【感想・ネタバレ】王道の日本、覇道の中国、火道の米国のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

青山繁晴氏の著を初めて読んだ。
相変わらず、熱い。
関西テレビの「アンカー」で初めて拝見して以来、注目している。
思想信条は私のそれと近いが、私のように読書して形成された主義主張ではなく、現場にふれて形成された信念の持ち主であり行動者である。

さて、タイトルで気になった「火道の米国」という言葉。
2009年時点での氏の造語だが、現状全くその通りだと思う。
アメリカは絶対的窮地においてバラク・オバマという初の黒人大統領を生み、自らを焼いた…かに見えたが、どうやら最近のオバマを見ていると、支持率回復を図るあまり、他者をも巻き込む火道に入ったようである。
輸出倍増戦略の発表やAPECでの発言を見ると、どうも日本は巻き添えで焼かれそうだ。
オバマは一見するとブッシュに比べて国際協調主義のように見えるが、実際は国内世論向けの得点稼ぎになる自国中心外交にシフトしつつある。
TPPしかり、イラク撤退しかり。
他国のこと、国際社会のことを考えているようで、実は自国のことしか興味のないアメリカになってしまった。
戻ってしまった、と言うべきか。
覇権国でいることのコストは想像以上に大きかったのだろう。
兎も角、日本人はアメリカに対する認識を改める必要がある。

さて、氏は「王道の日本」を説く。
アメリカとも中国とも異なる第三極としての日本というと言い過ぎだろうか。
3.11以後、私も少しずつだが「世界」と「日本」に目を向けるようになった。
隣で着々と「覇道」を歩もうとする中国に対して、毅然と対応できる日本国にならなければ。

増訂、加筆して新書にして欲しい一冊である。

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2011年12月16日

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