あらすじ
【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
夕焼けは喜びも悲しみも包み込む。
だんだんと沈みゆく太陽を背景に、ジャングルジムで遊ぶ男の子、悔しくて石を蹴る女の子、買い物帰りの親子などが描き出されます。それぞれのシーンのいろいろな感情を、夕焼けがやさしく包み込み、誰にでも静かな夜がやってきます。
※この作品はカラーです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
独特な絵のタッチで今までの自分なら買わないが、表現されている夕焼けの色が好きなのと、自分が幼い頃から見てきたいろいろな夕焼けを思い出させてくれる一冊であると思う。
そして作中詩にも注目してほしい!
ザ、キャビンカンパニーの他の絵本が気になる。
Posted by ブクログ
ゆうやけって、なんだかせつない。
そんなふうに私は感じていた。
どうやらこの本の作者も、そのように感じているらしいのが伝わってくる。
そしてこの本を読み終わった後、始まるのが私の仕事。
夜空をみなさまにご案内させて頂く、天文台だ。
Posted by ブクログ
親友いわく「いつもとは一味違うキャビンカンパニー」
夕やけの色は一日一日全て違って、その中の一人一人の暮らしも気持ちも同じものは無くて
だけどどのページにも、いた事がある
そんな絵本
Posted by ブクログ
ミレーの『晩鐘』のシーンがあったり、
ゴッホの『種をまく人』が飾られていたり、
作中で読んでいる本の中に詩が書かれていたりと、
教養のある大人の絵本。
迫力のある色彩で描かれる夕焼けが、本物の夕焼けのような力強さで迫ってくる。
そうしてやってくる夜で終わるのもよい。
絵本全体が詩のよう。
Posted by ブクログ
またお気に入りの絵本に出会えた。
どの見開きも目を釘付けにするような、美しい絵画のよう。
厳選された言葉たちが胸を打つ。
文が絵に優しく寄り添っている。
夕焼けに包みこまれてとけていく。
そして明日につながる。
繰り返し読んだが、毎日お気に入りのページがかわる、魅力的な絵本。
コルベットさん、たださんのお勧め本です。
もちろん私もお勧めです。
Posted by ブクログ
たださんのオススメで
手にした素敵な一冊♪
夕焼けって大好きです。
カナカナとヒグラシの
鳴き声が響いてきたら
もう完璧♡
なんて風情も何もない
言い方でごめんなさい。
子どもたちの笑い声や
汗、
ふくれっ面や涙さえも、
みんな夕焼けの魔法に
溶けていく。
大人になるとなんだか
夕焼けが切なく感じる
のは、
子どものときに楽しい
一日が終わってしまう
象徴だったからかしら。
真っ赤な夕焼けに照ら
されて、
もうおうちに帰らなく
ちゃって、
後ろ髪ひかれる思いで
友だちとバイバイした
ことを覚えていますか。
たださんのレビューを
ガイドに鑑賞すること
をオススメします♪
Posted by ブクログ
いろんな季節のゆうやけをいろんなシチュエーションで切り取った絵本。おもえば、最近、ゆうやけを見たことがないような、見ているのかもしれませんが覚えていなく(大人になるにつれ心に余裕がなくなるのか)、でもこの絵本を読んで、子供の頃見た景色を思い出しました。田んぼの真ん中で、海辺で、修学旅行で、等々。 確かに、赤色、黄色、オレンジ、季節によりいろんな色があったような。そしてゆるやかに夜の狭間にとけてゆく。見るだけで、郷愁をさそう絵本でした。
Posted by ブクログ
夕焼けを見ていると、時に言葉にならない切なさを感じさせることがあるが、それは、その時の状況であったり、その人自身が抱く気持ちによって、全く見え方が異なってくるということにも関連性があるのではないかということを、全ての見開きに於いて、一つとして同じ色合いの無い夕焼けの絵からも感じ取れて、改めて夕焼けだけが持つであろう、切なくも温かい不思議な魅力を実感することができた。
