感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
介護の入り口の現実。
身につまされすぎてどの登場人物にも共感と同情と批判と許容とがないまぜになったなんとも言えない感情がわく。
さて、自分が親に対してどうするのか。どうしたいのか。自分はどうされたいのか。向き合わずに歳をとるのはもう逃げでしかない。
Posted by ブクログ
そんなご無体な~、って言いたくなる、家族のリアルを描いた連作短編。ある家族を、いろんな血縁・姻戚関係の人たちから描いている。一人だけ旅で行き合わせただけの他人目線からも。親が老いて、ちょっと痴呆も始まって、娘たちが世話をしなきゃいけなくなる。娘たちにもいろいろな事情がある。長女は親とは縁を切りたいくらい。次女は姉を見返す?気持ちもあって、親の面倒を見ようと心を決めるが、うまくはいかない。それぞれの夫の実家にも、いろんな事情がある。痴呆が始まった老母の妹の家族も、バラバラになって、娘からは「縁を切る!」と宣言される。
みんないつかは老いるということと、家族に支えられて見守られて老いたいと思うのか、子どもたちに迷惑をかけず、一人で最期を迎えようと思うのか、老いていくとき家族(配偶者)がいることはありがたいことなのか、面倒なことなのか、というような話です。
それにしても、もうちょっと救いがあってもいいのにな、親子なんてこんなものですか?と悲しくなるような展開でした。中心となっている老夫婦の絆は強いけど、強いがゆえの辛さもあるし。結局は最期は一人、ということなんだろうか。娘たちの夫婦も、夫とは理解し合えないようだし。
文庫の帯にも、解説にも、桜木紫乃さんの文章表現が素晴らしいと書いてあったけど、私はちょっとくどすぎて、読みづらいなと思いました。心理描写が細かすぎて、ちょっとわざとらしいような気がしてしまいました。読みなれてないからかな。
Posted by ブクログ
罪悪感なく家族を捨てられる、という日常で吐くことのできないリアルな感情が綴られていた。帯で村山由佳さんが「どうやったらこんな一行が書けるんだろう」とあったが、本当にそう感じさせる表現力で何度も目に留まる文章があった。自分の家族が置かれている状況次第で、何度読んでも受け止め方が変わりそうな物語。結論は出ていなくても物語が少しずつ時系列も進んでいるのがわかる。