【感想・ネタバレ】これまでの仕事 これからの仕事 ~たった1人から現実を変えていくアジャイルという方法のレビュー

あらすじ

なんのためかわからない目標をめざして仕事をする。
「これまでこうしてきたから」で話が終わる。机上の空論だけが続く。
完璧を目指すが、成果につながらない。
「最初に立てた目標どおりであったかどうか」で評価が決まる。
マイクロマネジメントをされるほうもするほうも疲弊する。
チームや部署を越えたコミュニケーションに良くなる兆しがない。
仕事のやり方がアップデートされない。
無関心、他責、面従腹背が日常となってしまっている。

これまでのやり方では何かがおかしい。
では、どうすれば変えていけるか?

「数字だけ」から、「こうありたい」へ。
目先の効率から、本質的な問いへ。
アウトプットから、アウトカムへ。
想定どおりから、未知の可能性へ。
マイクロマネジメントから、自律へ。
縄張りから、越境へ。
1人の知識から、みんなの知識へ
思考停止から、行動へ。

変化の最前線で試行錯誤してきた著者が20年の時を重ねてたどりついた、“新しい正解”の見つけ方をあなたに。

■目次
第1章 「数字だけ」から、「こうありたい」へ
●From
目標が次の何かに活きているか?
「数字しかない」目標になっていないか?
目標の前提に目的はあるか?
本当に目標を達成できているのか?達成したことにしていないか?
目標を予定どおり達成できることに価値があるのか?
考えてもわからないのか?考えていないためにわからないのか?
●To
自分たちの「芯」がどこにあるのか、目の前のことはいったん脇に置いて考えよう
ゴールデン・サークルを用いて自分の意図を自分に気づかせよう
●From→To
FromとToを別々に描こう
目標までに段階をつくって1つ1つ乗り越えていこう

第2章 目先の効率から、本質的な問いへ
●From
机上の議論が容赦なく延々と続く
表層的な理解だけ合わせて、本質的な問いが置き去りにされる
「これまでこうしてきたから」問題(圧倒的な問いの不足)
「効率性ファーストのメンタリティ」問題(正解を出さないといけない)
「失敗が次に活かされない」問題(失敗の本質は同質の失敗を繰り返すこと)
●To
問いを立てるのと同時に、その問いに答えるための「プロセス」を取り入れよう
(1)問いを立てる
(2)問いに答えるための仮説を立てる
(3)仮説を検証するためのプランを立てる
(4)検証を実施する
(5)結果を確認し、理解を得る
●From→To
個別の活動に焦点を当てつつ、全体として成り立っているかに目を向けよう
全体のプランを時間軸を伴う形で可視化しよう

第3章 想定どおりから、未知の可能性へ
●From
評価の基準は「最初に立てた目標どおりであったかどうか」
「正解」からズレないことを基準に置いてきた組織が周囲からズレてしまっている
●To
「適応の時間」を明確に取るようにしよう
ふりかえりをしよう
むきなおりをしよう
領域を越境していこう
●From→To
探索と適応のバックログを作ろう

第4章 アウトプットから、アウトカムへ
●From
「品質が王様」という価値観
品質を高めるために、何度も幅広く検査する
アウトプット自体が決められなければ3つのムダが生じる可能性がある
問うべきは「アウトカム(成果)が得られるかどうか」
●To
早く試せるよう、価値があると思われる部分を真っ先に実現しよう
理解を正すまでの時間を短くしよう
●From→To
目的が完成品としてのアウトプットなのか、アウトカムまで狙うのかを問おう
振り子のようにアウトプットや品質の考え方を動かしていこう

第5章 マイクロマネジメントから、自律へ
●From
マイクロマネジメントでは、計画の詳細さと呼応するように、細やかな報告が求められる
「予実のズレをなくすことが成果につながる」という世界観がマイクロマネジメントを生む
●To
唯一の正解がないなら、多様性を許容して「当たり」を引く可能性を高めよう
順序と時間をマネジメントしよう
自ら学び、判断し、協力しあえるチームをつくろう
●From→To
これまでの「ふつう」を少しずつ変えてチームの自律性を引き出していこう
「ファイブフィンガー」「ベロシティ&リードタイム」「ワクドキ感」でチームの状態を理解しよう

