【感想・ネタバレ】Build a chairのレビュー

あらすじ

期待の新星が放つ、鮮烈の初短編集!!

<お砂糖とスパイス、それと素敵な何か>
そうじゃない女の子は、どこに行ったらいいの?

少女誌で恋愛以外のマンガを描きたい、漫画家のアイ。
しかし「恋愛以外が読みたい子は、少年漫画を読む」と編集者に受け入れて貰えない。

そんなアイの理解者である姉は、アイとは正反対の恋愛体質。
お互いを尊重しつつも、恋愛が生活の中心の姉といると「女の子の椅子」に座れない自分が、浮き彫りになっていきーー…。

私の椅子<居場所>は私は作る。
「女の子はもっといろんなもので出来てるはずだから」

新鋭・加藤羽入による“生きづらさ”にそっと寄り添う珠玉の物語たち。


<収録作品>
チョコレートはもう奪わせない
この電車に乗って
ビルド・ア・チェア
マイルストーン・ガール
ルイちゃんの目

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自分の居場所=「椅子」がないと感じたことはありますか?

本作は、周囲の事情も理解できるからこそ悩む、現代女性たちの短編集です。
セクハラで大好きなチョコレートを食べられなくなった販売員、
少女コミック誌でバトル作品を描きたいのに、恋愛ものを求められる漫画家、
「ご自愛」のやり方を忘れた、鬱で休職中のOLなどなど……

ページをめくるほど、「つらいよなあ」という彼女たちへの同情が、「分かるなあ」の共感に変わっていきました。
登場人物の誰もが、物分かりの良い大人になろうと自分の悩みを抱え込んで、何とかしようともがく姿に自分が重なりました。
上手くいかない、あの人も正しい、仕方がないのも分かってる。
それでも、誰もが、自分の居場所=「椅子」を作ることができると、
強く優しく励ましてくれる物語です。

ちょっと自信がない日のおともに、ぜひご覧ください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

性をどちらかに分けられるだけで、好きなものや性格を同じものだと思われるのはごめんだ。
女の子だからピンクが好き、男の子だから青が好き。
当たり前って、普通ってなんなの?
いろんな人と会話すると、悪気がなくても固定概念が染みついている人がたくさんいて、悪気がないからこそ受け止める側が静かに傷ついていくことが多いと最近つくづく感じる。
声を上げることが最適の手段ではないし、その人に合った闘い方をすればいい。疲れたら休めばいいし。
もう枠にはめる時代は終わりにしようよ。
性別ではなくて、ひとりの人間としてその人と向き合おうよ。
漫画に出てくるのは女性ばかりだけど、女性だけに見てほしい漫画ではまったくない。
生きづらさを感じている人に届いてほしい1冊でした。

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2024年03月19日

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