【感想・ネタバレ】ラバウル戦線異状なし 現地司令長官の回想のレビュー

あらすじ

ガダルカナル撤退後、最前線基地の防備と航空戦の継続という使命を負った草鹿は、補給が途絶えても破損機を修理して航空戦を展開、食料と生活必需品、さらには火薬や魚雷までを自力で生産する。また敬愛する山本長官の戦死、陸軍との友好関係が描かれる。巧みな人材登用によって終戦までを自給自足で戦い抜いたサバイバル戦記。

以下目次
1 まえがき(戦況のあらまし)
2 明朗豁達一意邁進
3 陸海軍の協同戦線
4 火山研究所と科学者の良心
5 嗚呼山本元帥
6 南東方面艦隊の歌
7 武功抜群
8 漂流記
9 気象観測
10 民政部の人々
11 洞窟生活(陣地構築)
12 施設作業の苦労
13 いかもの食い
14 現地自活
15 兵器類の製造
16 教育訓練の問題
17 医務衛生のはなし
18 珍客待てども来らず
19 輸送潜水艦の労苦
20 鼠輸送、蟻輸送
21 ラバウル海軍航空隊
22 終戦の憾み

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Posted by ブクログ

ラバウルの艦隊司令長官として、終戦まで現地で指揮を執った草鹿中将の回想録。ラバウルといえば航空隊が有名なので、第一航空艦隊の航空参謀だった草鹿龍之介と混同していたが、草鹿任一は砲術が専門らしい。
ラバウルは、航空部隊が引き上げた後も米軍は攻撃を加えるものの上陸・占領することなく放置され、物資や人員の補給がない中で自給体制に入って終戦に至ったが、その中で、食料生産、紙や布の生産、更には残骸となった航空機からゼロ戦や艦攻を作るなど創意工夫に富んだ活動をした。味噌まで作ったというから驚きだ。著者の回想も、戦闘と生産活動が半々くらいで語られている。補給がないため苦労も多く、戦病死も多かったようだが、それでも多数の軍人・軍属が終戦まで生き延びたことは、部隊の自活力の現れであろう。

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2021年12月02日

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