【感想・ネタバレ】遠い声、遠い部屋のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

 久しぶりの圧倒的な読書体験。アメリカ文学に浸れる至福の時間。独特の比喩を用いた言い回し、個性豊かな奇妙な登場人物たち。古きアメリカのディープサウスの描写が素晴らしい。翻訳者を忘れて村上春樹の新作〜それも中期の頃の特別に面白い長編〜を読んでいるようだった。
 すらすら読めないので何度も読み返したり、戻ったり、以前の河野一郎訳はどうだったかと比較したり。読書の真髄を思い出させてくれる究極の一冊。じっくりと向き合って味わいたい小説です。
 新訳は春樹節が出過ぎてる箇所もある。言葉も前訳の方が分かりやすい部分もあるし、もちろん新訳の方が馴染みやすい単語になっている所もある。前訳で再読してみるのもいいかもしれません。 
蒲団→キルト  毒蛇→ヌママムシ
無蓋のフォード車→ピックアップ型のフォード車
おまじない→護符 など 
 70年以上も前にトルーマン・カポーティが24歳で書いた珠玉の小説。是非、多くの人に読んでもらいたい。前訳と新訳は文章構成も全く違います。しかし、タイトルだけは同じ。自分も考えてみましたが、これを超えるような素晴らしい邦題は思いつきません。☆4は自分が完全に理解しているとは思えないので。
 

0
2023年09月07日

「小説」ランキング