【感想・ネタバレ】怪談の仕掛けのレビュー

あらすじ

近年、怪談会や怪談イベントが人気を集め、怪談の動画コンテンツも盛んに配信されるようになっている。なぜ、今も昔も、恐怖を感じさせる怪談は人を引き付けるのか。そもそも、怪談を怪談たらしめているものは何なのか。

怪談の基本を声の文化として捉え、怖がらせたい語り手と怖がりたい聞き手の関係性のなかで生成する怪異をめぐる話として怪談を位置づける。そして、悲話、笑い話、猥談、落語、童話、ネットロア、予言譚、実話など、様々な話を成立させる仕掛けと怪異的な要素の関係を読み解くことで、怪談のメカニズムを浮き彫りにする。

話し手と聞き手の共犯関係や特定の感情を呼び起こさせる話の型・装置に着目して、「怪談とは何か」「怪談と恐怖の関係とは何か」を明らかにする。

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Posted by ブクログ

口承文芸を専門とする民俗学者による「怪談」関連の論文集。どれも面白かったがネットロア「きさらぎ駅」について述べた「スマホサイズ化される怪談」が特に興味深かい。過去の体験を語る実話怪談と異なりリアルタイムで進行していく点への注目などなるほどなぁと思った。おまけのコラム記事も良い。
他の本も読んでみたいと強く思わせる内容。

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2023年07月20日

Posted by ブクログ

怪談というものの定義と、それから分岐する創作怪談と実話怪談についての考察はとても面白く楽しく読めた。
単純な私は怖い話は、単純に怖い話で怪談であると思っていたが、怪談というものがそもそも語りであり、物語とはまた違う文脈と性質を持つというのはとても興味深く思えた。怪談が時に美談になり、笑い話となるというのも、指摘されてみればなるほどと膝を叩く内容で、そもそもとして語り手と聞き手の関係によって成立するものという根本的な部分が、すぱっと解説されているのも面白いと思えた。
物語と怪談の違いや、神と妖怪の差異といったものの事例としてアマビエが出てくるのも面白い。参考文献に気になるものがいくつかあったので、読んでみたいとも思った。特に、以前読んだはずなのに、ほとんど頭に残っていない『妖怪学新考』はぜひとも読み返したい。どこにしまっちゃったかなーっ捨ててはいないはずなんだけど……

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2024年07月19日

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