ザ・キャビンカンパニーの絵は、そのレトロな雰囲気にさり気なくアート性を盛り込んだ独自性がありながら、いちばんの魅力は、たくさんの色達をどこまでも細かく散りばめてある点だと感じ、それは夕焼けの魅力を更に引き立たせる雲に描き込まれた幾重もの線であったり、プールに反射する暖色と寒色の複雑なコントラストが切なさを醸し出していたりと、他にも惜しみなく様々な色を使って表現することによって、その一つ一つの場面が如何にかけがえのない素晴らしい風景であるかを物語っているようであった。
そして更に、それらの素晴らしい風景に添えられた詩的な文章が、それぞれの場面をより情緒的なものにしてくれることに、まるで自分の五感を通して、そこで感じられたことがありありと伝わってくるような一体感は、まさに本書の大きなサイズで見開き一面に描かれた絵と、文章との相互作用でもたらされる絵本ならではの力で漲っており、本書が第29回日本絵本賞大賞受賞作というのも肯けるものがあった。
『かぜが ふき、
すべての ものを きんいろに そめていく』
この場面のどこまでも広がる稲穂の風景にいる男女は、後の見開きの看板に書かれた『晩鐘』の文字から、ミレーの絵画を基にしていることが分かり、空にはまだ青さが幾分残りながらも、山に重ねられた微かな線と稲穂が傾いていることから風の存在が分かる。
『くうきが ひんやりと なって、
においが かわっていく』
上記したプールの場面で、おそらく部活動だと思われる中を淡く照らし出す夕陽には、そろそろ帰りの時刻を告げるような哀愁と切なさが宿っているのが、学生たちの青春の一場面とよく合っていて、そうした感慨を文章も見事に補っている。
『すいー すいー かや かや かや かや
ゆうやけは どんなこの ところにも やってくる』
空の青みは目立っても、虫の鳴き声の変化や入道雲を染める色合いにその前兆を感じさせる、夕焼けの訪れを待ち望むように、うつ伏せで本を読みながらもそれを見上げる少女が印象的で、その畳敷きの和室にある昔風の扇風機や障子の存在に懐かしさを覚えつつ、Nintendo Switchもあることには、今も昔もこうした美しいものを見ることのできる喜びを感じられて、ちなみに少女が読んでいるのは吉野弘の『熟れる一日』で、その横に水瓜もありながら素敵な詩も読むことができることで、より味わい深い風景となる。
『ひとりぼっちの あのこが コツーンと こいしを けった。
ふくれっつらが ゆうやけに とけていく』
背中からの描写なので、少女の表情は分からないものの、その気持ちを代弁するかのような表情を仄かに見せる夕陽のみならず、『ひとりぼっちの』『ふくれっつら』という言葉や、周りの塀や地面に描かれた複数の入り乱れた色合いが、少女自身の複雑な思いを表しているようであるのが切ないが、それをそっと見守っているのが夕陽なのだと思うと、明日への希望も感じられるようで印象深い。
『ゆうひどりが ないている。
とおくで でんしゃが はしっている』
一本の大きな木の横を走り抜ける、犬を散歩している男性の他には、電車と空を飛ぶ鳥たちしかいないが、これまでにない大きさで描かれた夕陽の後光が差し込むような姿には、そのピンク色をメインに描かれた独特な空模様も合わさって、とても神秘的に感じられる。
『かあん かあん ひちちちちちち
ゆうやけは やさしい おとが する』
夕焼けの淡い色合いが、よりたくさんの木々や鳥たちの存在を印象付かせることで、まさに花鳥風月の趣ある、そんな素晴らしさを夕焼けが更に増してくれたことに応えるかのような、夕暮れだけに聞こえてくる音たちの清らかな響きの素晴らしさも教えてくれる。
『すりきずを おさえながら あのこが おふろに はいる。
こぼれた なみだが ゆうやけに とけていく』
昭和のレトロさを思わせる十字型の模様の入ったガラスも印象的な中、女の子の目から零れ落ちる涙を、沈みかかった夕陽がそっと掬い取ってくれるような優しさを、夕焼けの色合いやアヒルの玩具も含めて、絵の端々から感じ取ることができた。
