宕市でも氷室財閥当主が犠牲者に。異常犯罪のエキスパートとして現地に急行した警察庁の若き女性警視・鵜飼縣は茶屋警部を従えて捜査にあたる。一方、同市の鞍掛署は秘かに謎の老人の行方を追っていたが、発見した途端に鈴木一郎=脳男が現れて妨害する。鞍掛署にはまた署をあげての交通事故隠蔽疑惑があり、真相を探ろうとした茶屋のかつての部下が殺される……。
鍵を握る「ブックキーパー」とは何者か? 残虐な連続殺人事件の真相とは? そして神出鬼没の脳男=鈴木一郎が戻ってきた理由とは?
乱歩賞受賞最大の問題作「脳男」シリーズがさらにパワーアップして登場。総勢60名以上の人物を見事に描き分け、テンポよく切り替わる場面に目が離せない、エンタメの王道を行く超弩級サスペンス巨編。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いやいやいやいやいや、ずっとずっと良かったよ!
納得の上下巻!って感じw
タイトルの「ブックキーパー」が出てきた時には震えたし、鈴木一郎が鈴木一郎である意味が深くて感動した。
物語としては、縣がメインになることでとても読みやすい一方、どうしても「鈴木一郎」っていう絶対的な存在があるから、脆い危うい不備不足の否めない人間臭さが際立つというか、そこが鷲尾先生とも重なって、何とも言い難い。
茶屋や古代=男が強くて、女が弱いみたいな、古いしきたりみたいな押し付けはちょっと嫌だなーとは思うけども、、、
そして何より、この先まだまだ続きまっせー、縣も出まっせー!な感じは、ますます嫌だなーとは思いましたw
このあと「アガタ」を読むので、そこでどうなってるかだよなー。
Posted by ブクログ
首藤瓜於『ブックキーバー 脳男 下』講談社文庫。
『脳男』の13年ぶりの続編。
何というストーリーだ。上巻でばら撒かれた数々の謎ばかりか、『脳男』シリーズの全ての謎が、この下巻で全て一つにまとまり、驚愕の結末に帰結するのだ。これは見事と言うしかない。
一連の拷問殺人事件の犯人、愛宕市の財閥の氷室家と愛宕市で代々続く謎に満ちた権力を持つ能判官家の秘密、そして『脳男』こと鈴木一郎の全てが一つに繋がり、鈴木一郎の真の目的も明らかになる。これだけ捻くれた謎に包まれたストーリーで、最後に腑に落ちることは珍しい。
鵜飼縣警視は茶屋警部と共に一連の拷問殺人事件を捜査すると、何層にも積み重なった事件の謎と鞍掛署の腐敗の構造、恐るべき犯人の姿が見えて来る。
そして、ついにタイトルの『ブックキーパー』の正体が明らかになる。亡くなった愛宕市に代々続く旧家の能判官家に過去から脈々と受継がれて来た文書を管理する人物が『ブックキーパー』であり、頭師倫太郎という名の老人だった。
何故か頭師倫太郎の傍らには鈴木一郎の影が……
鈴木一郎が一連の拷問殺人事件の犯人の行動を阻止するかのような行動を取るのは何故なのか……
定価924円
★★★★★
Posted by ブクログ
脳男シリーズ
警察庁の監査官、個性的な20歳そこそこにしか見えない鵜飼縣。背が高く奇天烈な服装で切れ者。
茶屋に唯一ため口を吐き、気の合ったコンビを見せる。愛宕市の謎の権力者たちの謎と連続殺人事件。
逃亡した鈴木一郎は何の目的で動いているのか?
交差する事件の謎が紐解かれると本のタイトルに痺れることになる。