【感想・ネタバレ】8つの完璧な殺人のレビュー

あらすじ

雪嵐の日、ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは10年ほど前、もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な殺人が登場する犯罪小説8作を選んで、ブログにリストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』、アイルズ『殺意』……。捜査官によると、そのリストの“完璧な殺人”の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人は彼のリストに従って殺しているのか? 著者のミステリーへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちた傑作長編!/解説=千街晶之

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Posted by ブクログ

ネタバレ


 タイトルに惹かれて読んだこの本は、私にとって、文句なしに面白かった!
陰気な北欧ミステリ、犯人が最初からわかっているサイコパス野郎系を好んで読む私だが、この本は終盤まで誰が犯人なのかわからない。

 31章で罪の告白を始める主人公わたしが、真実を語ったのか、全てを語り尽くしたのか、、、解説でこのことを「語り落とし」と説明している。まさしく、それだ!
最後の32章の手記で真実が明かされるが「何が現実で何が夢なのかわからない夜が幾夜もあった。」というほど、わたし自身がすでに自分さえも信じられないのだ。

 この本はミステリ作家へのオマージュである。登場する9冊の本をすでに読んでいるミステリマニアに向けて書かれている。恥ずかしいことに、どの一冊も読んだことのない私であるが、それでも充分に楽しめた。9冊全部を読んだ後でこの本を読めば、さらに面白さは✖️9になったことだろう。

 本書に出てきた「くまのプーさん」のA.A.ミルンが唯一書いたミステリ「赤い館の秘密」は、是非、読んでみたい。

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2024年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

様々な作品のオマージュをふんだんに盛り込んだ作品。
登場人物が多いので、忘れないうちに一気に読みました。
犯人は誰か、という視点のみだと容疑者候補がどんどん減っていくので分かりやすいかも。
ただ、展開が早く文章によるミステリの良さが存分に味わえる作品なのでミステリファンは楽しめるのでは。

作中には色々なミステリのネタバレが含まれてしまうので、作中で肝となるクリスティの『ABC殺人事件』『アクロイド殺害事件』は読んだ上で本作を読むとより楽しめるのではないかなと思います。

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2024年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クリスティとハイスミスの融合。設定が米東海岸北部の冬ということもあってか全体の雰囲気が暗く湿っている。その割につっかえなく読み切りのは筋が面白いからであろうと。最後にマルとマーティが同人格というオチかとも予期したが、そこまでアクロバチックではなかった。

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2025年07月08日

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ネタバレ

最後の章で、1ページだけ残しておいた妻の日記の内容がわかるところ、エターナルサンシャインみたいだと思った。文章中にタイトルも出てきたし意識してると思う。

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2024年07月20日

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ネタバレ

欧米のミニシリーズドラマみたいなカメラワークで寒々とした情景を思い浮かべつつ読み進めた。真実を小出しにしていくところが作者らしくて、読み慣れた読者としては、おっ、きたきた!という感じ。ピーター・スワンソンのミステリ愛、本を愛する気持ちが溢れまくった作品。クリスティを除けばぶっちゃけ読んでないのばかり出てきたけれど、十分楽しめた。印象的な女性の描き方は過去作にも通じるところがあった。
語り手である主人公に自身を投影しているのか、等身大感が伝わってきた。そしてまんまと読書欲をかき立てられ、リストの邦訳作品をチェックし始めている。

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2024年06月22日

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ネタバレ

ピーター・スワンソンと言えば前に「アリスが語らないことには」を読んだが、あまり私の好みではなかった。なので今回どうかな?と思いつつ読んだが、これは面白かった!読む前に目次に目がいくが、最後に「アクロイド殺し」と書いてあったので、あーこれは所謂、信頼できない語り手なんだなと注意深く用心。でも中盤で語り手が真実を告白し(後で全てを告白したわけではないと分かったが)、どのように話が着地するのか全く予期出来なかった。結局、語り手は自分自身さえも信用できない、ギリギリの心理状態だった故に、読むこちら側も最後まで惑わされてしまった。実際、身近に実行犯が”本当に”いたなんて思いもしなかった。語り手の主人公はろくでもなかったが、嫌いではなかったので、あの終わり方はなかなか良かった。