第6章 1人の知識から、みんなの知識へ
●From
仕事のやり方がアップデートされてない
どこにナレッジがあるかわからない
ナレッジが形式知として残されていない
効率性ファーストだと共同化の機会が限られたものになってしまう
●To
1人SECIモデルを回そう
逆円錐状に学びの回転を広げよう
協働によって創発を生み出そう
●From→To
形式知のかたちを見いだしておこう
ナレッジ自体のふりかえりをおこなうようにしよう

第7章 縄張りから、越境へ
●From
チームや部署を越えたコミュニケーションに良くなる兆しがない
1on1やチャットでも乗り越えられない
●To
越境の2つの意味
1人から始める越境
チームでの越境
組織の越境
●From→To
接点を作り続け、対話を進めていこう

終章 思考停止から、行動へ
●From
「自分として」考えることも、動くこともない
思考停止から無関心、他責、面従腹背につながっていく
●To
関心、チーム、リスペクト、越境でダークサイドを変えていこう
●From-to
経験とは行動を起こした人にのみ与えられる報酬

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「ふりかえり」や「むきなおり」といったプロセス部分も良いですが、個人的には何より終盤の啓発的な箇所がとても心に残りました。

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2023年12月12日

Posted by ブクログ

普段からスクラムやアジャイルをやっているエンジニアが読んでも面白い。非常に読みやすいのというのとアジャイルをなぜやるのかを整理するのに役立つ。

0
2023年08月27日

Posted by ブクログ

若者とか新しいメンバーが入ったときに自分たちはこういう仕事のやり方を大事にしてます/したいです を伝えるのに渡したくなるような内容だった。アジャイルがキーワードにあるとはいえ、そこに偏っているわけでもなく、いろんな現場で多くの人が抵抗とか敬遠を感じることなく伝えたい内容を純度高くそのまま受け止めてくれそう

0
2023年06月17日

Posted by ブクログ

最近組織改革、プロセス改革、アジャイル化みたいなことをやっているので、特に後半の内容は刺さった。

組織改革は簡単ではない。組織を超えた「協働」は難しい。
そのためにはFromとToを踏まえて、その間にあるギャップを掴みにいくことが必要。
Toに行くために乗り越えなければならない課題、障壁、リスクに向き合う。
アジャイルに取り組むことでこれまで通りの成果が出せなくなるのであれば、「ふりかえり」で課題を発見し、打ち手を講じる。
「むきなおり」で互いに目標をとらえながら、今やることを合わせていく。

いちばんに変えなければならないのは意識だ、と改めて認識。
意識を変えること、チームとして同じ方向を見ること。

言われた方法論をただ取り入れればよい、というものではなく、新しい働き方をみんなでつくる、という意識合わせが大事。

「関心、チーム、リスペクト、越境でダークサイドを変えていこう」

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

会社のルールで沿って仕事してると(その組織の中では)間違いがない。けど、ルールにない事に遭遇すると思考停止してどうしたら良いか分からなくなる事がよくある。
この本は、そう言った問題の解決策をわかりやすくまとめられていると思います。

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2023年06月30日

Posted by ブクログ

言わんとすることはわかるけれど
旧来の効率重視の方針のダークサイドを執拗にハイライトして「これからの仕事」の価値と説得力を高めようとしている印象は否めないな

古くからPDCAという概念はあったのだから

いずれも銀の弾丸ではないし協働や振り返り向き直り生むには隠れた前提が多くある

0
2024年01月03日

Posted by ブクログ

理想は理想。現実は現実。でも誰でもない自分が変えていかないといけない。それがアジャイルであるかどうかは方法論の問題である。現実を変えようとするにはまず自分が変わり、そのあとに周りを巻き込んでいく作戦を考えないといけない。

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2023年11月25日

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