【感想・ネタバレ】血も涙もある(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

不倫? 倫理が何かは自分で決める――。35歳の和泉桃子は当代随一の料理研究家・沢口喜久江の助手を務めつつ、彼女の夫・太郎と付き合っている。「人の夫を寝盗ること」を趣味とする桃子だったが、喜久江を心から尊敬してもいる。一方の喜久江は、太郎の女癖を受け流すのが常だったが……。“lover”と“wife”と“husband”三者の視点で語られる「危険な関係」の行方は。極上の詠美文学!(解説・平松洋子)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「私のことだま漂流記」を読んで、
これまで読んだことのなかった山田詠美作品を読みたくなった。

個人的には表紙が好き。タイトルも。
料理と恋愛(不倫?)という、似てないようで似ているところがある。上手いなぁ。
不倫に興味はないし、否定派だけど、
3人とも応援したくなる。
みんなそれぞれの本音があるよね。当人にしかわからない。幸せになってほしいと思いながら読む。

月が綺麗ですね。なんて、ベタだけど、好き。
似合ってる。

他の作品も読みたくなった。

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2023年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

料理研究家の妻とイラストレーターの夫、夫の不倫相手は妻の有能な助手。設定だけ見るとドロドロの三角関係を想像してしまうが、1人の男を取り合う妻と愛人の話では決してない。

桃子は、不倫相手の妻である喜久江を敬愛してやまないし、喜久江も桃子の有能さを認めている。夫とのことを知って心は揺れるが信頼関係は揺るがない。桃子も罪悪感に苛まれる様子はない。

不倫ものでありながら終始軽妙洒脱だし、3人が交互に語る構成は、山田詠美が声色を変えながらしゃべってるように感じるくらい、作者が全面に出ていて、そこも楽しかった。

そして最終的には二人に去られた夫、沢口が実は自分は弱虫なんだと嘆く情けなさ。逆に喜久江には陰ながらずっと彼女を慕っていた男性がいたのだった。

今どきの恋愛小説は、性的マイノリティーとか含めてもはや何でもあり、複雑多様でめまいがしそう。男女の不倫なんて、テーマとしてはありきたりな感があったりもする。でも、この小説は、圧倒的に女性たちが優位であり、勝ち組であるところがとても今っぽいと感じた。

0
2024年02月11日

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