【感想・ネタバレ】陸軍将校の許嫁 ~お見合いは幽霊退治の後で~のレビュー

あらすじ

薙刀女子と堅物軍人の明治お見合い物語!?

女学校に通う巴は侍より侍らしいと言われる、薙刀好きな変わり者。苦手な音楽の試験で失敗し、落第の危機に直面した巴は、母に命じられて洋琴(ピアノ)の稽古に通うことに。洋琴の長尾先生が住む立派な洋館で四苦八苦しながらの稽古の後、ひとり部屋に残された巴の前に現れたのは、陸軍の軍服を纏った見知らぬ青年将校。長尾先生の親戚だという彼、葛目三郎とともに、なぜかふたりきりでお茶を飲むことになった巴だが、葛目ときたらたいそう無愛想で口数も少ない。しかも、五年前に起きた陸軍兵士と警察官の乱闘事件以来、大阪の陸軍第四師団と大阪府警察本部は犬猿の仲で、巴の父親は警察官なのだ。気まずい時間だと思いながらも、甘いものが苦手らしい葛目の分の饅頭も頬張ってしまう食いしん坊の巴だった…。
そんな頃、巴は女学校で洋館に幽霊が出るという噂を耳にする。しかも長尾家を悪く言う尾鰭も付き、さらには洋館に出入りする巴に関わると祟られるらしい、という話まで広まってしまう。憤慨する巴は噂の出所を探ろうとするが――。
明治の大阪を舞台に繰り広げられる怪しい幽霊騒動。薙刀女子と堅物な青年将校がたどり着く真相とは!?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

結果的に知らないのは巴ちゃんだけだった気が。
何なら読者もタイトルで葛目さんとの関係性知っちゃっているので。

幽霊騒動はさくっと解決して、様々な事件に首を突っ込んでいくタイプかなと思っていたら、がっつり一冊かけての解決だった件。
幽霊騒動が思いのほか大きくなり、その最中で理解し合ったり、喧嘩しちゃったり、それからまた仲を深めたりと、そんな巴と葛目さんのやり取りをハラハラしつつ、ほっこり見守るという。
二人とも明治時代とは思えない革新的な(悪く言ってしまえば変わり者な)性格で相性よかったし。
互いに自分をちゃんと受け入れてくれるんだと思っているところがよかった。
終わりの自転車のシーンや、半分こする約束を覚えていたシーンとか最高でした。
いつまでも見ていられる二人だったなあ。
巴ちゃんが関西弁で台詞のテンポがいいのがまた。
暫く自分も関西弁が抜けなくなるほど影響受けたし。

事件は真相というかからくりというか、どういう狙いだったのかは分かるものの、どう解決するかまでは見せないスタンス。
巴ちゃん視点の話なので。
彼女が知らされなかった部分は、読者側にも分からない仕様。
一から全部説明してくれる話ではないけれども、二人の関係性を見守る話としては、事件をどう収めたかという、ちょっと暗い部分を敢えて見せなかったのは英断だったと思う。
寧ろ見たいのは、婚約した二人のその後だなあ。
本当にいつまでも見ていたい二人だった。

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2023年07月15日

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