あらすじ
『変身』も『わたしを離さないで』も全部、カレン流!
ある朝、目が覚めたら自分がベッドになっていた――!? カフカの『変身』や与謝野晶子の『みだれ髪』、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』が大変身。古今東西の名作のタイトルをヒントに、滝沢カレンさんが新しい物語をつむぎます。オリジナルを知らない人も楽しめる一冊。各作品の解説付き。【電子版では扉絵をカラーで収録】
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
元になった有名な話から着想を得てカレンちゃんが書いた短編集だそうですが、教訓めいたもの、ちょっとロマンティックで素敵なもの、背筋が凍るようなものなど、バリエーションが豊富で、読んでいて飽きません。
特に椎茸の話と、湿地の少女の話が好きでした。
元のお話を知っていると、重い内容の原作が、こんな風に着地するとは‥と驚かされます。
普段から本を読んでいて、頭の良い方なのでしょう。
才能の引き出しがいくつもあって、素敵だなと思いました。
Posted by ブクログ
滝沢カレンさんの、独特な世界観をまさかテレビ番組以外でも感じ取ることができるとは思ってもいなかった。「はじめに」の時点で大笑いしてしまった(私のツボが浅いだけ?)。物語のラスト1文がオチになったり、その1つの文章でどんでんがえしされたりと、たった数ページのお話が集まった短編集だというのに、読み応えがかなりあった。カレンさんのようなワードセンスと想像力が、いまとなっては私の羨望の的になっている気がする。
Posted by ブクログ
滝沢カレンちゃんの本。有名な短編集のタイトルを使ってカレンちゃんが作る物語。カレンちゃんらしい言い回しや表現で読んでいて飽きなかったし、そうくるか、、という設定や展開ばかりで現実離れした話ばっかりだけどどれも想像出来て面白かったなぁ。特に好きだったのはあしながおじさんかなぁ。
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「ある日目が覚めたら、自分がベッドになっていた」、「眼鏡からコンタクトレンズにかえるタイミングを悩む少年」。
カフカの『変身』や、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』など、お馴染みの名作小説を、滝沢カレンがタイトルと少しのヒントをもとに、「馴染み知らず」に変身させた15話の物語。
タレント・ファッションモデルとして活躍する滝沢カレンさんが、ウェブサイト「好書好日」に連載していた「滝沢カレンの物語の一歩先へ」に、書下ろしの『ザリガニの鳴くところ』を加えて再構成した短編集です。
小林多喜二の『蟹工船』、エドワード・ゴーリーの『うろんな客』など、読書好きな方であれば馴染みのある15の物語を、タイトルなどをもとに全く新しいお話へ生まれ変わらせたもの。
おとぎ話のような雰囲気のものもあれば、ちょっとSF、ホラーめいた話もあったりはしますけど、全体的には自由でカラッと、さっぱりしたお話が多く気分もスッキリします。カレンさんらしい独特な言い回しも独創的。不思議な世界観を一冊で存分に楽しめます。
個人的に気に入った話をいくつか。
『妻が椎茸だったころ』喪失からの再生の物語で、個人的には収録作内で一番の癒し物語。『若きウェルテルの悩み』は若者の自意識が書かれていて好きです。私も学生時代同じような事で悩んだことがある。『ザリガニの鳴くところ』これはファンタジーっぽいボーイ・ミーツ・ガール。独特な世界観が大好き。
実は今あげた3作、どれも着想元の話の方を読んだ事が無いので、出来るだけ早めに読めたらいいな……。
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普段小説はあまり読まない方なのですが、短めで書いてあるのですぐ読めました。
変身がお気に入りです。現実離れしている話が面白かったです。
元になった小説も面白そうなので読んでみようと思います(^^)
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滝沢カレンさんが大好きでたどり着いたこの一冊。
滝沢カレンさんらしい言葉のチョイスや表現方法に時折戸惑いつつ、また感心しつつ、読みすすめました。
ラスト、馴染み知らずの「生きてるだけで、愛」が難解すぎたので、誰かと語り合いたいです(笑)
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妻が椎茸だったころで号泣し、薬指の標本でゾッとしたり、でも所々シリアスな場面でもカレン節が出ちゃってて入り込みすぎずにさくさく楽しめた!