そして、最後の定点から描かれた連続した絵の息を呑む美しさには、様々な人達の様々な思いがどれだけ夕焼けに溶け込んでも等しく訪れる、ささやかな安らぎの時間の存在があり、たとえそこに至るまでに色々と思い描くものはあったのだとしても、そこで気持ちを新たにして、また明日へと臨んでいく、そうした毎日の生活に於いて、ごく僅かな時間でありながら様々な思いを抱かせてくれる夕焼けの存在というのは、私たちの人生の中でもどこか特別な一面を持っているのではないかと感じられながら、それがほぼ日常的に訪れるものであることに、改めて感謝の気持ちを抱き、これからも見ることのできる幸せを噛み締めたいと思う。
ネットで見つけた、ザ・キャビンカンパニーのインタビュー記事によると、本書(2023年)の構想はコロナ禍の2020年頃であり、当時のピリピリした状況では元気さが辛いこともあって、『もっと静かに寄り添う絵本』を目指されたことと、『人間界は大騒ぎだったけれど、自然界はいつもと同じ』だったことが心に残り、そのあまりに日常的過ぎて蔑ろにしがちなものが常に在ることの大切さを改めて教えてくれたように、私には感じられた。
また、『晩鐘』は調べて分かったものの、もう一つ分からなかった看板の言葉『けろりかん』について、上記の記事で判明し、それは金子みすゞの詩『石ころ』に登場する言葉で、『田舎のみちの石ころは赤い夕日にけろりかん』と、夕焼けに纏わる素晴らしい詩という点では、吉野弘の『熟れる一日』も同様であった。
Posted by ブクログ
色合いがとても素敵。テキストがまた絵と詩的でとても合っているな、と思っていたら吉野弘さんの「熟れる一日」なのですね。一日の終りに開いたら、心穏やかに夜を迎えられそうです。手元において時々眺めたい一冊ですね。
Posted by ブクログ
もう、ザ・キャビンカンパニーは風格がただよっているな。文章もいいし、絵もいい。ダイナミックでありながら、繊細。これからどんな絵本を読ませてくれるのか、楽しみだ。
Posted by ブクログ
この絵本を読んで、
たっぷり時間があった子供の時分
日が落ちるまで、遊んでいたのを思い出す。
大人になると、夕焼けをみているようで、
時間に追われてじっくりみていなかったな。
今日は大晦日。
明日の初日の出を拝むのもいいが、
今日は、ゆっくり夕日を眺めて、
一年の感謝をしたいな。
Posted by ブクログ
夕焼けの情景に寄せて、日常の様々な場面や感情を優しく描き出す絵本。テイストとしては、五味太郎の『そして 犬は走ってゆきます』も少し思い出させる。
ザ・キャビンカンパニーの絵は、今回も生命感と迫力を感じさせて見応えがある。ラスト見開き3ページについては、本文が説明し過ぎになっていないかどうか、家族で議論にもなったけれど、それを鑑みても全体を通して趣深く上質な絵本だった。
Posted by ブクログ
この絵、木の板に描いてあるの、言われないとわからなかっただろうな。
でもそれが、昭和のノスタルジックさをいい感じで表現している。
夕陽に、落書きみたいな表情があるのもいい。
Posted by ブクログ
8歳11ヶ月の娘
5歳11ヶ月の息子に読み聞かせ
ゆうやけって
綺麗だよねえ
マジックアワー好きとしては
興味深い。
この引き込まれる絵も
ほんと素敵
どの場面も美しい
遠くから眺めて
飾っておきたい
Posted by ブクログ
夕焼けの絵が魅力的。夕焼けに映る様々な営み、いろんなことがきっとあっただろうそんな一日の終わりの情景が夕焼けにとけだしていきます。
おやすみなさい。
Posted by ブクログ
くうきがひんやり、というところから秋を感じる。
ゆうやけに とけていくもの。
おもいでだったり こぼれた涙だったり
しゃぼんだまのうたも…。
絵がことばと相まってとても美しい。
表現もきれいだと感じる。
そこここで いきる ひとびとの
きょういちにちの よろこびと かなしみが、
ひとすじの ひかりと なって、
そらに とろとろ とけていく。