あらすじ
NICU(新生児集中治療室)を舞台にした、
小さな命をめぐる感涙の物語。
著者の経験を元にした新たな代表作誕生!
新生児仮死で生まれてきた赤子の母、
胎児に染色体異常があると告げられた女性、看護師、臨床心理士、清掃員、医師ーー
さまざまな視点から描かれる、NICU(新生児集中治療室)という「この場所」。
小さな命のきらめきに、こんなにも心を動かされる。
医療現場を舞台に著者が新境地を拓いた連作長編小説。
ずっと、18トリソミーではなかったのなら、どんなにいいだろうと思っていた。けれどもし、その願いが叶うことで、生まれてきた赤ちゃんが心(ここ)ではなくなってしまうのならば、意味がなかった。心でよかった。心がよかった。
重なっている手の指。カーブした足。何もかもが特別で、愛おしかった。心だけの形。あらゆる部分が、可愛らしい。(本文より)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「この場所であなたの名前を呼んだ」
大学病院のNICUを舞台にした連作短編集。
読み終わった後に本のタイトルを改めて読むと、深く静かに胸に響くものがあった。
Posted by ブクログ
ずっと気になっていた本。
"NICU"という場を舞台に、そこで闘う赤ちゃんの家族、医師、看護師…関わる人たちを主人公にした連作短編集。
それぞれに色々な思いを抱えながら、赤ちゃんと共に生きていく姿に感動した。病院っていろいろな人に支えられているんだなと実感。
Posted by ブクログ
NICUが舞台の連作だということで興味深く手に取った。我が子も2人お世話になっているから懐かしく忘れていた感情が呼び起こされたような気になった。下の子が20歳なのでそんなに時が経っていることにも驚く。確かにここで描かれているようなNICUで働く人たちがいたことを思い出す。赤ちゃんが異常なく生まれてくることがとても喜ばしいことを忘れがちだけどこの小説のようなことは実際にあるのだ。自分も実際に渦中にいたことを思い出した。忘れがちな感情を思い出したくなったら再読しよう。
Posted by ブクログ
娘を産んだ時、NICUの隣の新生児室に毎日通っていた。泣いているお母さんたちを見るのはとても辛かった。絶対に健康に生まれるなんてなくて、本当に産まれるって奇跡なんだなぁって思った。
あと、NICUの看護師さん、助産師さんはこれまで見た社会人の中で1番尊い存在だった。
Posted by ブクログ
加藤千恵さんの作品が好きで、まだ読んだことがなかったから手に取ってみた。(出産の話とは知らなかった)
子供や出産に全く興味がなかったので、出産する人の気持ちやそれに関わる医療関係者の気持ちなんて想像もしてみたことないけど、
心情や情景の描写が繊細ですごくわかりやすかったので、すんなり読めたし面白かった。
ちょっと子供っていいのかも?って思えたけど、それと同時に、母子ともに死やリスクと隣り合わせすぎてやっぱり私には無理だなぁとも感じた。
Posted by ブクログ
自身の子供達がお世話になった
NICUが舞台の本と聞いて、読んでみた。
それぞれ、低出体重児と早産でした。
もう10年近く前の事だけど、機械音、赤ちゃんの泣き声、わかるわかる〜って感じの情景でした。
Nの先生や看護師さん達には本当に
感謝しかないなと思っていた事を思い出した。
そして、赤ちゃんは尊い事も…。
今、目の前にいる子供達を
当たり前にいる存在ではなく、
毎日元気にいてくれる事を
感謝して育てていこうと
改めて思いました!