1番カレン節かまされて爆笑したのはザリガニの鳴くところ。登場人物の名前からずるすぎる。笑
ハチャメチャだけどストーリー展開うますぎてめちゃくちゃ面白かったです。
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『これは遥か昔のムクッと温かい、情熱溢れる物語です』
10番目に収録された「馴染み知らずの『みだれ髪」』の冒頭の文章だ。
キテレツだ。
だが愉快な事この上ない。
古今東西の名作が滝沢カレンアレンジで新しい物語世界へと生まれ変わる。
文法なんてなんのその。
独特な表現とおかしみがムギッと詰まっていて何度も声を出して笑ってしまった。
笑えるもの、ホロっと来るもの、ゾッとするものなど内容も多岐に渡り物語としてきちんと成立している。
オチに至ってはどれも秀逸。
お気に入りは『変身』『ザリガニの鳴くところ』『みだれ髪』『薬指の標本』
Posted by ブクログ
自分が中学生の時に書いたファンタジーを掘り起こしてきて読んでいる感覚と似ている。
当時はベストセラーになっちゃうんじゃないかと本気で思っていたくらいの自信作だったのに、文章や言葉選びの稚拙さに小っ恥ずかしくなる反面、おとなのまねをして背伸びした言い回しが愛おしくてたまらなくて。一方で、子供ならではの奇想天外な発想とかまっすぐな表現に時折ハッとさせられたりもする。
やっぱり人間は「自分には書けない」小説に惹かれる生き物なんだろうなと。大人になってもこんなにピュアな文章が書ける滝沢カレンは、改めて魅力的な人間だなと思う。好き勝手やってくれてありがとう。
好き語録(ややネタバレ):
上田さんは、極度の妄想のめり込み障害と診断され、ここで治療しているんです。ご理解できましたか?
つかみようのない切なさが胸を紐でしばってくるようだ。いっそのこと、僕を焼豚にしてくれ。そんな気分だ。
コモロウは56歳だというのに働かず、しまいには両親のおかずばかり食べては夜遊びに力を注ぐような人だ。両親はいつもおかずなしの白飯生活にうんざりしていた。
基礎のなっていないスキップ
フランス人形か、足の長いおじさんかで選べと言われたの。
「やっていい奇行とダメな奇行があるわよね」
Posted by ブクログ
ポッドキャストで紹介されているのを聞いて、読みたくなった。
ところどころ言葉のチョイスが前衛的だけど、この著者だと「それも味だな」と思ってしまう。
ベッドに変身したり、髪がもじゃもじゃでワシにさらわれたり。
普通の人生を歩んでいては、思いつかない気がする。
Posted by ブクログ
また長らく体調を崩して、久しぶりに一冊読み切ることができました。嬉しい。それはさておき。
滝沢カレンさんが古今東西の名作のタイトルと少しの原作の情報を頼りに紡ぎ上げた物語たち。本書のタイトル通り、まさに馴染み知らずだ。
独特の言い回しの効いたカレン節は活字でも顕在で、少し読みにくい部分もあったけれど、カレンさんの自由な発想で紡ぎ上げられる物語たちがどこへ向かうのか、ワクワクしながら読み進めることができました。
カフカの変身を元にしたカレンさんの変身が本書の中で一番好きですね。あとは若きウェルテルの悩みも好みです。
各話ラストに原作のあらすじが載っていて、未読の作品も気になる仕様。
以下備忘録がてら目次をば。
馴染み知らずの(以下略)九月が永遠に続けば
妻が椎茸だったころ
変身
うろんな客
ザリガニの鳴くところ
あしながおじさん
若きウェルテルの悩み
号泣する準備はできていた
バナナフィッシュにうってつけの日
みだれ髪
蟹工船
屋根裏の散歩者
薬指の標本
わたしを離さないで
生きてるだけで、愛。