あらすじ
後は野となれ山となれ、でいいのか? 日本の未来は原発の後始末なくしてありえない。地球科学的に日本で原発など最初からムリだったのだ。稼動し始めてしまった以上、後始末をつけなければならない、それが不可能であったとしても…
地質学者として原発設計にたずさわった著者だからこそ語れる真実。
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Posted by ブクログ
わたしが購入した本の帯に「能登半島地震は地球から日本人への警告である!」なんて書かれていたので,てっきり,2024年能登半島地震後に出版された本だと思って目次を開いたら,なんのことはない,2023年7月発行だった。第2刷が,2024年2月となっているので,能登半島地震をきっかけとして,読まれた本なのだろう。
186ページの本だが,言っていることは,簡単!
・地震大国日本に原発は危険なのですぐに止めよう。
・高レベル放射能廃棄物は地層処分などするのではなく,地上においてしっかり管理の下で置くしかない。
・日本には,「安定した地盤」などどこにもないし,そもそも,地震のしくみさえも分かっていないのに,活断層だけで地震の規模を予想すること自体,科学的ではない。
というようなことが,何度も繰り返し出てくる。
興味深いのは,土井さんが,原子燃料公社~動力炉・核燃料開発事業団に30年以上も所属していた人だということだ。原子力発での推進のど真ん中にいたからこそ,感じてきた違和感を,今だからこそ,原発廃炉を叫ぶ。
著者は,
本書の趣旨をたたき台として,正しい後始末への道が開かれることを願っている。
と結んでいる。
著者が世界中すべての原発に反対しているのかどうかは分からない。世界には,地震がまったく起きない地域もあるし,先カンブリア紀にできた地層がそのまま保存されている場所もあるそうなので,そういう場所には地層処分もOKだと思っているのかも知れない。
わたしは,世界中の原発を止めて欲しい派である。
もしものことがあったら,取り返しのつかない事故になるのが原発だから。
火力発電所が壊れたところで,テロにやられたところで,被害は知れているしね。