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2024年05月11日

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ネタバレ

⭐️3.4
作家が好みでないと言いながらも読む。
名作ミステリーへのオマージュが楽しく、ミランダ〜よりこっちの方が好きかも。
信頼できない語り手ってやつですね。
犯人自体は途中からわかっちゃったけど、それでも手に汗握るラストまで楽しめました。

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2025年11月08日

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ネタバレ

このミス経由で手に取った

古典ミステリをなぞった8つの短編集かと思いきや長編だったのだが、読み始めてすぐにアクロイドが察せられた

作品タイトルと共にネタバレ注意とは書かれているが、やはり未読の方は有名どころは先に読んだ方が良いと思う

特にクリスティの2作品はこの本を読むより貴重な読書体験が得られる、はず

5/8を読んでいる自分は、残り50%のフーダニットは楽しめたが、やや強引なストーリー展開のために8つのネタバレは釣り合わないので星3

著者のミステリ愛はよーく分かるが、オマージュというには敬意が感じられないかなあ

交換殺人を計画しておいて猫を持ち帰るかねw

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2025年05月30日

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ネタバレ

最初主人公は巻き込まれただけなのかとおもったけど、読み進めていくと…しれっと死に追いやってた。
“チャーリー"の正体は意外だったけど、そっちの方がまだ人間らしいと思っちゃった。

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2024年08月12日

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ネタバレ

元刑事が交換殺人を引き受け、そのことがきっかけになり、連続殺人事件を起こしてしまうという設定が腑に落ちるかどうか…。
過去の8つの作品たちと、作中の殺人との接点や関連も残念ながら、いまひとつ読みとれなかった。

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2024年07月30日

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ネタバレ

・あらすじ
ミステリー専門書店の店長マルコムのもとにFBI捜査官のグウェンが訪れる。マルコムが以前ブログに書いた「8つの完璧な殺人」というリスト中の作品に相似した殺人事件が起こっており、また被害者の中にマルコムの知人もいた…。

・感想
8つの作品の中に有名なクリスティ作品もあったので語り手が信用できない事、その先の展開はすぐ把握。
クリスティ2作以外は未読なので、全部知ってたらより楽しめるんだろうと思う。
マルコムは別に悪人なわけじゃないっていうか優しくて善良な人なのでラストは切なかった。

もう一捻りくらいあるかと思ったらそんな事もなく肩透かしなとこもあった。
とある登場人物は絶対に職業偽ってると思ってたんだけどなー…

読みやすいし先の展開も気になるからスイスイ読んでしまった。

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2024年03月02日

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ネタバレ

まるで自分が追われているみたいに、ハラハラしながら読んだ。(え、そんなことまで今話しちゃって大丈夫なの⁈のような笑)

それにしても交換殺人は、後から殺す方が不利…ですよね?(いくらアリバイがあるといっても、自分が恨みを持つ人が殺されて、警察から疑われている中、殺人を決行するのは至難の業では…なんて思ってしまう)

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2024年02月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

このミスのランキングをみて気になり、年末年始またいで読みました。過去の名作をふんだんにオマージュということで期待大。

語り手が信用できないことはかなり序盤で明かされるので、最終的には自殺か逮捕されてしまうのかな、と経過を見守るような気持ちで読み進めていたからか、残念ながらあまりハマらず終わってしまいました。

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2024年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

回想録とあるように、一人称の叙述で、「信頼できない語り手」を想起させる。

引き算していけば、犯人の見当はついてしまうのだが、その人についてはほとんど語られていないので、ちょっともやもやする。
主人公も共感できるキャラではないし…

ただ、ミステリ好きとしては、作中に名前が挙げられている作品にはやはり興味を引かれてしまう。

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2023年11月24日

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