あらすじ
「別れ」は止められないけれど、止まった「想い」は動かせる。
閉園をむかえる遊園地を訪れた人々。
彼らの「さよなら」が繋がったとき、心に染みる奇跡が起こる!
閉園が決まった遊園地・星が丘ハイランドパークの最後の一日。訪れるのは、淡い思いを秘める中学生に、離れて暮らす息子と遊びにきた父親、認知症の妻をかかえた老人と、ワケありな人ばかり。営業終了時間が迫る中、なんの縁もない彼らの人生が交錯するとき、小さな奇跡が巻き起こる! 心温まる傑作群像劇。(単行本『廃園日和』を改題。)
~~~ ようこそ、星が丘ハイランドへ! ~~~
ジェットコースター
少年は淡い思いを胸に、苦手なコースターへ。
ゴーカート
久しぶりに会った息子は大人びていて――。
コーヒーカップ
遠距離恋愛の彼氏は、アタシのことをどう思ってる?
ヒーローショー
20年ぶりに1日限定で出演するはめになったけど……。
メリーゴーランド
認知症の妻は、この光景を覚えていてくれるのか。
観覧車
家族のいる人との恋。このままでいいわけない――。
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Posted by ブクログ
30年前に開園した「星が丘ハイランドパーク」という遊園地の閉園前の最後の一日。
男女2人ずつの4人で来た中学生のグループ。
久しぶりに息子くんに会った離婚した父親。
遠距離恋愛中のカップル。
以前、星が丘ハイランドパークのヒーローショーに出演していた元俳優。
星が丘ハイランドパークが開園した日に遊びに来ていた老夫婦。
不倫を続けていたカップル。
の短編とその間に星が丘ハイランドパークのスタッフのエピソードを挟んで、ストーリーは進んでいきます。そしてエピローグでつながっていく。
大きな波乱もトリックもどんでん返しもなく、ストーリーは淡々としていました。ただ、これとこれがつながるのか!というのがあってそれはまあまあビックリでした。
真由美に告白してフラれたイソタニは、自分のこと、カッコ悪いって言っていたけどそんなことはないな、と思いました。むしろカッコいい。イソタニと真由美はこの話のあと、どうなるんだろうと気になりました。
佳絵とシーナは幸せそうだなぁ、と思います。30年後にこの日のことを思い出せたら良いなぁ。
不死身なイメージがあったマギーさんがそうなるって誰も思っていなかったんだろうなぁ。
スタッフのモモハルくんと熊ケ根さん、理絵と白沢さんのこの後の展開も気になりました。
いつもそこにあって、いつまでもそこにあるモノは、いつまでもそこにあるって考えがちですが、そうではないですね。それは私たちのリアルの人生と同じだなぁ。
今、自分の周りにいる人や場所、ものなど、ずっとあると思っていても願っても、思い通り、願い通りにいかない。だから今を大切にしないといけないなぁ、と思いました。
「閉園」の日の話なので、基本的になんとなく切なく悲しくさみしい話。特に老夫婦の話は切なかった。でも、バッドエンドではなかった。
しんみりした感じでもなかったし、ほんのりとした温かさがあるエンディング、良かったです。
個人的に、イソタニとマギーさん・ジョニーさん、シーナ、清掃の高瀬さんのキャラが良かった。