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Posted by ブクログ
推しにまつわることには頑張ることができるし、ブログには文才があり、決してただ頭の悪い子ではないんだろうなと思う。
自分の子が、生活全てを推しに捧げてしまったらと考えると、どうしようもない気持ちになる。
推しがいなくなった後、彼女は日常に戻れるのか。
「推しのいない人生は余生だった。」
という言葉が心に残った。
引退発表後、「推しがいなくなる衝撃を、受け取り損ねている」とあった。
衝撃的なことがあっても、自分の感情で受け止める前にSNS等で人のコメントを読むうちに、自分の最初の気持ちがわからなくなること、すごく鮮明に印象に残った。
アイドルも、おたくも必読な本
推しが存在したことも燃えたこともある身からすると、主人公の思いも行動もリアルで心抉れました。 推し活とは推しに自分を重ね託すことで、どうしようもない自分の生活が救われ、承認欲求が満たされる行為です。誰かのために生きるという観点からすると、子供や親や恋人のために仕事・生活を頑張ることと同義です。主人公の行き過ぎた推しへの想いや熱度を私は愛しいと感じました。
そして、自分の全てをかけ生きる糧としたファンがいたことが上野真幸にも伝わっていればいいとも思ってしまいました。
誰かを推したこと、推されたことがある全ての人に読んでほしい作品です。
生きていく意味を失ったあかりが次の生きる糧を見つけられることを願わずにはいられないです。
Posted by ブクログ
現代の「推し文化」をテーマにした作品。
裏テーマには、発達障害を抱える人の生きづらさがある。
ラストシーン、推しのいるマンションへ向かうときの、推しのメンバーカラーである青色の使い方が素晴らしかった。電車の座席や青空の鮮明な「青さ」が、推しに近づくにつれて、褪せた「青さ」に変わっていく。そして、マンションに着き、推しの「不在」を実感する。
また、推すことを「業」であると認識する主人公は、「自業自得」という言葉に対し、自分の骨は拾えないと感じる。しかし、物語の終わりは、散らばった綿棒を、お骨の若く拾う中、生きることの実感を得る。自業自得によって、生きることができる瞬間だった。
人は、一人で生まれて一人で生きていけずに、それでも一人で生きていくのかもしれない。
Posted by ブクログ
ふと気づくと自分の生活が崩壊している、腰が重くて何も始められない主人公。ただひとつ、推しのために徹底的に解釈しようとするが…
読みやすく、主人公にできることとできないことの表現が印象的だった。
Posted by ブクログ
主人公が推しのアイドルを理解しようと固執する一方で、現実に対しては疎外感を抱いている。そうさせたのは、何らかの病気を患っていることではなく、その病気や主人公自体を理解しようとしない家族や社会に発端があるように思う。目眩ましから目を離し、自身の骨や肉に目を向けたとき、自身の生を実感することでその後の人生にあかりが灯ったのかもしれない。